文化財を守る 奈文研と文化財防災センターが東北大と協定

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文化財を守る 奈文研と文化財防災センターが東北大と協定|NHK 奈良県のニュース

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東日本大震災から12年になるのを前に、奈良市に本部のある奈良文化財研究所と文化財防災センターは、東北大学と協定を結び、遺跡の調査などで得られる過去の災害の情報を防災に役立てる研究や文化財を災害から守る手法の開発などに連携して取り組むことになりました。

平成23年の東日本大震災では、地震や津波で数多くの文化財や歴史資料が壊れたり、水につかったりする被害を受けました。


奈良文化財研究所と文化財防災センターは、東北大学と協力して被災した文化財の救出や保全を行うレスキュー活動や過去の津波の被害を伝える石碑のデータベース化などに取り組んできましたが、こうした取り組みをさらに強化しようとこのほど協定を結びました。


協定では、

 

▼遺跡の調査などで得られた過去の災害の情報をまとめた奈良文化財研究所のデータベースを地質学や津波工学といった防災関係の分野の研究に役立てていくことや、

 

▼地震や津波に関する文献や石碑の情報を示したオンラインの地図を活用して、災害が起きた際に文化財を守る仕組みの開発などに連携して取り組むことになっています。


今回の協定について奈良文化財研究所の金田明大 埋蔵文化財センター長は、「災害を記録した先人たちの声からは、被害の実態を鮮明に描き出すことができる。連携して研究を進めることでいまを生きる人々の安心・安全に役立てたい」と話しています。

【東北大学災害科学国際研究所の所長は】
東北大学災害科学国際研究所の今村文彦 所長は「東日本大震災以降も、台風などの風水害や地震災害が国内はもとより、海外でも立て続けに起きていて、文化財のレスキューがますます重要になっている。今回の協定を踏まえ、それぞれの連携をさらに高めていきたい」と話しています。