NY市場 円相場 急激な円高に 政府・日銀の市場介入との見方も
2022年10月22日 2時05分 、NHK NEWS WEB 配信より

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221022/k10013867051000.html

21日のニューヨーク外国為替市場、円相場は、1ドル=151円台後半まで値下がりしたあと、急速に円が買い戻されて、一時、1ドル=145円台半ばまで6円余りも値上がりする、異例の荒い値動きとなっています。市場では政府・日銀の市場介入ではないかとの見方が出ています。

為替政策を担当する財務省の神田財務官は、22日未明に財務省内で記者団から市場介入を実施したかどうか問われたのに対して「コメントしない」と述べました。

21日のニューヨーク外国為替市場では、アメリカの大幅な利上げ観測を背景に長期金利がおよそ15年ぶりに一時、4.3%台まで上昇したことを受けて、日米の金利差が改めて意識され、円を売ってより利回りが見込めるドルを買う動きが強まりました。

このため、円相場は1ドル=151円台後半と、152円に迫る水準まで値下がりしました。

その後、アメリカの有力紙ウォール・ストリート・ジャーナルがことし12月以降のアメリカの利上げ幅が縮小する可能性があると伝えたことなどを手がかりに、円は急速に買い戻されています。

円相場は一時、1ドル=145円台半ばまで、1時間半程度で6円余りも値上がりする、異例の荒い値動きとなっています。

財務省 神田財務官「コメントしない」
財務省の神田財務官は、22日未明に財務省内で記者団から市場介入を実施したかどうか問われたのに対して「コメントしない」と述べました。

市場関係者 “急速な円安に歯止め 市場介入に踏み切ったか”
21日の東京市場で1ドル=150円台半ばまで円安が進んでいた円相場は、海外市場に入って円売りドル買いが加速し、一時1ドル=151円90銭程度まで値下がりしました。

ところが日本時間の午後11時半すぎに、円相場は突然、円高方向に振れ、およそ1時間半の間に1ドル144円台後半まで7円近く変動しました。

政府・日銀から公式な発表はありませんが、市場関係者は、急速な円安に歯止めをかけるため政府・日銀がドル売り円買いの市場介入に踏み切ったとみています。

市場介入なら9月22日以来に
9月22日、日本時間の未明にアメリカのFRBが大幅な利上げを決めた一方、日銀は大規模な金融緩和を維持したことで、円安が急加速。日銀の黒田総裁が記者会見で「当面、金利を引き上げることはない」と発言すると、円相場は1ドル=145円台後半まで値下がりしました。

そして、この発言の直後に、政府・日銀は急速な円安に歯止めをかけるため24年ぶりにドルを売って円を買う市場介入に踏み切り、円相場は、一時、1ドル140円30銭程度まで戻しました。

しかし、アメリカで大幅な利上げが続くという見方から、市場介入の効果は、持続せず円相場は再びじりじりと円安が進行。10月12日には1ドル=146円台まで値下がりし、市場介入を実施したときよりも円安になりました。

そして13日発表されたアメリカの消費者物価指数が高止まりしたことをきっかけに、円相場は、1ドル=147円台の後半まで値下がり。1990年8月以来、およそ32年ぶりの円安水準となりました。

その後も円安の流れは止まらず、20日の東京市場では節目となる1ドル=150円台まで円安ドル高が進みました。

21日の東京市場では午後5時時点で1ドル=150円47銭から49銭でしたが、その後、円安がさらに加速し、ニューヨーク市場で円相場は一時、1ドル=151円94銭まで値下がりしていました。この直後に円相場は一転して円高方向に大きく値上がりしました。