改めて、おばちゃんの気持ちにも思いを馳せてみる。

おばちゃんは、すぐ近くの村から嫁いできた。

夫と結ばれるというより、その家へ入るという色彩が強かった昔の(しかも田舎の)結婚である。

うら若き娘だったおばちゃんは、期待と不安で胸がいっぱいだっただろう。

おばちゃんにとってラッキーだったのは、姑がやさしかったこと(これは多分に孫としてその姑をよく知っている私の主観です)。

もちろん、おばちゃんを他の家族と繋いでくれたのは、何といっても夫だったに違いない。

しかし、やっと他家での暮らしにも慣れてきた頃、おばちゃんはその一番の支えを失う。

何とか一時的なものであってほしいという願いも叶わず、“永遠の別れ”という現実を突き付けられた。

もし、戦死した夫との間に子どもがいれば、まだ他家に嫁いだ自らの役割を見いだせたかもしれない。~しかし、子どもは生まれず…。

それでも、彼女は家を離れなかった。

夫には、同じ家に暮らす3人の弟がいた。彼女にとってその弟たちはどんな存在だったのだろう。~やはり、『義弟』に過ぎなかったのではないか。

結局、兄弟全員が出征し、皮肉にも、最も待ち焦がれていた人を除いた義弟のみが生きて帰ってきたのである。