正月三が日に約60万人の初詣客でにぎわう出雲大社。その祭神、大国主命(おおくにぬしのみこと)は「縁結びの神」「医薬の神」などとして知られるが、大国主命と共に全国を回った少彦名命(すくなひこなのみこと)をご存じだろうか。2神は国内のあちこちで温泉を発見した「温泉の神」ともいわれ、ゆかりの地が各地にある▲県内有数の温泉地、玉造温泉(松江市)もその一つ。奈良時代に記された出雲国風土記によると、ここは当時から老若男女でにぎわっていたといい、日本人と温泉の結びつきの深さがよく分かる。また、道後温泉(松山市)でも、大国主命が大分・別府温泉から湯を引き、少彦名命の病気を癒やしたとの神話が残っている▲2011年が明けた。昨年1年間の疲れを癒やし、新たな年に向け“充電”するため、正月からゆっくり温泉につかるのも悪くない。そして、次々に温泉を発見した大国主命らにあやかって、今年も県内各地を回りながら新たなニュースを掘り起こしていけたらと思う。【細谷拓海】 1月1日朝刊 ・・・・・・ 平成23年1月1日 毎日新聞 配信より