団員を合わせて5人が火災現場で怪我・・・・
大変な事故が起きてしまいました。
無事、回復されることを心から祈る次第です。

少し、気になったことがあります。
ニュースに流れていたコメントです。
「火災現場で壁が倒壊することは良くあるので気おつけてはいたが予兆は無かった」

・・・・・・

火災現場で壁が倒壊するのはしょっちゅうあることです。
私も何度か火災現場の活動中に目撃してきましたし、調査現場でも、崩落対策を講じていました。

ベテランの職員が大量退職し、経験の浅い若い消防士が増えてきてしまったこと。
火災件数が減り、火災の活動経験数が減ってきたこと。
建物構造が多様化し、それを見きれなくなってきた職員が多くなっていること。
昇任試験制度の問題(現場を仕切る者が、実は、ほとんど活動経験のない職員だったりすることがある)。

様々な状況を解決するため、東京消防庁は、安全管理のみを行い、一切活動をしない部隊を現場に出すなど、いろいろな対策を講じてはいます。

が、怪我人が出てしまった。
特にボランティア的に活動してくれている複数の消防団員に。

 
倒壊直前の映像です。

①屋根から炎が見えます。
 燃焼温度が高いことがわかります。屋根が燃え抜けており、火災の最盛期です。主要構造部が急激に耐力を失っていく状況下です。
②前面に一切煙が出ていません。
 つまり、この面は吸気側(空気を吸い込む側)にあり、対流による熱気を感じにくい。そして、煙も出てこないので、危険性を感じにくい状況です。
③倒壊を起こしやすい壁構造。
 看板、デザイン状の構造物。壁自体の構造など、この面は相当の荷重がかかっています。後ろからの支えがなくなれば、一気に倒壊するのは、ベテラン消防士ほぼ全員が知っているか体験してきた、基本事項です。
④この面の安全管理をしている部隊が見受けられませんし、活動規制をしている様子もありません。
 
結論:屋根が燃え抜け、内部構造が急速に、強度を失う中、火災現場で良く発生する壁面倒壊の危険性に気づくことができず、活動統制が不十分な中、怪我人が発生してしまった。

 あくまで、一部の映像から見受けられた状況からの推測なので、この解釈は間違いかもしれませんし、不可抗力の事故であったのかもしれません。そうであって欲しいというような複雑な気持ちもある・・・・。

 でも、団員の方々に怪我を負わせてしまったという事実は、いかんともし難い。 m(_ _)m

 怪我をされた消防団員の方々の回復を心から願ってやみません。
 
 以上、元、火災性状の担当者でした・・・・

 (実は、私、新宿の明星56ビル火災の実験の実務責任者でした。「煙と避難」ってのでググってみてください。ちょっと、めんどくさい記事が読めます。m(_ _)m )

ところで、このブログ、守秘義務に反して無いよな・・・????