知事票の行方、各党注目

 

埼玉:知事票の行方、各党注目:地域ニュース : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)

 

 統一地方選の前半戦に行われる県議選は、31日の告示が2週間後に迫った。党勢拡大を目指す各党の思惑や戦略を探る。

自民が秋波…野党危機感

 「3年間の新型コロナウイルスとの闘いで、コロナ対策の『最初の道』をつくった。県の対策がうまくいったのは、当時の県議会議長(の尽力)に負うところが大きい」

 

さいたま市大宮区のレイボックホールで2月17日に開かれた、自民党県連幹事長代理の田村琢実県議の県政報告会。

 

会場に駆けつけた大野知事は、議長として県政史上最も多い14本の補正予算を成立させた田村県議を持ち上げた。

 

 田村県議は「知事とは是々非々の関係を築くべきだ」との立場で、大野知事とは距離を置いているとされる。

 

それゆえ、会場では大野知事の思わぬ発言にざわめきが起きた。

 

 前回2019年の県議選では、県政報告会に野党系の上田清司知事(当時)を招待した自民県議が、県連から「厳重注意」の処分を受けた。今回は自民の対応も様変わりしている。

 

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 県議選では、知事票の行方に注目が集まる。国政選挙と違って党派色が出しにくく、各党とも集票力のある業界団体と関係が深い知事の支援に頼らざるを得ない事情があるからだ。

 

 大野知事は19年の知事選で初当選。野党系候補として出馬し、自民候補との事実上の一騎打ちを制した。

 

だが、緊張関係にあった自民との間で就任後に目立った対立はなく、「要望や提案に耳を傾けてくれている」(自民関係者)と評価は高い。

 

 最近は、自民所属の県議が大野知事との「2連ポスター」を作成するなど急接近を見せる。

 

今年1月の賀詞交歓会では、自民県議が知事とのツーショット写真を撮ろうと列をつくった。

 

 自民の秋波に応じ、大野知事は県連幹部の県議の会合に相次いで顔を出す。

 

2月26日、さいたま市岩槻区で開かれた自民県議団の小島信昭団長の県政報告会で、大野知事は右手を突き上げ、「勝つぞ!」と大声を張り上げた。

 

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 大野知事の動きに、「知事与党」を 標榜

 

 

 

 

ひょうぼう する野党系議員は危機感を募らせる。

 

県議会第2会派・無所属県民会議の代表も務めた鈴木正人県議が2月、自民県議団に移り、自民の影響力が強まっているせいもある。

 

 鈴木県議が「側近」として支えた上田前知事は終盤、自民との対決姿勢を鮮明にし、野党系県議を優遇した。大野知事は上田前知事の後継とされるため、野党系には「自民に寄りすぎだ」との不満が渦巻く。

 

野党系議員もポスターやチラシに大野知事の写真を使い、県政報告会への出席を依頼するなど「知事との近さ」を懸命にアピールする。しかし、結果として自民と差別化を図るのが難しくなっている。

 

 3月2日、大野知事が地元の川口市で開催した政治資金パーティーに、県議の姿はなかった。周辺関係者は「バランスをとった」と解説する。

 

 ただ、大野知事は県議会2月定例会で、今夏の知事選で再選を目指して出馬する意向を、まずは自民県議団の質問に答える形で表明した。「自民に配慮し、知事選で対抗馬を出させずに勝利したい」との思惑が透ける。

 

 県議選の結果次第では、大野知事と県議会の関係はさらに変化する可能性がある。

 

県議選は今夏の知事選の結果を占う戦いになる。

 

(伊賀幸太、金山真梨)

 

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