「活断層は存在しない」【山口】
配信より
伊藤市長が市役所建て替えめぐる再調査の結果を公表

会見する伊藤市長(市役所で)
山口市役所の建て替えをめぐる活断層の再調査問題で、伊藤和貴市長は7日、会見で「調査結果から活断層は存在しないと判断した」とし、計画通りに整備を進める方針を示した。
市は2019年度に活断層はないとする調査結果を公表したが、今年3月に有識者が結果に不備があると指摘。
これを受けて市は山口大に再調査を委託した。
再調査では、同大の地質学の専門家8人が研究チームと第三者組織を結成。
ボーリング調査、地盤や地質を調べるPS検層、調査溝を掘って壁面に現れた地層などから断層の活動時期や変位量を推定するトレンチ調査を行った。
得られたデータを19年度の調査結果と照らし合わせ、「整備区域内で、第四紀後期(現代を含む最も新しい地質時代)の少なくとも3万年前、さらにはそれよりも古い年代以降において断層活動は認められない」と結論付けた。
伊藤市長は「科学的な根拠に基づいた報告を受けたことで、整備に向けて一歩踏み出せる」と話した。
不備を指摘した有識者が求めていた第三者委員会についても「改めて第三者に見解や評価を求める必要はない」と、設置しない考えを示した。
一方、市が正式に報告書を受け取る前に担当者が「活断層は無く、第三者委も置かない」と、有識者に回答書を送付していたことが明らかになっており、伊藤市長は「事務処理として適切ではなかった」と陳謝した。
報告書と参考資料は近日中に市のホームページに掲載される。
市が昨年11月に公表した基本計画では、24年度中に新市役所の完成を目指す。
市民交流棟、立体駐車場、広場を合わせた最終的な完工は26年度中を見込んでいる。