一部マニアの人たちの間では大変有名な話らしいが、NHK大河ドラマ「太平記」には後にトレンディドラマで名を上げた常盤貴子さんがちょい役で出演している。そのシーンは足利尊氏邸の使用人である常盤貴子さんが幕閣である二人の武将を出迎えるというシーンである。この時、来訪した武将の一人は細川顕氏、演じていたのはウルトラセブンこと森次晃嗣氏である。

細川氏といえばまず思い出されるのが、戦国武将細川幽斎(藤孝)だろう。じゃあ細川顕氏って幽斎の祖先なの?といえば、まぁそんなようなものである。厳密に言うと細川顕氏は幽斎の祖先である細川頼春の従兄弟。

昭和に日本の歴史を習った僕らの世代は室町時代のことをあまり詳しく習わない。だからイイクニ作ろう頼朝さんの鎌倉幕府から織田信長の時代まで一気にワープしたかのように錯覚してしまう。だが日本の歴史は連綿として続いており、源平の時代から織田信長の時代までも人の縁は続いている

細川幽斎は消滅目前の室町幕府を再興するべく明智光秀の協力を得て15代将軍を擁立しようと奔走した。どうして落ち目の足利将軍家のために尽力したのかと言えば細川氏は足利尊氏の時代以来、主要幕閣だからだ。細川顕氏は足利尊氏が新田・楠木連合軍に破れて九州に逃れた時、四国の武士たちをまとめて足利尊氏軍の西からの進軍に合流させ、京都攻略に貢献した。初代足利尊氏と最後の足利義昭、初代と最後の将軍就任に尽力したのが細川氏なのだ。その細川氏はそもそも足利氏の分家である。

細川幽斎は足利義昭を将軍に据えることに成功すると織田信長に仕えるようになる。
この時織田信長は桶狭間の戦いで今川義元を討って全国にその名をとどろかせたばかりである。
桶狭間の戦いの時、今川義元は京に向かうために途中の尾張を攻略しようとしたと言われてきたが、最近では実は今川に上洛の意図はなく、あい続く尾張と三河の国境争いだったという説が有力らしい。ではなぜ世の人々は今川は上洛するものと思ったのだろうか?それは今川氏には上洛する大義名分があったからだ。

今川氏もまた足利家の分家のひとつであり、「足利に子なき時は吉良が継ぎ、吉良に子なき時は今川が継ぐ」と言われていたという。江戸時代初期、家康の血を継ぐ水戸徳川家と紀伊徳川家があって、将軍家に世継ぎが生まれなかった際はこの2家から選ぶよう家康は訓じたという。同様に足利家のリザーブの家系が吉良家と今川家だったのだ。

室町幕府第13代将軍足利義輝が殺されて、足利将軍家は消滅の危機を迎えていた。だから今川義元は将軍として足利幕府を継承する義務があったのである。

上に出てくる吉良氏はもちろん赤穂浪士によって首を取られた吉良上野介の吉良家である。吉良家は上野介の死をもって断絶してしまうが、江戸幕府において高家筆頭(由緒正しい家柄)として扱われたのは足利氏の末裔だったからだ。吉良上野介の息子は上杉家に養子として出されているが、上杉家の開祖上杉謙信(長尾影虎)が仕えた上杉氏というのは鎌倉時代から足利家と婚姻関係を重ねている一族であり、足利尊氏の母親も上杉家の出である。

細川氏は関が原の合戦で徳川方に付き、江戸時代は大名として熊本肥後藩藩主となり、明治を迎える。その後細川幽斎の子孫、細川護煕は熊本県知事を経て1993年内閣総理大臣に就任した。マスコミはこぞって細川氏がついに日本を制したとか騒いだが、それは細川氏を一戦国大名として捉えた見方だ。祖先の細川顕氏は足利尊氏の側近として室町幕府を築いた足利一族の一員だったのである。
大河ドラマ『平清盛』が苦戦中。
俳優がダメとか、主人公がぱっとしないという意見も出ているようだが、以前平清盛を主人公に据えた『新平家物語』はそんなに不評ではなかったのにね。

勘違いしている人が多いようだが、大河ドラマは歴史のお勉強ではない。一人の人物の一生を描くというのが基本コンセプト。だから普通の時代劇のようにその時代のヒーローが主人公になるわけではない。そもそも第1作『花の生涯』は歴史教科書では悪役っぽく記載される井伊直弼だし、その後も原田甲斐とか伊達政宗とか山内和豊とか歴史の中では脇役の人たちをドラマの主人公にした作品が数多くある。

大河ドラマの難しいところは放送期間が1年というスパンが決まっているんだが、主人公になる人の人生は様々で人生そのものが短い人、歴史の表舞台に出ている時間が短い人もいてその差が大きい。

平清盛は64歳で亡くなった。伊達政宗は68歳、徳川家康は73歳まで生きた。一方若くして亡くなった大河主人公では、平将門37歳、近藤勇34歳、北条時宗32歳。人の一生が描かれていない大河である忠臣蔵で描かれる時間はわずか1年10ヶ月(刃傷松の廊下~討ち入り)である。

これだけ描かれる時間の幅が大きく違うのにどれも同じ重さでドラマを作ろうというのだから、最初から無理が大きい。

大河で描かれた人物の中で歴史の中で果たした役割の大きさ、生涯の長さ、そしてその生涯の波乱万丈ぶりを考えると徳川家康はやはりダントツの存在だろう。幼少時代の人質生活、桶狭間の合戦による突然の独立、織田信長、豊臣秀吉に仕えての天下統一、そして日本史上屈指の大戦争、関が原の合戦を経て、将軍就任、幕府開設とこれぞ大河ドラマと言いたくなる題材の宝庫だ。

だがこの徳川家康に負けず劣らず実に波乱万丈の人生送った巨人がいる。それは足利尊氏だ。

足利尊氏は明治以来の皇国史観に基づく偏向教育の中で悪者の烙印を押され、戦後の歴史教育の中でも丁寧に教えられてこなかった。だから源頼朝、徳川家康に比べて我々がその人物像について知ることは少ない。だが知れば知るほどこの人の生涯は凄いぞ。とにかく戦に次ぐ戦、勝ちあり、負けあり、裏切りあり、その波乱万丈ぶりは戦国武将をしのいでいる。しかも鎌倉幕府を倒し、天皇勢力も倒して新しい政府を作るというインパクト。きっちり描いたらこの人の一生は1年の大河ドラマでは収まりきらないんじゃないか。実際大河ドラマ『太平記』では合戦をはしょるはしょる。最終回なんて近江での挙兵から東海道へ転じて鎌倉を占領するまでをナレーションで済ましているもの。

皇国史観の影響で僕らの世代は室町時代のことをあまり知らない。しかし実は室町時代というのは歴史ファンにとっては実に魅力に満ちた様々な出来事があった時代なのだ。

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大河ドラマ『平清盛』が先週の放送で大河ドラマの最低視聴率記録を更新したという。これで『花の乱』が語られることもなくなるだろう。貴重な室町大河が歴史のかなたに消えていく。

これまで大河ドラマの最低視聴率は『花の乱』が保有していた。これを最後に三田佳子さんは二度と大河ドラマに出演することはなかった。室町時代を描き、歴史上抜群の知名度を誇る稀有な人物、一休さんこと一休宗純が登場したこのドラマはその点では貴重な存在だったのだが、脚本家の書き下ろし作品を作る時は脚本家をよくよく選ぶべきだ。市川森一さんは大物脚本家でもあるが、同時に『ウルトラマンA』の作者でもあったということを意識するべきだったな。

昨年の『江』も評判悪かったが、もっぱら主演女優に問題があったという意見が多いようだ。来年の大河ドラマもアイドル系若手女優を起用しているから、歴史ファンの間では早くも失望の声が上がっている。

若手女優を起用したからといって外れるとは限らない。現に『篤姫』は大当たりしたし、主演ではないが、『太平記』の二大アイドル、特に宮沢りえは良かったと思う。

実際過去に女性を主人公に据えた大河ドラマは11本制作されているが、それぞれの主演女優は当時どういう位置づけだったのだろう。

まずは一覧                  ( )内は当時の年齢
『三姉妹』(1967年)   架空の人物=岡田茉莉子(34)
『草燃える』(1979年)  北条政子=岩下志麻(38)
『おんな太閤記』(1981年)北政所ねね=佐久間良子(42)
『春の波涛』(1985年)  川上貞奴=松坂慶子(33)
『いのち』(1986年)   架空の人物=三田佳子(45)
『春日局』(1989年)   春日局お福=大原麗子(44)
『花の乱』(1994年)   日野富子=三田佳子(52)
『利家とまつ』(2002年) 芳春院まつ=松嶋菜々子(29)
『功名が辻』(2006年)  山内一豊の妻=仲間由紀恵(27)
『篤姫』(2008年)    天璋院篤姫=宮﨑あおい(22)
『江』(2011年)     徳川秀忠正室お江与=上野樹里(24)
『八重の桜』(2013年)  新島譲の妻八重=綾瀬はるか(28)

最初の岡田茉莉子さんは当時松竹の看板女優だったそうだ。同じく松竹の宝と言われ、若くして大物女優に列した岩下志麻姉さんは意外にも『草燃える』が大河初出演。初出演で堂々たる尼将軍ぶりはさすが。佐久間良子さんは東映のスターで舞台でも活躍していた頃。松坂慶子さんは当時33歳と若かったが、15歳の『忍者ハットリ君』出演以来、活躍し続け、角川映画唯一の名作と言われる『蒲田行進曲』で主役をはったばかり。大原麗子さんは1970年代から映画テレビに出ずっぱりで大河ドラマ出演4作目にして主演。三田佳子さんはダンナがプロデューサーの作品への出演になるが、東映の看板女優としてむしろダンナを救ったと言われている。

こうやって見ると三田佳子さん以前と松島菜々子以降とで明確に毛色が変わっている。

松島菜々子はモデル出身だし、仲間由紀恵は大河3作目の主演だが、それまでは端役での出演。さらに上を行く最年少の宮﨑あおいに当たりはスィングガールズとのだめぐらいの上野樹里といずれも当代一の人気女優ではあるが、デビューして10年そこそこでの主演には昔の大河を見てきた世代には軽く感じられただろう。共通しているのはNHK朝ドラ経験者。

大河ドラマの登場人物の中には歴史上の重要人物が含まれる。そういう人物にはそれなりの大物俳優を充てないといけない。だから主人公はそれら大物俳優と渡り合えるそれなりの重さが求められるのだろう。

宮﨑あおいはほ放映開始当時最年少記録を保持しているが、主演男優の最年少は22歳9ヶ月のタッキー(滝沢秀明2005年『義経』源義経)、次いで同じく源義経を演じた尾上菊之助 (4代目)23歳3ヶ月(1966年『源義経』)。一方男優の最高齢は長谷川一夫56歳(1964年『赤穂浪士』大石内蔵助)で次いで西田敏行52歳2ヶ月(2000年『葵徳川三代』徳川秀忠)、女優は日野富子の三田佳子さん52歳6ヶ月と男女とも最高最年少は拮抗している。

だから単純に年齢でどうのこうの言うことはできないが、やはり経歴を見ればということは言えるだろう。ただしそれは女性に限ったことではない。何せ『新撰組』なんて時代劇はおろか重厚なドラマにはおよそ縁のなかった慎吾ママが主演だったからな。

綾瀬はるかは作品数は結構多く、濃姫(映画『戦国自衛隊』)、浜路(『里見八犬伝』)と一応歴史ものでは定番の役を経験済みだが、経歴10年余りという状況はここ最近と同じだ。戊辰戦争の会津戦から同志社創立と明治新政権の表舞台とは縁の遠そうな話だが、さて綾瀬はるかは化けるか?
あったらいいなと思う自販機は? ブログネタ:あったらいいなと思う自販機は? 参加中
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All About 「マーケティングを学ぶ」缶コーヒー10円のカラクリ
All About 「ボランティア」災害時には飲料が無料になる自販機


外国人が信じられない不思議の国ニッポンというジョーク集がある。
その中に「田園地帯の真ん中に自動販売機があって夜中でも電気が点いており、お札を入れるとちゃんとコインでおつりが出てきてありがとうございましたとお礼まで言う」という一節がある。日本ほど自動販売機が普及している国は他にはないらしい。

実際、うちの地元の小学校の通学路には田んぼのあぜ道のようなところにジュースの自動販売機があり、夜には明かりが点くので、変質者や交通事故を防ぐ一つの安全目印としての機能まで果たしている。そんな人通りの少ない場所で営業が成り立つのか不思議な気がするのだが。

僕が子供の頃、そんな人家もまばらな道路沿いにある自販機はビニ本(今で言うエロ本)とコンドームの自販機だった。今ではコンビニで堂々とエロ本が売られ、おしゃれなドラッグストアでコンドームを買う時代だが、僕らが子供の頃はどちらも恥ずかしくて店員のいるお店では買えなかった代物だったらしい。だからこの2つの自動販売機は需要があった。ビニ本の自販機はマジックミラーになっていて昼間は商品が見えないが、夜になると内側からライトが照らされて商品の表紙が見える仕組みになっていた。PTAが風紀上良くないと騒いでどんどん廃止に追い込まれていったのだが、現代の駄菓子屋、コンビニにエロ本が堂々と置かれている現状を見ればビニ本の自販機のほうがはるかに教育上の配慮があったと思う。

あったらいいなと思う自販機はないけれど、無かったらいいなと思う自販機はある。
それは缶コーヒーの自販機だ。

缶コーヒーは自販機産業の中でも特に重要な商品群らしく、うちの近くにあるシマムラには2台でのべ15種類ほどの缶コーヒーが売られている。スタバなどのカフェ形式は日本だけでなく、世界中で主流になっている。上にも書いたように諸外国では自動販売機そのものがそれほど一般的ではない。だからバリスタマシーンだけを置いた簡易なカフェがあちこちにできる。ニュージランドではコンビニやスーパーのレジにバリスタマシンが置いてあってコーヒーを入れてくれる。ガソリンスタンドにも必ずカフェがある。東南アジアでも事情は同じでタイだと路上屋台のカフェがそこいら中にある。その数は日本の自動販売機にはかなわないかもしれないが、必要にして十分な数だ、

ニュージーランドのコンビニではアメリカンコーヒーはエスプレッソに客の好みに合わせてお湯を足していく。タイの屋台カフェでは砂糖の量、ミルクの量を客の注文に合わせて加減してくれる。僕は缶コーヒーよりも人が入れてくれるコーヒーのほうがいい。

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外国で日本料理の代表といえばお寿司であることは間違いないところだろう。
アジアの街角ではテイクアウトの握りすしが屋台で売られている。
そういうところではまずご飯を100円ショップで買った型に入れて小さな俵型にし、その上にピンセットで刺身を乗せていく。オイオイ握ってないじゃん。

今でこそ寿司=握り寿司でベルトコンベアの上を回ってるものとなっているが、ちょいと一昔前まで握り寿司は「江戸前寿司」と呼ばれて、関西には関西のお寿司があった。それが押し寿司。♪大阪にはうまいもんがいっぱいあるんやで~にも歌われている押し寿司は、まさに上で書いたアジアの路上で作られているにぎり寿司もどきとそれほど大きな違いのない作り方だ。



うちにも子供の頃、押し寿司キットがあった。木の枠に酢飯を入れて上から軽く押して固め、飯の上に刺身や煮えびを乗せてもう一度木の押さえでぎゅっと押す。枠をはずして一口大に切って出来上がり。関西のお寿司はこちらが定番だった。大阪名物バッテラも奈良の柿の葉寿司も押し寿司の系統だった。

お寿司の起源というと滋賀県の“ふな寿司”がよく取り上げられるが、“ふな寿司”がお寿司の起源かというとそれは甚だ疑問だと思う。というのは握り寿司にしても箱寿司にしてもその製法はふな寿司とはかなり違うものだからだ。実は東南アジアのタイにも“ふな寿司”がある。魚はフナではないが、内臓を出して米を入れて発酵させ、酸っぱくなった魚を食する極庶民料理として巷で普通に売られている。それと日本のお寿司はおんなじ物だよと言うとタイの人たちは驚くだろう。

京都に山国街道とか周山街道と呼ばれる道がある。京都の北山から日本海側の福井県小浜市に通じる街道だ。この街道沿いでは祭りの日にサバ寿司を作る習慣がある。押し寿司の系統だが、バッテラのように薄っぺらいサバではなく、肉厚の酢サバをご飯に乗せて巻き簾で押して切って食べる。おそらく日本海側で獲れたサバを保存して京都に送るために考えられた発酵食品なのだろう。和歌山から奈良にかけても同様のサバ寿司を作る習慣が各地にあるし、柿の葉寿司も発想は同じだ。そう言えば富山のます寿司も発想としては同じじゃないだろうか。

そのように考えれば寿司の起源というのは、「どこの何」というのではなく、都市にそれほど遠くない港町から魚を保存して運ぶ方法として全国各地で応用された食品発酵の知恵がそうなのではないかと思うのである。

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海外に住んでいると時々本当の日本料理って何だろって思うことがある。

現在世界中の多くの国で日本料理が食べられるようになっている。中にはこりゃ日本料理とは言えないよというようなものもあるが、じゃ日本料理って何?って日本人に聞くとたいていの人は答えに困って、お寿司、天ぷら、すき焼き、しゃぶしゃぶって言うことだろう。それって外国人がイメージする日本料理の定番じゃん。

実際僕らは毎日天ぷらと寿司を食べているわけじゃない。お寿司なんてベルトコンベアーに載るまではご馳走の類だったし、すき焼き・しゃぶしゃぶは今でも特別な料理だろう。

日本料理が比較的ポピュラーな国で日本料理店に行くとたいてい「定食」がある。定食は料理そのものではない。ご飯にメインのおかず、煮物の小鉢と漬物、味噌汁が一人分づつお盆に載って出てくるそのスタイルはもしかすると日本料理の特徴なのかもしれない。

トレーに一人分づつのセットが載って出てくるのは軍隊や刑務所の配給食が起源なのではないと思いたい。それじゃ日本料理じゃない。じゃ何で定食が日本料理かというとそれは「箱膳」の存在だ。

サザエさんの食卓が円卓から四角い座卓に変わったのはいつかということが時々議論の対象になる。昭和の家庭の基本フォーマットは座敷に食卓を置いて家族がそれを囲んで一緒にご飯を食べるという風景だ。だがこの形は実は長い日本の歴史の中ではそれほど長い時間続いてきたものではないはずだ。サザエさんや三丁目の夕日ではそのスタイルを見ることができるが、おしんの幼少時代にはそうやってご飯を食べるシーンは出てこない。

おしんの時代、つまり大正時代頃まで日本人は箱膳で食事を取っていた。

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箱膳というのはコンパクトによくできた仕組みで、箱の中に各人の食器セットが収納されており、使う時は箱のふたをひっくり返してトレーにし、上に茶碗やおわんを並べた。箱そのものが台代わりになっていた。僕が参列した皇太子殿下と雅子妃の結婚披露宴でもこの仕組みが使われていた。台の上に載った四角い木の盆の上に料理が載せられていて、これらをいただいた後、お盆を持ち上げると台と思ったのは折り箱で中に食べた料理がもう1セット持ち帰り用に詰められており、盆は実は折のふただった。

箱膳は朱子学の思想による家族のあるいは一族の序列に従った席順に家族親族が座ることに柔軟に対応できる「食」のツールだった。そもそも囲炉裏を囲む地方の家では元来食卓を置くべきスペースに火が燃えているんだから、コンパクトな箱膳じゃなきゃ囲炉裏端では食べられなかったはずだ。

やよい軒や大戸屋が海外に進出している。日本では定食屋というのは学生街にあって安い食事を提供するお店というイメージが先行するが、海外では高級料理のグループに分類されることの多い日本料理、箱膳が日本独自の伝統的スタイルだと考えれば、定食をトレーに載せて提供するこれらの食堂が海外で日本料理を代表していることはあながち筋違いではないのかもしれない。

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「青春」と聞いて1番に思い浮かぶのは? ブログネタ:「青春」と聞いて1番に思い浮かぶのは? 参加中
「青春」と聞いて1番に思い浮かぶのは?

岡田奈々だな。

岡田奈々さんの唯一のヒット曲とも言える「青春の坂道」。
ちなみにこんな歌。


めちゃくちゃ岡田奈々のファンだったわけでもないし、この歌がそんな大ヒット曲だったわけでもない。
でも青春と聞くと思い出す。そんな人は多いみたいでYoutubeにもたくさんこの歌のムービークリップが上がっている。

岡田奈々さんは1970年代にユニオン映画が手がけた青春ドラマに相次いで出演した、いわば青春ドラマの妹的キャラクターなのだ。「青春の坂道」は『俺たちの旅』の中で田中健演じるオメダの妹役で出演している頃に歌った曲でこのドラマの中でもBGMで使われるシーンがあった。

「俺たち」シリーズは僕はその登場人物たちよりも一世代下になる。だからこそ憧れが強かったんだろうと思う。だから成人して初めて東京に行った時に真っ先に行った所は吉祥寺と湘南・鎌倉だった。湘南・鎌倉というのは「俺たちの旅」に続く「俺たちの朝」の舞台だ。

「俺たちの旅」でも「俺たちの朝」でも各回のエンディングは主題歌が流れ、バックの映像は登場人物たちが舞台である吉祥寺や湘南海岸で演じる短いクリップの連続だった。今で言うPVのような映像。各回のストーリーの余韻を残しつつ、そのエンディングシーンに惹かれた人は少なくないだろう。

自分自身が中高大と過ごした記憶に「青春」という言葉を当てはめるのは難しい。「青春」という言葉はその時間を前にあのテレビの画面に映し出され、僕に憧れを抱かせたドラマのカットにこそふさわしいと思う。

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泣ける、笑える、どっちの作品が好き? ブログネタ:泣ける、笑える、どっちの作品が好き? 参加中

私は笑える派!

高校生の頃だったかな、クラスに“スターウォーズ”にハマっちまった友達がいた。彼に言わせるとスターウォーズこそ究極のエンターテイメントであり、日本のSFは程度が低いと当時ブームだったSF系アニメをこき下ろした。対する僕は「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」を公開初日に夜明け前から映画館の周りに行列を作って見た派。ヤマトブームは去っていたが、日本のSFアニメこそ映画の真骨頂と訴えた。

今聞くとちょっとこっ恥ずかしいが、「さらば宇宙戦艦ヤマト」のクライマックスシーン、古代進が「人間にとって一番大切なものは愛だ!」と叫ぶ、その強烈なメッセージがあってこそ映画は感動できる、“スターウォーズ”は面白いけど娯楽でしかない、当時の僕は映画とはヤマトのようにメッセージを持ってこそ感動できると思っていた。

でもね大人になって少し考えが変わったよ。

きっかけは「私をスキーに連れてって」と「病院へ行こう」を見たこと。
バブル時代の映画になるのかな。とにかく内容は希薄で実に軽~い映画だ。
でも映画って息抜きに見るものだから、そういう救いの要らない見て笑って軽い気持ちで映画館を出ることができる、そういうものであるべきなんじゃないかなって思うようになった。

笑いとちょっとした涙とが出せれば一番いいんじゃないかな。「踊る大走査線 The Movie」(第1作)が大ヒットした理由はそこにあるんじゃないだろうか。
泣ける、笑える、どっちの作品が好き?
  • 泣ける
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子供のころに流行した遊び ブログネタ:子供のころに流行した遊び 参加中
子供の頃の遊びで一番思い出すのは“ケンケンパ”だな。

関西限定かな?一般的には「かかしけんけん」と言っていたと思う。地面に案山子の絵を書いて、その中をすごろくのマス目みたいに区切って案山子の足元から石を投げて入ったマスを踏まないように片足でジャンプしながら各マスを順に進んで折り返し、帰路に自分の石をつかんで戻ってくる。途中で足をついたり、線から足が出たらやり直しみたいなルールだったかな。

僕が生まれ時、家の前はもう黒いアスファルト舗装がなされていて、近くにのびたやジャイアンが集まるような広場もない下町だったから、基本遊びは家の前の道路。ロウ石というアスファルトにこすりつけると白い線がひける石を使って地面に絵や字を書いた。案山子ケンケンの案山子もそれで地面に書く。ケンケンに使う石が無いので、タイルを使った。下町だったからその辺りの家には風呂がなく、銭湯に行くのが普通だったが、ぽつぽつ家風呂を造る家が出ていた。その工事で残ったタイルやタイルの破片をもらってきて子供たちの遊び道具にしていたのだ。

土の地面じゃないからタイルを投げると跳ねてうまく目的の枠の中に入ってくれない。片足でジャンプして行っても土の地面ほど安定しない。そういう意味では田舎の子供の遊びより難易度は高かったんじゃないかな。

今の子供は道路で遊ぶことはご法度だ。交通事故や変質者の危険があるという理由もあるが、現代の日本では道路は公共のものでそこで子供を遊ばせるなんて、何て非常識な親だ!という考え方が支配的になってきたからだろう。

泥んこになり、草をかき分け遊んだ記憶はないが、アスファルトを無限に広がるキャンパスにして遊んだこともまた、昭和の子供の思い出でもある。

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この前、ふと怪奇大作戦を見てみようという気になった。
『怪奇大作戦』とはウルトラセブンに続いて円谷プロが製作した特撮テレビドラマで「ウルトラマンを作った男」金城哲夫がメインライターとして取り組んだ最後の作品でもある。

この頃の円谷プロは大人向けの本格的SF作品を志向していたらしく、マイティジャックと怪奇大作戦には怪獣も巨大変身ヒーローも登場しない。だが当時の「大人」にはSFが受け入れられなかったのか、この2作品とも視聴率的には不調だった。だが、そのSF設定は斬新なものだったらしく、マイティジャックは後に宇宙戦艦ヤマトに影響を与え、怪奇大作戦は平成の世になって天下のNHKが続編を製作するに至った。

僕はリアルタイムで『怪奇大作戦』を見ていたが、印象薄く、その素晴らしいと言われるSF設定をほとんど覚えていない。だからDVDとなった今、それを見てみようと思い立ったのである。

見た結果の感想は、あぁこれはドラマが稚拙すぎるなぁというのが正直な印象だ。

確かにSF設定は当時としては斬新だったろうし、有名な欠番作品「狂気人間」のように現代の社会に対して痛烈なメッセージを投げかけるものもある。しかし30分番組の悲しさか、ドラマの展開が手を抜いている感がある。『怪奇大作戦』は現実にはあり得ない怪奇現象をSRIが科学で解明して事件を解決していくというサスペンスである。ところが刑事ドラマのような推理が少し入っているもののそこは大いにはしょられ、科学的な解明も現実的なからくりが仕組まれていない。

例えば今回見てみたうちの一つ「白い顔」という作品は人体発火現象をライターに火をつけようとした瞬間にレーザーでライターに穴を開けて火炎放射器化したというトリックを解いている。人体発火、レーザーと言えば、最近のドラマ『ガリレオ』の第1回と全く同じ設定だ。だが「白い顔」のほうでは何の検証も調査もしないであっさり、レーザーだなで片付けている。『ガリレオ』のほうは工作機械のレーザーカッターの光を反射鏡を使って人に照射するというアイデアを実際に実験して見せて、実際にありそうに視聴者に錯覚させている。「白い顔」ではレーザー銃というウルトラセブンでフルハシ隊員が抱えていたような巨大な銃を他人に気づかれないよう動く標的に向かって撃つという現実味に乏しい設定、犯人を特定する過程もするりと素通りしていて、SFとしてもサスペンスとしてもあまりに中途半端なドラマになっている。

だが各回のエッセンスには中々優れたものがあるよ。「壁抜け男」のトリックは007やハリーポッタで使われているマジックと同じだし、車社会と公害問題両方への警鐘(「果てしなき暴走」)、通り魔殺人(「かまいたち」)、犯罪被害者泣き寝入りの日本に一石を投じた「狂気人間」など現代に通じる社会問題を巧みに取り込んでいる。そして何より基本設定であるSRI、これは「科学捜査研究所」の略称ということになっている。実際の「科学捜査研究所」とは全然違う設定ではあるものの、平成になって『科捜研の女』とかキムタクの『ミスターブレイン』という科捜研、科警研を舞台にしたドラマが製作されているし、実際にはあり得ない怪奇現象を科学的に解明して事件を解決する刑事ドラマという設定そのものは『ガリレオ』と基本同じじゃないか。

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