第1回候補予定者全員のポスターに知事の顔 「みんな知事派?」その訳は…
西田有里
埼玉県議選の告示まで約2週間になり、
立候補予定者たちの写った2連や3連のポスターが目につくようになってきた。
知名度の高い国会議員や地元の首長などと一緒のケースが多いが、
今回は県内の多くの選挙区で党や会派を超えてよく見る顔がある。大野元裕知事だ。
すべての予定者と一緒に写っている選挙区すらある。なぜこんなことになっているのか。
3月上旬の平日。県庁のあるさいたま市浦和区から約1時間半車を走らせた。
向かったのは、北3区(定数3、深谷市・美里町・寄居町)にある深谷市だ。
この選挙区では、いずれも自民の小川真一郎氏と神尾高善氏、
無所属の江原久美子氏の現職3人が立候補を予定している。
今のところ無投票の可能性がある。
野党の支援受け知事に
市内を歩くと、あちこちに3人のポスターがあった。
それぞれデザインやキャッチフレーズは違っていたが、どれも笑顔の大野知事が写っていた。
深谷市内のスーパーマーケット「ベルク」周辺やJR深谷駅前で話を聞いた。
スーパーに来ていた男性(94)は「ポスターには選挙区内の県議が全員知事と近しいという印象を受ける。
1人くらい知事に異議を唱える人がいないと困る」と苦言を呈した。
近くで犬の散歩をしていた飲食業の男性(70)も、
「みんな知事派という感じ。
政治スタンスが見えにくくて、紛らわしい。
選挙になったら、それぞれの主張を見極めなくてはいけない」。
そもそも大野知事は4年前の知事選で、立憲、国民、共産など野党の支援を受けて
自公推薦候補をやぶり当選した経緯がある。
県議会でも当初は自民会派の一部に対決姿勢があったが、
次第に双方が歩み寄るようになった。
2月にあった自民の統一地方…




