【朝刊先読み!】「女にとって赤は愛の印」森英恵さんの長男・顕さん、母のエピソード語る
【朝刊先読み!】「女にとって赤は愛の印」森英恵さんの長男・顕さん、母のエピソード語る | 山陰中央新報デジタル (sanin-chuo.co.jp) 配信より
女性を美しく、元気にしたいとの思いが強かったという森英恵さんの言葉を振り返る長男の顕さん=益田市有明町、島根県芸術文化センター・グラントワ
昨年8月に96歳で亡くなった、島根県吉賀町出身の世界的ファッションデザイナー、森英恵さんの追悼展が県立石見美術館(益田市有明町)で開かれているのに合わせ、長男でファッション振興財団理事長の顕さん(73)が21日、講演した。
「女性を美しく元気にしたい」との思いが強かった母・英恵さんの言葉や思い出を伝えた。
顕さんは冒頭、「ふるさとの石見で追悼展が開催され、母も喜んでいると思う」とあいさつ。
講演は英恵さんの幼少期、ニューヨークやパリでの仕事姿などの写真を振り返りながら、エピソードを披露した。
英恵さんは1950年代の日本映画黄金期に数百本の作品を陰で支えた。
生前、映画衣装の制作で色使いを学んだと話していたといい、あるとき当時では珍しい真っ赤なドレスをデザインした母に意図を問うと、「女にとって赤は恋心、愛の印なのよ」との答えが返ってきたという。女性を美しく元気にしたいとの思いがずっと強くあった、と振り返った。
顕さん自身も子どもの頃は夏休みに吉賀町(旧六日市町)を訪れた。水田が広がりモンシロチョウが飛んでいる光景に、「(チョウをトレードマークとする)母のイメージはこの景色だと実感した」と語った。
約60人が聴き、益田市遠田町の原いずみさん(68)は「女性の社会進出の先駆けとして仕事に忙しくしていたようだが、顕さんが英恵さんを尊敬していることが伝わった。そういう母になりたいと思った」と話した。
追悼展は29日まで。 (藤本ちあき)