トレーラーの台切(だいぎり)と連結 | 海コン運ちゃんの運行日誌

トレーラーの台切(だいぎり)と連結

トレーラーというのは、ご存知の通りトレーラーヘッド(運転席部分)と台車(荷台部分)が別々になっており、トレーラーヘッド側についている「カプラー」と、台車に付いている「ピン」を繋げる事により、連結して走る事が出来ます。

台車のピンを
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トレーラーヘッドに付いているカプラーの赤丸部分が噛むって表現の方が分かりやすいでしょうか?
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普通のトラックとトレーラーの違いは、ヘッドと荷台部分を切り離したり連結したり出来る事で、これらの事を行う事で輸送効率を上げる事が出来ます。


トレーラーヘッドと台車、これらを切り離す行為を「台切(だいぎり)」と呼び、海コン(かいこん)は他のトレーラーに比べ、頻繁に台切という行為をします。
実際、このブログの中でも頻繁に「台切」という言葉が出て来ており、「台切ってどんな事をやってんの?」と疑問を持たれている方もいらっしゃるようなので、簡単に説明させていただきます。
以下では、台車の事を「シャーシ」と呼び、トレーラーヘッドの事を「ヘッド」と呼びます。


①車の駐車ブレーキを掛けた事を必ず確認し、運転席から降りてヘッドの踊り場に乗っかります。

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②ヘッドとシャーシを繋いでいる、ブレーキ用のエアホースとブレーキランプやウインカー用の電源を供給するコードをシャーシから外します。左右のホースがエアホース、真ん中が電源コードです。

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③踊り場から助手席側に降りて、シャーシに付いている「脚巻き(あしまき)」と呼ばれるハンドルを出します。

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④このハンドルを時計回りで回転させ、脚が地面に付くくらいまでひたすら回し続け、脚が地面に付いたら脚巻きハンドルを格納します。

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⑤シャーシを一周するような形でシャーシの点検をしつつ運転席側のカプラー部分へ行き、エアホース・電源コードが抜けている事、シャーシの脚が地面に付いている事を確認したら、カプラーに付いているレバーを手前に引きます。

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⑥カプラーのメーカーによって違いますが、自分が乗ってるヘッドに付いているカプラーは、赤丸部分が飛び出す事により、カプラーのロックが外れたのを確認する事が出来ます。

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⑦カプラーのロックが外れた事を確認したら、運転席に乗り込みヘッドをゆっくり前進させ、シャーシとヘッドを切り離します。

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これで台切は完了です。所要時間は1分弱って感じですかねぇ。

これらの手順は、会社によって、人によって順序が違うんですが、自分は今紹介した方法が一番安全な方法だと思い、絶対に手順を変える事なく行っています。

確かに、運転席から降りた時にカプラーのロックを外してしまえば脚を出した後、わざわざカプラーの所まで戻って来なくて済み時間の短縮が出来るんですが、自分の師匠や先輩方々から「ホースが外れている事、シャーシの脚がちゃんと出てる事を確認してからカプラーを外せ。それによってくだらない事故を起こさないで済む。」とキッチリ教育されたので、今でもその教えを守っています。



次にトレーラーとシャーシの連結ですが、以下のような感じで行います。

①シャーシのピンにヘッドのカプラーがしっかり噛むように、ヘッドをバックさせシャーシに繋ぐ。

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②繋がったら前進のギアに入れ軽く前にヘッドを進ませてみる。この時、ケツが引っ掛かってるような感じで前に進めなければOKなんで運転席から降りる。この行為を「シャクる」なんて呼びます。


③自分のヘッドのカプラーは、赤丸部分で連結を確認出来るので、そこを見て赤丸部分が飛び出てないか確認します。写真のように飛び出ている場合はNGなんで、もう一度運転席に乗り込みしっかり連結させます。この手のカプラーに限らずですが、シャーシの下に潜りカプラーの方を見ると、カプラーがシャシーのピンを噛んでる様子を確認出来ますので、心配な時はシャーシの下に潜り確認します。

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④踊り場に乗り、ヘッドに付いているブレーキ用のエアホースと電源用のケーブルをシャーシに繋げます。

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⑤助手席側に降りてシャーシの脚巻きハンドルを出します。

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⑥脚巻きハンドルを時計と反対回りで回転させ、完全に脚が上がったら脚巻きハンドルを格納します。

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⑦シャーシを一周するような形で点検しつつ運転席側に回り、脚は上がってるか、カプラーとシャーシのピンはちゃんと噛んでるか、エアホースと電源ケーブルはちゃんと繋がってるか、ってのを確認したら運転席に乗り込み発進します。



こちらも台切と同様、所要時間は1分弱です。



以上が台切と連結の説明です。これで少しイメージを掴んで頂けると嬉しいのですが、いかがでしたでしょうか?