ノーベル経済学賞にバーナンキ氏ら FRB議長経験者では初
配信より
ノーベル経済学賞にバーナンキ氏ら FRB議長経験者では初 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース
ベン・バーナンキ元米連邦準備制度理事会(FRB)議長=2016年7月12日午後3時36分、竹内紀臣撮影
スウェーデン王立科学アカデミーは10日、2022年のノーベル経済学賞を、
元米連邦準備制度理事会(FRB)議長で
米ブルッキングス研究所のベン・バーナンキ氏(68)ら3人に授与すると発表した。
銀行と金融危機の関係を解き明かしたことを評価した。
同アカデミーによると、FRB議長経験者がノーベル経済学賞を受賞するのは初めてという。
バーナンキ氏は経済学者出身で、06年にFRB議長に就任。
08年に米証券大手リーマン・ブラザーズが経営破綻に追い込まれ世界経済が大混乱に陥った金融危機の際に、
ゼロ金利政策の導入や金融機関の救済などに踏み切った。
リーマン・ショック後に落ち込んだ米経済を下支えするため、
住宅ローン担保証券や米国債などをFRBが買い取り市場に大量のマネーを供給する量的緩和策を実施。
日銀や欧州中央銀行(ECB)も追随し、主要中銀による金融緩和を主導した。
オバマ政権下の10年にFRB議長に再任され、14年に退任した。
FRB理事時代には、物価下落で景気が低迷するデフレからの脱却には思い切った金融緩和や財政出動が必要と主張。
「デフレ克服にはヘリコプターから紙幣をばらまけばよい」と発言したことから「ヘリコプター・ベン」との異名がある。
経済学者としては、1930年代の世界恐慌の研究で知られる。銀行の経営破綻がいかに金融危機を深刻化させるかを分析した。
バーナンキ氏の他に受賞が決まったのは米シカゴ大のダグラス・ダイヤモンド教授(68)と米セントルイス・ワシントン大のフィリップ・ディビッグ教授(67)の2人。
家計の貯蓄を企業の投資に振り向ける仲介役として社会的に重要な役割を発揮する銀行について、破綻を防ぐのに必要な政府の役割などを分析した。
スウェーデン王立科学アカデミーは3人の授賞理由について
「経済における銀行の役割、特に金融危機の際の銀行の役割について我々の理解を深めてくれた。
なぜ銀行破綻を回避することが重要なのかについて重要な発見があった」
と説明した。
授賞式は、12月10日にストックホルムで予定されている。
【ワシントン大久保渉】
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