東北電力女川原発、運転差し止め請求を棄却する判決 仙台地裁

平川仁

 

東北電力女川原発、運転差し止め請求を棄却する判決 仙台地裁:朝日新聞デジタル (asahi.com)

 

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東北電力女川原子力発電所=2023年3月5日、宮城県女川町、朝日新聞社ヘリから、嶋田達也撮影

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東北電力が再稼働をめざす女川原発2号機(宮城県女川町石巻市)を巡り、住民らが運転の差し止めを求めた訴訟で、仙台地裁(斉藤充洋裁判長)は24日、原告側の請求を棄却する判決を言い渡した。

 原告は、原発から5~30キロ圏内の「緊急防護措置を準備する区域(UPZ)」に住む石巻市民17人。30キロ圏内の全7市町と県が策定し、2020年6月に国が了承した避難計画では重大事故時、原告らは放射性物質の放出後に車やバスで避難する想定になっている。

 

 原告側は、被曝(ひばく)状況を調べるために通るスクリーニング検査場の周辺で大規模な渋滞が起き、避難に時間がかかる可能性が高いとし「被曝の危険性が高い30キロ圏から長時間脱出できず、避難計画に実効性はない」と主張。無用な被曝を強いられ、人格権が侵害される具体的な危険性があると訴えていた。

 

 一方、東北電側は、合理性があると了承を得られた避難計画であり、改善点があるとしても、ただちに実効性がないとはいえないと反論。避難が必要になるような重大事故が起こる具体的な危険性について原告側は主張・立証していないとし、避難計画を巡る判断にかかわらず、請求を棄却すべきだとしていた。(平川仁)

 

〈女川原発〉

宮城県女川町と石巻市にまたがって立地する東北電力の原発で、東京電力福島第一原発と同じ沸騰水型が3基ある。

 

東日本大震災では高さ13メートルの津波に襲われた。

 

原子炉を冷やす設備の一部が一時使えなくなったほか、原子炉建屋で1千カ所以上のひび割れが見つかった。

 

東北電は2号機について、24年2月の再稼働を目指し、安全対策工事を進めている。