安倍晋三首相の夫人・昭恵さん(51)が17日、山口市桜畠の県立大学で「ファーストレディの仕事」をテーマに講演した。3年前から下関市で始めたコメ作りやミャンマーの子供たちへの教育支援、東京・神田に昨年オープンした居酒屋「UZU(うず)」などの活動を紹介。「私はできる限り、普通でいたい」と述べ、厳重な要人警護などで一般の人から率直な思いを聞く機会が減っている夫に普通の人の気持ちを伝える役目を担っているとの自負をにじませた。また、ミャンマーの“寺子屋”支援を通じ、貧しいが食べ物を大事にするミャンマーと、豊かだが格差もある日本との違いに「本当の幸せとは何か」を考えていることや、居酒屋を開いたのは安全な食材を提供し、東京の人に山口を知ってもらいたいためだったことを明かした。居酒屋経営で消費税アップの大変さが実感で分かるとも言い、「農業や店をやることは主人にとってマイナスではない」と述べた。昭恵さんは主張すべきことを主張することも政治家にとって大事だと認める一方、「『議論で自分の正しさを主張する欧米型の価値観』ではなく『対立せず、大きく包み込むような日本の価値観』を広めていってもらいたい」と日本らしさの広がりを期待した。【尾村洋介】 〔山口版〕 ・・・ 毎日新聞 2013年10月18日 地方版より