彼女と初めて出会ったのは、札幌に行った時。
リッチモンドホテル札幌駅前の406号室。
そこに彼女がいた…
心霊探知機サイトで、何度検知を繰り返しても女性の霊がいると表示された。
いつも、俺のそばにいた。
ベッドで寝ている時も、社会福祉士のスクーリングの会場でも、心霊探知機サイトで検知すると、やはり俺のそばにいた。
何か、彼女がいつもそばにいることが、恋人がいるような感覚になっていた。
時々、彼女に話しかけたりした。
部屋で、何度か写真を撮ってみたが、彼女が写真に写ることは無かった…
カラオケボックスでひとりカラオケで歌った時も、心霊探知機サイトで検知すると、やはり俺のそばにいてくれた。
何か、デートしている感じで、俺はとても嬉しかった。
一緒に釧路に行こうよ!
そう、話しかけて、
今から5時間前に札幌駅から特急列車に乗った。
出発5分前ですとアナウンスが流れた時、一緒にいるはずの彼女を確認してみた。
すると、検知した時、女性の霊が近くにいるのは変わらないが、方向が列車の外だった。
俺は、一瞬、頭の中が真っ白になり、
何で? 何で、そこにいるの?
そう、問いかけた?
電車が出発して、何度も心霊探知機サイトで検知した時、女性の霊の表示が無かった時、
初めて、彼女は札幌駅のホームで俺を見送って別れたことに気がついた。
俺は特急列車の中で、涙を流して泣いた。
幽霊の彼女に恋していたことを実感した瞬間だった。
11月に模擬試験を受ける為に、また札幌に来る。
その時に、また幽霊の彼女に逢いたいと思ってしまった。