私自身、様々な誤解のもとに子どもに関わってきたかもしれないことを痛烈に反省しているのだが、…思い出すのは、ある親の会で出会ったFさんのこと。

彼女はすでにアラフォーとなっているが、学齢期はとにかく“うっかり”が多く、忘れものも激しかったらしい。案の定、先生からも親からもそのことを責め続けられた。

その時に一番言われた言葉が、「なんでそんなこともできひんの…」「何回言われたらわかるんや…」。

そう言われた時、Fさんは、「ほんま何回言われたらわかるんやろ」と本気で回数のことを考えていたそうである。

『それをできるようにならなあかんのやで』『大切なことがわかることが自分のためやで』という相手の本当の意図がわからず、言われたことを字義通りに解釈していたのだ。

無論~考え続けても答えが出るはずがなく、自分の“うっかり”がなくなるわけでもなく、Fさんは叱責され続け、苦しみ続けた。

知的な能力は高かったので、彼女は高校~大学と進み、苦労しながらも何とか卒業して、ある企業にも就職できた。

しかし、彼女の不注意ぶりが仕事上の失敗を招くことが多く、それが積み重なって~ついに半ば強制的に退職。

完全に自信を喪失してしまった彼女は、ニートとなってしまうのである。

本当に自分の努力が足りなかったのだろうか…。家にこもっている間、彼女は「なぜこうなってしまったのか」を考えた。そして、自分なりに調べ始めた。

そして、その結果出した答えを確かめるため、彼女は勇気を振り絞って医療を受診したのである。