イチゴ生産日本一の栃木県 主力品種を「とちおとめ」から交代へ

下野新聞SOON 配信より

 

イチゴ生産日本一の栃木県 主力品種を「とちおとめ」から交代へ(下野新聞SOON) - Yahoo!ニュース

 

栃木県が開発したイチゴの新品種「とちあいか」

 

 栃木県のイチゴ生産量日本一を維持していこうと、県は2027年産(26年秋~27年春)までに、

 

県全体の生産量に占める新品種「とちあいか」の割合を

 

現在の1割(22年産)から8割へ大幅に増やす戦略を打ち出した。

 

長年の主力品種「とちおとめ」よりも、10アール当たりの収量(単収)が上回る

 

後継のとちあいかの作付面積を広げるなどして10年後、県全体の産出額を100億円以上押し上げる。

 

「いちご王国・栃木」の新たな顔となるとちあいかで、ブランド力のさらなる向上を図る。

 

  【画像】栃木県産の新品種の白イチゴ「ミルキーベリー」  

 

デジタル技術の進歩や担い手の減少、とちあいか誕生などを受け、

 

県やJAなどで構成する戦略会議が32年までの新たな「いちご王国・栃木」戦略を策定した。  

 

戦略の大きな柱は、21年産から販売が本格化したとちあいかの生産量増大。

 

酸味が少なく甘さが際立つとちあいかは単収が良い上、病気に強く栽培しやすい利点がある。  

 

全国で栽培可能なとちおとめと違い、とちあいかは現在、苗の提供が県内の生産者に限られ栃木県でしか栽培できないのも強み。

 

県は、補助事業などを通じてとちあいかの生産を促し、現在の3千トンから32年産は2万8700トンへ拡大する方針。  

 

一方、22年産の81%(1万8700トン)を占めたとちおとめは段階的に減らし、32年産では約5%(1300トン)にする。

 

贈答向けの「スカイベリー」は22年産の1700トンから、32年産2900トンへ増やす。  

 

現在、県産イチゴは主にタイやマレーシアなどへ輸出している。21年度はとちあいかの輸出も開始。

 

「果肉がやや硬いため輸送に優れ、評価も高い」(県経済流通課)。

 

今後、輸出先とのパイプを強くしつつ販路を広げ、輸出額を1千万円(20年度)から5億円(32年度)に引き上げる。  

 

新規就農者も増やすため、農地・住居の確保から技術習得まで総合的な支援を進める。

 

デジタル技術を活用して年収1億円以上の生産農家を増やしたり、

 

単収や品質も高めたりして、32年産出額370億円(20年産254億円)を目指す。  

 

県農政部は「単収が多いとちあいかを武器に、収量の向上を図っていきたい」としている。

 

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