欧州へのLNG融通、経産相表明 3月に数十万トン規模

ウクライナ情勢

 

 (更新)

 

欧州へのLNG融通、経産相表明 3月に数十万トン規模: 日本経済新聞 (nikkei.com)

配信より

 

萩生田光一経済産業相は9日、欧州に液化天然ガス(LNG)の一部を融通する方針を表明した。

 

政府の要請に応じた日本企業がLNGを積んだ船を3月に欧州に着くように数隻向かわせるという。

 

1隻に積めるLNGは7万トンとされ、数十万トン規模になる。

 

ウクライナ情勢が緊迫する中、バイデン米大統領の協力要請に応じて協調する姿勢を示す。

 

岸田文雄首相は9日、記者団に「同盟国の米国からの要請と、欧州の厳しい天然ガス不足の状況を踏まえた」と語った。

 

足元では減っているが、欧州はロシア国営ガスプロムから月800万トン前後のガス供給を受けていた。その規模からすると日本の融通量の数十万トンは数%にすぎない。

 

萩生田氏は9日にパトリシア・フロア駐日欧州連合(EU)大使と米国のラーム・エマニュエル駐日大使とそれぞれ会談。

 

LNGを欧州に融通する方針を伝えた。萩生田氏は記者会見で「4月以降も情勢を見ながら可能な限り対応できるよう企業に検討を依頼した」と述べた。

 

欧州は天然ガス輸入の4割をロシアに頼る。暖房需要が減る5月は欧州のガス消費量は1月の半分となる。

 

4月分まで確保できるかが焦点で、そうなれば欧州へのガス供給というロシアの「外交カード」の効力は弱まる。

 

日本のLNGの国内在庫は最大でも2週間分と多くない。国家備蓄もないが、国内での必要量を確保したうえで余剰分を売る。

 

経産省によると、日本企業に融通を要請する前から欧州に向かうと決まっていた船も2月中に数隻到着する。

 

今回の政府要請で行き先を欧州に変更する数隻を加えると、3月は2月よりも多くの船が着くという。

 

米欧はロシアがウクライナに侵攻した場合、ロシアへの経済制裁に踏み切る方針だ。ロシアは欧州へのガス供給を減らして対抗する恐れがある。米国はLNGを欧州に融通できないか日本などに打診していた。

 

世界のガス取引は2020年に約9.2億トン。

 

( 以下、省略)