第九章『鬼』
零奈をベッドに寝かせ、霊力の回復を待とうといったとき…。
『その必要はないぞ!』
と威勢のいい声が聞こえた。……麝鬼か。
麝鬼:「日頃の恩を返してやろう。」
大樹:「こんなんで返せる恩じゃないだろ。」
と鼻で笑いながら言うと…。
麝鬼:「ふん…。」
と答えた。
何なんだ?こいつ。
大樹:「でもその必要は無さそうだ。」
零奈:「う、う~ん~。」零奈が起き上がり周囲を見回す。
零奈:「あ、あれ?」
首をかしげて麝鬼をみた。
麝鬼:「ん?」
零奈と目が合うとニコッと笑った麝鬼。
零奈:「じゃきさんだ。」
麝鬼:「ああ。」
零奈が寝ぼけてる…寝ぼけているときは可愛いのにな~。
大樹:「はぁ~。」
零奈:「ん?どうしたの~?大樹~?」
大樹:「いや、なんでもない。」
零奈:「??」
という会話をした5分後…
零奈:「おかわり~!」
麝鬼:「なぬ!私もおかわりだ!」
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや
大樹:「食い過ぎだ~!もう五合も炊いたはずの米が炊飯器の中から消えてるよ!」
と半泣きで俺が言うと。
零奈:「な、んだと…!」
麝鬼:「くそー引き分けか!」
零奈:「次は負けないぜ!」
麝鬼:「挑むところよ!」バタンッ!
あ~あ倒れちゃったよ…。
だいたい食い過ぎなんだよな~。はぁ~。
美香:「やっぱりいつも通りだね~。」
有子:「だね。」
大樹:「だねじゃないよまったく…。麝鬼がきたらいつもこれなんだから…。」
美香・有子『まあまあ。』
はもった…。どんだけだよ…。
大樹:「さて、とっ!」
といって鍋や皿を洗い始めた。
そういえば麝鬼どうしようか。幸い客間は昨日掃除したところだからそこで寝かせるか。
大樹:「美香~姉さん~客間に布団を用意しといて~。」
美香・有子:『は~い!』
「よっこいしょ」