首相が山口入り 衆参5補選へ本格始動
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首相が山口入り 衆参5補選へ本格始動(産経新聞) - Yahoo!ニュース
衆院山口2区補選に出馬する自民候補の集会で拳を突き上げる岸田文雄首相(右から2人目)=5日、山口県岩国市(小沢慶太撮影)
岸田文雄首相(自民党総裁)は5日、4月の衆院補欠選挙の応援のために山口県を訪問した。山口を含む5つの国政補選の結果は、内閣支持率4割前後で「低位安定」を続ける岸田政権の浮沈に影響する。首相は子供政策の強化や物価高対策などを打ち出し、支持拡大を図りたい考えだ。 「国民の命や暮らしを守り切れるのはどの政党か。今の時代にふさわしい子供・子育て政策を進めることができるのはどの政党か。自公政権しかないと確信している」 首相は5日、山口県下関市で、安倍晋三元首相の死去に伴う山口4区補選に立候補する元同市市議の集会に出席し、声を張り上げた。その後、岩国市へ移動し、議員辞職した岸信夫前防衛相の後継として岸氏の長男が出馬する山口2区補選の応援も行った。 自民は、4月23日投開票の4つの衆院補選と4月に実施見込みの参院大分選挙区の計5つの国政補選で候補を擁立し、勝利したい考えだ。首相は2月の党会合で「今後の政局に大きな影響を与えるかもしれない大事な選挙だ」と述べ、引き締めを図った。 首相が応援で最初の訪問地に選んだ山口は安倍氏の地元で全国屈指の保守地盤だが、楽観視はできない。4区の候補は安倍氏の後継として後援会をほぼ引き継いだものの、結束が課題で、地元関係者は「簡単にはいかない」と語る。 政治資金規正法違反の罪で略式命令を受けた薗浦健太郎氏の議員辞職に伴う千葉5区や、もともと野党系の議席だった和歌山1区、参院大分の補選は、与党にとっては逆風の中での選挙戦が想定される。 国政補選や統一地方選を見据え、首相は国民の関心が高い子供関連予算の倍増を掲げており、今月末には施策の大枠を取りまとめる予定だ。3日には新たな物価高騰対策のとりまとめを与党に指示した。 党内基盤が脆弱(ぜいじゃく)な首相にとって選挙の結果は求心力に直結する。菅義偉政権で令和3年4月に行われた3つの衆参の補選・再選挙で自民は議席を得られず、その後、党内で「菅首相では選挙を戦えない」との声が強まった。衆院議員の任期満了は再来年だが、来年9月に首相は党総裁の任期満了を迎える。補選の結果次第で非主流派による「岸田降ろし」につながる恐れもある。(小沢慶太)
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