岡田さんが池坊「華臈」に 国内で唯一、77年間の活動結実【宇部】

宇部日報配信より

 

岡田さんが池坊「華臈」に 国内で唯一、77年間の活動結実【宇部】(宇部日報) - Yahoo!ニュース

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家元からの書状を手にする岡田さん(池坊岡田いけばな教室で)

 

 長年地域の生け花文化の振興に努めてきた岡田銀二郎さん(97)=宇部市亀浦1丁目=に、華道家元池坊の最高職位のさらに上に位置する「華臈(かろう)」が授与された。

 

華道の発展に貢献するなど特別な功績が認められた人に与えられるもので、日本では2003年以来20年ぶりの認定。

 

国内数十万人の池坊門弟の中で、現在は岡田さんが唯一の同職位取得者となる。    

 

岡田さんは1925(大正14)年、現相生町の生まれ。終戦後、特攻隊の基地から帰郷し精神的に荒れていた20歳の頃、母親に連れられて行った教室で生け花と出合った。花に向かうと、不思議と心が落ち着き、夢中になれたという。    

 

55年に池坊二彩会を創設、78年に設立した宇部華道協会では初代理事長を務めた。

 

池坊県連合支部長や中国五県連合代表を歴任し、本部で理事を務めるなど、宇部にとどまらず、広く華道文化の普及に貢献してきた。    

 

常に挑戦し続ける姿を示し、多くの門弟を育成して約77年。90歳を超えてなお現役で指導に当たっている。

 

これまでの功績が認められ、1月1日付で45世家元の池坊専永さんから華臈の職位が授与された。    

 

2月4、5日に文化会館で開かれる池坊宇部支部発会90周年・青年部発会30周年記念花展では、併せて岡田さんの華臈拝受を祝う。

 

記念式典には、京都府から家元が来場し、祝辞を述べる。

 

岡田さんは「驚きと共にありがたく、感謝の気持ち。これで大方の自分の役目は終えたと思っているが、手と頭が元気でいられる限り、100歳を目標に続けていけたら」と話した。