かつて自民「最大勢力」竹下派の後継誰に 迫られる世代交代、茂木氏が有力…派内に異論も
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自民党本部
自民党竹下派の会長を務める竹下亘元総務会長(74)が政界引退を表明し、派閥トップを誰が引き継ぐのかが注目されている。
近年は首相の座から遠ざかっているとはいえ、所属議員52人と党内第3の勢力を保ち、政局にも一定の影響力がある存在。
会長代行を務める茂木敏充外相(65)が有力視されるが、派内に異論もくすぶっており、一致結束できるかは不透明だ。
「平成研究会(竹下派)の運営については、仲間たちとしっかり話し合い、引き続き政治のど真ん中で汗をかく政策集団であり続けたい」。8日、竹下氏は派閥幹部に託した文書で、円滑な後継選びに期待を寄せた。
ただ、記者会見で文書を代読した山口泰明事務総長も今期限りの引退を表明しており、迫られる世代交代を前に派内には動揺も広がる。
2019年に食道がんを公表した竹下氏が長期療養で不在の間、会長代行として運営を託されてきた茂木氏が順当との見方が強い。
しかし、現在も影響力を残す青木幹雄元参院議員会長と距離があり、派閥幹部は「参院側を納得させられるかが課題だ」と懸念を示す。
候補には加藤勝信官房長官(65)も取り沙汰される。安倍晋三前首相が月刊誌のインタビューで「ポスト菅義偉首相」として茂木氏などと並んで名前を挙げた。厚生労働相や党総務会長を歴任し、経歴も知名度も十分だが「派閥で汗をかいておらず、派内に仲間が少ない」(若手議員)と厳しい見方も。事務総長には小渕優子元経済産業相(47)を推す声が多く「将来の会長候補の足掛かり」(党関係者)と目されている。
竹下氏の兄登氏や小渕氏の父恵三氏ら首相を輩出し、かつて党内最大勢力を誇ったが、近年は有力な首相候補がいない。18年には、党内における存在感の低下を理由に額賀福志郎前会長が参院側から交代を迫られる騒動が起きた。
昨年の総裁選でも派内から総裁候補を出すよう若手議員が声を上げた経緯もある。派閥幹部は「誰が新会長になっても総裁選への姿勢次第では見放されかねず、派内の結束に苦労するだろう」と話す。 (森井徹)
西日本新聞社
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