EU、ワクチン接種目標を大幅に下回る アストラゼネカ供給不足で
4/8(木) 8:30配信 毎日新聞 配信より

ワクチン接種のため列を作る人々=パリ郊外のサッカー競技場で2021年4月6日、AP

欧州連合(EU)の3月末までの新型コロナウイルスのワクチン接種状況が当初の目標を大幅に下回っていたことが、欧州疾病予防管理センター(ECDC)の統計で明らかになった。

この時期までに80歳以上の8割への接種などを目指していたが、1回目の接種率は6割にとどまり、目標値を上回った加盟国は27カ国中5カ国にとどまった。

【図解でおさらい】ワクチン、いつ打てる?

ECDCの統計(5日現在)によると、EU域内で80歳以上の接種状況は1回目が59・8%、完了となる2回目は29・7%となっている。

マルタ(1回目接種率95・8%)、アイルランド(同94・8%)、スウェーデン(同87・7%)など5カ国を除き、ほとんどの加盟国が目標を達成できなかった。EUは8割の医療従事者らへの接種目標も掲げていたが、これも届かなかった。

 主な原因は英製薬大手アストラゼネカ製ワクチンの供給不足だ。同社は1月下旬、「生産上の問題」などを理由にEUに供給削減を通知。

欧州メディアによると、3月末までにEUに1億回分以上を提供する予定だったが、約3000万回分しか出荷できていない。

 同社製ワクチンを巡っては、接種後に血栓ができる事例も報告されている。死亡例もあり、EUに加盟する十数カ国が3月中旬に接種を一時停止。欧州医薬品庁(EMA)が「安全で効果的だ」との判断を示したことで多くの国は再開したが、ドイツは接種対象を60歳以上、フランスは55歳以上に引き上げるなど使用を制限している。

 フランスでは副反応を懸念する人々が同社製ワクチンを避ける動きも出ている。

AFP通信によると、4月5日までに北部カレーの接種拠点では550回分が準備されたが、70件の予約しか申し込まれなかった。一方、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンについては、500回分の予約が5分で埋まる状況と報じられている。

 アストラゼネカ製はファイザー・ビオンテック製より安価とされる。コスト面などを配慮し、接種計画の際にアストラゼネカ製を重視した国で接種の遅れが目立っている。

 EUは今年夏までに成人の7割のワクチン接種を目指している。【ブリュッセル岩佐淳士、パリ久野華代】

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最終更新:4/8(木) 8:30 毎日新聞

私のコメント : 令和3年4月8日、欧州連合(EU)の3月末までの新型コロナウイルスのワクチン接種状況が当初の目標を大幅に下回っていたことが、欧州疾病予防管理センター(ECDC)の統計で明らかになった。欧州連合(EU)の3月末までの新型コロナウイルスのワクチン接種状況が当初の目標を大幅に下回っていたことが、欧州疾病予防管理センター(ECDC)の統計で明らかになった。アストラゼネカ製はファイザー・ビオンテック製より安価とされる。コスト面などを配慮し、接種計画の際にアストラゼネカ製を重視した国で接種の遅れが目立っている。EUは今年夏までに成人の7割のワクチン接種を目指している。