宮崎県日向市
宮崎県は1日、鳥インフルエンザの陽性が確認された日向市東郷町の養鶏場で、遺伝子検査の結果、高病原性の疑いが強いH5型が検出されたと発表した。高病原性インフルエンザは致死率が高く、県は1日朝からこの養鶏場が飼育する全約4万羽の殺処分や埋却処分を始めた。宮崎県での鳥インフルエンザの発生は2017年1月の木城町以来で、国内では今季、香川県（8例）、福岡県、兵庫県に続いて11例目。
【香川で鳥インフル、感染力強い高病原性か】
宮崎県によると、2鶏舎あるこの養鶏場から11月30日午後1時20分、「死んだ鶏が増えている」と延岡家畜保健衛生所（延岡市）に通報があり、県が死んだ60羽中11羽について簡易検査したところ、10羽から鳥インフルエンザの陽性反応が出た。その後、より詳しい遺伝子検査で1日未明にH5型と確認した。
県は1日午前4時半から防疫措置を始め、県職員など計275人の態勢で午前9時までに6600羽を殺処分し、6300羽を敷地内に埋却処分した。2日までに作業を終える見込み。
養鶏場外への鶏や卵の搬出が制限される半径3キロ以内に他の養鶏場はない。一方、半径3～10キロ内の16農場約55万3000羽は区域外への搬出は本来禁止だが、県は出荷前に家畜防疫員が鶏に異常がないことを確認したうえで例外的に出荷を認める方針。また、10キロ内の主要道路に消毒ポイントを6カ所設置し、畜産関係車両を消毒している。
農林水産省の畜産統計によると、19年2月1日現在、宮崎県内のブロイラー飼育戸数は465戸、飼育羽数は2823万6000羽で、いずれも都道府県別で全国最多。1日午前8時半から県庁であった対策本部会議で、河野俊嗣知事は「まずは迅速に初動防疫し、徹底したウイルス封じ込めを」と指示した。【杣谷健太】
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