密集地火災で、消防のホース(筒先)1本で、どのくらいの範囲の火を防げるのでしょうか?
昭和40年2月東京消防庁警防課計画係危険度判定資料13に、出ています。
これは昭和39年の208件の延焼火災を調べた実測値から出した結論です。
このデータは、その後、阪神大震災を経て、倒壊建物を考慮して、地震時の新延焼速度式というものに更新されていきますが、今回の大火ではむしろ、古いままのデータを用いるのが適切なので、木造密集率が70%以上と考えると、筒先1本で炎を向かい打てる横幅は6mです。
大火のあった場所を地図で見て、コの字型に火災を向かい打つとすると、おおよそ火面長は200mくらいでしょうか?
単純に200÷7で、33口が必要。
隊員数も考慮すると、ポンプ車1隊から2口(人数が多ければ本当は3口出せます)
消防団の可搬ポンプは能力的に1口とすると、消防団が29隊、消防署隊が2隊で、包囲可能でしょうか。
さらに、飛び火警戒隊を、要所に配置すると、地図から見て、5隊くらいの団隊が必要。
送水支援隊を団10隊。
出火建物には、署隊3隊、団隊3隊は必要でしょうから、
合計、署隊5隊、団隊44隊を火災発生後、1時間以内に配置完了する必要があります。
あくまで、グーグルマップを見ながらの推測に基づく、結果論としてのおおざっぱな計算です。
実は、これ、ネットで検索した、消防署の情報から見ると、
一見すると、消防力は不足していないようにも見て取れてしまいます。
しかし、現場は混乱してますし、順次、効果的に部隊を配置できるわけではありません。
このような火災の指揮経験は、誰もないわけですし、団隊が到着後すぐに水を出せるわけではありません。また、水の確保のために、送水隊を確保する必要も生じますし、その配置も難しい。消防団隊が現着する順番や時間も読めない。
結論として、消防力が不足していたということが、大火になってしまった要因であると思われます。
では、どうすればこのような災害を防ぐことができるのでしょうか?
実は、結論は単純です。
消防の広域化です。
東京以外は市町村単位で消防を行っており、そもそも、消防署の設置基準は人口比で定められているので、小さな町村では、消防力は不足しているのが実態です(消防力の基準というもので法的に定められています)。
通常、隣接消防本部は、応援で出場したりしていますが、管内でないところに出場することを前提としていませんし、他署との訓練も通常はしていません。当然、指揮系統も確立されていません。
これが、東京だと、県単位で行っているので、大きな差が生じます。
「第一出場隊は火点制圧」
「○○指揮隊は延焼阻止線の設定にあたれ、第二出場隊はその任につけ」
「○○指揮隊は飛び火警戒の指揮。第三出場隊のうち、○・○・○隊に東・西・北方向を担当させよ」
という感じで任務分担をできますし、震災警防訓練とかの図上演習で、大隊長とかはそんな訓練をして、うまくいかなくて、しょっちゅう頭を悩ませています。
ま、他にも安全管理隊や、広報支援など、いろいろ指定するのですが・・・・
結果的に、先着指揮隊長は概略を指揮すれば良くなるので、活動統制も楽になります。
さて、では、どうして、消防の広域化ができないのでしょうか?
東京は実は、面積的に、狭いところなので、どの署に勤務下命されても、通勤とか、電車でいけちゃうので、抵抗できません。ま、それが当たり前だと思っているので、片道2時間半の通勤時間とかでも、受け入れてしまう環境になっています。労働組合もないし、そもそも、抵抗できない・・・・ (T_T)
県単位になれば、遠いところに出勤することになりますし、採用も県となる。役場や町議員のいう通りにはなりにくい。職員は転勤も必要となる。
北海道みたいなところでは、確かに、職員の負担は大きくなる・・・・
でも、公務員なんだから、しょうがないんじゃないかなあ・・・・
やはり、広域化して、普段から、もっと、融通がきくようにならないと・・・・・
ちなみに、札幌との間に中山峠があるのですが、そこで、多重衝突とかがあると、峠のこっち側は羊蹄広域消防の管轄なので、こちらの救急隊が出払います。片道1時間以上の隊も。
でも、定山渓側の札幌消防からは、原則、応援要請で来るだけ。距離だけ見れば、向こうからの方が近い出張所もあるんです。
もし、東京のように県単位で消防を行っていれば、こっちと、あっちで半分づつ出てくるんですけどねえ・・・・
広域化ができていない弊害の一つでしょうか・・・・