皇位継承の在り方 自民・立民議論進まず
産経新聞 配信より
皇位継承の在り方 自民・立民議論進まず(産経新聞) - Yahoo!ニュース
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安定的な皇位継承の在り方をめぐり、政府は有識者会議が取りまとめた報告書に対する与野党の意見を聴取した上で、立法措置を本格化させる青写真を描く。皇室の課題に詳しい麗澤大教授の八木秀次氏は「皇室典範の改正ではなく特例法を整備するのではないか」と語る。ただ、自民党や立憲民主党などの議論は進んでいない。 首相、皇位継承の再始動模索「先送り許されない」 平成29年成立の譲位特例法の付帯決議は、安定的な皇位継承に関する検討結果を速やかに国会に報告することを政府に求めていた。 これを受け、政府が設置した有識者会議は令和3年12月、旧宮家の男系男子を養子縁組などで皇族とする案と、内親王・女王が婚姻後も皇族の身分を保持する案を盛り込んだ報告書を発表。昨年1月、松野博一官房長官が衆院議長公邸で各党派の代表者に報告書の概要を説明し、それぞれが持ち帰った。 ただ、その後の動きは日本維新の会を除き停滞気味だ。維新は昨年4月、養子縁組案を高く評価する意見を決定し、衆参両院議長に提出。藤田文武幹事長は今年1月31日の衆院予算委員会で、岸田文雄首相に「各党が意見を持ち寄り議論を進めるべきだ。ほったらかしは良くない」と迫った。 一方、自民は昨年1月下旬に麻生太郎副総裁をトップとする懇談会を開いたが、目立った進展はみられない。茂木敏充幹事長は今年2月27日の記者会見で、「静謐(せいひつ)な環境の中で議論を深める必要がある」と述べるにとどめた。 党内では伝統的な男系継承の継続に資する養子縁組案への期待が高まる。内親王・女王が婚姻後も皇族の身分を保持する案は前例のない「女系天皇」容認につながりかねないとの懸念もある。 「女性宮家」支持派を抱える立民は、各党派が一堂に会して議論すべきだと主張している。泉健太代表は今月3日の記者会見で、「自民として当然、議論する環境をつくるべきだ。立民が独自に先に走って、アピールすることを考えているわけではない」と述べた。国民民主党の榛葉賀津也幹事長は同日の会見で、「国のかたちにとり重要な問題だ。皇位が安定的に継承されるよう、しっかりと議論を進めていかなければならない」と語った。 公明党の議論も本格化していない。共産党は「女系天皇」を認める考えを打ち出すなど党派間の調整は難航も予想される。皇室に詳しい有識者は「制度改革は政権が安定していなければ難しい。具体化するのは衆院解散・総選挙の後ではないか」との見方を示した。(内藤慎二)
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