【ベルリン=宮下日出男】金融・財政不安を抱えるスペイン政府は9日、欧州連合(EU)に対し、経営が悪化する国内銀行への支援を近く要請する意向を正式に表明した。同日、財務相による緊急電話会合を開いたユーロ圏17カ国は、支援のために最大1千億ユーロ(10兆円)を用意するとの声明を発表した。債務危機の深刻化で、ユーロ圏はついに圏内4位の経済大国の支援にまで迫られた。

債務危機でEUの支援を受けるのは、ギリシャ、アイルランド、ポルトガルに続きユーロ圏で4カ国目。

スペインのデギンドス経済相は会合後の記者会見で「資本増強が必要な銀行への金融支援をEUに要請する」と表明。「国民に対する追加条件はない」とも述べ、支援条件に追加の財政緊縮策が求められないことを明らかにした。声明は1千億ユーロの規模の根拠に関し、「ゆとりをもって必要な資本増強額を満たねばならない」と指摘。正式な支援額は、スペインが委託し、21日までにまとまる会計事務所の監査結果などを受け、決定される。ユーロ圏は、スペインがこれまで実施してきた財政健全化策や労働市場改革、銀行健全化策を評価。支援条件としては銀行部門の改革を求めた。支援実施と監視のため国際通貨基金(IMF)にも協力を求める。銀行への支援は、現行の金融安全網、欧州金融安定化基金(EFSF)か7月に発足する欧州安定メカニズム(ESM)から、スペインの銀行救済基金を通じて実行する。支援金はスペイン政府が保証する。欧州委員会のバローゾ委員長は「スペインが一歩ずつ、投資家と市場の信頼を取り戻すことができると確信している」と支援要請を歓迎する声明を発表した。スペインの銀行は2008年の世界金融危機に伴う不動産バブル崩壊で抱えた巨額の不良債権や、債務危機による経済低迷で経営が深刻化。5月に国内大手行が政府に支援要請したのを機に市場の不安が高まり、国債の利回りも上昇した。政府も財政状況が悪化しており、外部支援を余儀なくされた。   ・・・ 平成24年6月10日(日)、産経新聞 8時4分配信より
 
 
私のコメント : EU駐日 欧州連合代表部 広報部長 ルディ・フィロン氏から日本における金融、財務の有識者に、今回の「ユーロ圏17カ国は10兆円を用意」について、その意見と調整を求めて行かれた方が、今後の進展は、うまく調整していくと思われる。平成24年6月5日(火)、私が、ルディ・フィロン氏( EU駐日欧州連合代表部 広報部長 )から聴いた「EUの現状」についての講演内容、その後、ルディ・フィロン氏と挨拶を交わしたこと、及び、過去に、ヤン・デ・フリース 在大阪・神戸オランダ総領事が、島根県津和野町に来訪の際 (1999年頃)、私から大阪・神戸オランダ総領事館に、その連絡した内容についても、外務省 欧州局 政策課のEU担当に、その説明と報告し、今後、外務省からの調整もお願いしている。