品質管理関連イベント(FMEAセミナー、知識構造化シンポジウムなど)

品質管理関連イベント(FMEAセミナー、知識構造化シンポジウムなど)

品質管理に関わるイベント情報です。(日科技連各種セミナー、知識構造化シンポジウム、ソフトウエア品質シンポジウムなど)

Amebaでブログを始めよう!

自工程完結と聞いて、ピンとくる人はどれくらいいるだろうか?最近、いろんなところで聞かれるようになった言葉であるが、もともとトヨタ自動車で編み出された考え方で、同社ではセミナー講師も育成されているようだ。

そもそも後工程はお客様という考え方が品質管理では一般的であるが、基本的にはこの考え方と共通である。しかし更に品質は工程でつくりこむという考え方に基づき、自らにより工程を完結させるように仕事の進め方を構築し実施することを唱えている。トヨタの佐々木眞一元副社長が主導して進めたそうで、現在はこれを教えることができる認定講師もいるそうだ。

自工程完結セミナーは最初、日科技連のセミナーで見つけたのだが、よく見ると中部品質管理協会が主催とのことで、やはりトヨタによって指導されているのだなということがよくわかる。別の会社のいい加減なお年寄りの元技術者の講師に教えてもらうより、直接トヨタのお墨付きの講師から教わったほうが本物に触る事ができるということですな。

最近は、自工程完結はJKKというらしい。自工程完結に関するやさしい本も出版されている様子だが、解説に女子高生を使うという設定は斬新である。個人的には違和感があるが考え方を広めるという意味では大事な仕掛けかもしれない。

 

RCAとはRoot Cause Analysisの略で、根本原因分析と呼ばれている。なぜなぜ分析を勉強していると良く一緒に出てくる手法で、なぜなぜ分析と何が違うのか、何が同じなのか、きちんと勉強しないとよくわからない。

RCAは、その名に根本原因という言葉があるが、根本原因とは何か?が分からないと結局、この手法の意義が理解できないことになる。根本原因は発生した問題の直接的な原因ではなく、その原因を引き起こした職場の仕事のルールとか方針とか土壌の欠陥を指しているようである。

なぜなぜ分析でも対策が取れるところまで掘り下げて原因を分析するように言われるがこの掘り下げ方が根本原因まで意識することがRCAのポイントのようである。単純に問題を引き起こした直接的な原因だけでなく、なぜそれを引き起こしたか?を毎日の仕事のやり方と照らし合わせて深堀することになるので、通常の仕事のやり方や考え方をきちんと理解し、知識として知っておかないと簡単に分析できない。

医療の事故の例がRCAではしばしば取り上げられるので、それこそ医療の知識が無いのでよくわからないことも多いが、会社の風土や組織の構造、仕事の向き合い方などに根本原因があるという場合は製造業と共通することも多く、やはりそのようなところから変えていかなければならないと思う。

このようなRCAを勉強するセミナーを探すとなぜなぜ分析と異なり、意外にセミナーがほとんど開催されていない。やはり難しいのかもしれないし、まだ手法として研究段階で十分な実績が挙げられていないのかもしれない。しかし、考え方はとても重要であり、実際の問題の整理から対策実施までの流れは、なぜなぜ分析よりも非常に体系化されていて学びやすいものではないかと感じる。

医療の現場のセミナーとして、日総研のセミナーがヒットした。トヨタ生産方式のカイゼンもよくご存知の講師が教えるセミナーのようで、とても面白そうだ。日総研は一般財団法人日本総合研究所のことでWikipediaによると名古屋事務所ではこのような医療関係のセミナーも運営しているそうである。

 

FMEA辞書という言葉はあまりなじみが無いのだが、何となく良い辞書に違いないと思い、少し学んでみようという気になった。元(株)デンソーの本田陽広氏が講師となり、オンデマンドのセミナーをものづくり.comで開催されている。品質問題の多くは既知の原因によるものだから、社内のノウハウや不具合事例が共有化され、活用すれば未然に防げると話は同感である。そのため、ノウハウや事例が活用しやすい環境をつくるためにこのような辞書を作成している。

知識の共有と活用は、(株)構造化知識研究所のSSMも同じ目的だろうと思うが、紹介されている辞書は比較的シンプルなデータベースという感じのようだ。どちらも知識を整理する体系や構造があって、ノウハウを整理、活用するための仕掛けがある。FMEAを使いこなすには相当なノウハウと時間が要るように思うが、こういう考え方がどんどん進化していけばもっと使いやすいものになるだろうと思う。

しかしこのような辞書はどのように共有して更新をかけていくだろうか。そういうことも教えてもらえるセミナーがあるといいと思う。実務で品質問題が減ったような例などもあればとても参考になる。日科技連の知識構造化シンポジウムは以前参加したことがあるが企業の生の話が聞けるし、構造化知識研究所のコンサルタントから実務的なポイントの話が聞けるのでよかった。

トヨタが開発したDRBFMは吉村達彦氏が世の中に広げたが、自動車の業界は品質管理のレベルが高いことを再認識させられる。このような業界から得られるノウハウは貴重だがいつも勉強するだけでなく、自分たちも切磋琢磨して情報発信できるようにならないといけないと思う今日この頃である。

なぜなぜ分析は一般的に広く知られていますがどのようにやればよいのかよく判らないことも多い分析手法である。私の職場でも大きな問題が出て大騒ぎになるとき、大体なぜなぜ分析をして内容を整理することがよくあるのだが、どうしても原因をなぜなぜしていくと変な方向に暴走してしまいがちである。

なぜなぜ分析で学びやすいセミナーが無いかと調べていたら、日経BPのセミナーを見つけた。とても人気のコースのようで、既に4000人以上も受講生がいるとのことで驚きである。しかも講師はなぜなぜ分析の本も書いておられる小倉仁志先生とのこと。本はとても勉強になるので、よく読んでいるが、直接セミナーで話が聞けるのはとてもよいと思う。セミナーは東京と大阪で開催されているようだ。

なぜなぜ分析はヒューマンエラーを分析する際によく使われると思うが、このような結果から得た再発防止策を自分たちの業務につなげることが大切である。しかし要因を論理的に漏れなく洗い出して、大事な要因を捕まえておかないと、効果的な再発防止策を打つことができない。ここがとても難しいのだが、セミナーの演習などを通じて、適切な考え方が身に付けばよいと思う。

なぜなぜ分析は皆さんどのようなシートで進めているだろうか。自分はExcelを使って作成するが、パワーポイントでまとめるひともいる。いずれにしてもこのようなファイルが社内のサーバのあちこちに登録されているのだが、どうしたものかと思う。

少し余談になるが、日経BPセミナーのセミナー概要の説明はとてもわかりやすい。QCやISOの関連団体のセミナーもこれぐらい判りやすいものにしてほしいものだ。こういったところも人気が出る理由なのかもしれない。

IATFは、Intenational Automotive Task Force(国際自動車産業特別委員会)の略で、自動車産業においてサプライヤーが国境を越えて部品を供給することを考慮し、欧米の主要な自動車生産国の自動車工業会と各メーカーが、自動車産業向けの統一的な品質マネジメントシステムをつくるためにできたものである。そして、IATF16949は、自動車業界特有の品質マネジメントシステム要求事項をISO9001:2015に付加したセクター規格である。

このIATF16949に関するセミナー「IATF 16949 要求事項の詳細解説コース」が日科技連で開催されている。2019年5月20日~21日の第1回から2020年3月5日~6日の第5回まで計5回となっている。ISO9000に関するセミナーはISOのコンサル会社がISO改訂時などによく開催しているが、IATFの解説セミナーを日科技連が開催しており、IATF16949の関心の高さが伺える。

IATF16949は、以前ISO/TS16949と呼ばれていたものであり、以前から仕事上も関係もあったが、IATFとして認証を取得するため、注目を浴びている。特にAPQPやFMEAなどのコアツールが着目されているが、基本はISO9001であるので、その基本的な考え方を外さすに取り組む必要がある。IATFのセミナーはあまり幅広く開催されるようなものではないと思うので、機会があればぜひ参加したいものである。

日科技連の信頼性保全性シンポジウム(2019年7月18日~19日)に参加した。今年のテーマは「つながる時代の信頼性と未然防止」であった。信頼性保全性シンポジウムは基調講演と各セッションでの企業発表から構成されていて、信頼性や保全性の分野の最新情報を得るには一番良いイベントである。

電気・電子の故障解析や材料の腐食解析などの具体的な製品・材料の信頼性に関する知識を得ることができるので実務に関係する内容があれば、本当に参考になる。また機械学習による故障検知やFTAによるシステム構造分析と課題といったような最先端の研究紹介もあり、テーマが幅広いので本当に飽きないシンポジウムである。

会場は東京都千代田区一ツ橋の日本教育会館。アクセスは悪くないので、もっと人が集まっても良いと思うが、シンポジウムの名前が信頼性保全性シンポジウムなので、ちょっと固い感じがする。日科技連には、品質機能展開シンポジウムや知識構造化シンポジウム、ソフトウエア品質シンポジウムなど様々なシンポジウムがあるが、それぞれ専門的なシンポジウムで充実していると思う。もっとこういう専門的なシンポジウムを増やしてほしいと思う。

展示会で有名なリードエグジビションジャパンが開催するJapan IT Weekを紹介。Japan IT Weekは、IT関係の展示会で、春と秋の年2回(関西を含めると年3回)開催される非常に人気のイベントで、春は、前期と後期の2回に分けられる力の入れようです。春は毎年、ビックサイトで開催されている。

春のイベントでは、ソフトウェア&アプリ開発展、ビッグデータ活用展、情報セキュリティEXPO、クラウドコンピューティングEXPO、AI・業務自動化展など様々な分野に分かれて企業の商品が展示される。会場はとても広く、1日で回ることは本当に困難で、参加者も多く、人気の商品には多くの人が集まる。また、セミナーも充実しており、各分野の専門家の講演を聞くことができる。
 
2019年5月8日(水)~10日(金)の春(後期)に参加してきた。RPAに関心があったこともあり、セミナーはRPAを中心に聴講した。残念ながらセミナーは無料ではなく、1時間の話を聞くにも高いセミナー参加費が必要なため、自腹で参加するのは困難である。会社からお金をもらえるように知恵をつける必要がある。セミナーでは、コンサルティング会社のRPAの話が参考になったが、残念な講演もあった。こんなときは参加費とはテキスト代だと思って割り切るしかない。

ここでは具体的な各展示の紹介は控えるが、興味のある分野においては、各ブースで決められた時刻に開催されるプレゼンテーションはぜひ聞くべきだと思うので、最初にそれぞれ何時に開催されるか知っておくことが重要。また、興味のある商品が既にある場合は、予め同社のホームページで情報を収集してから展示会に臨むなど、事前にその分野の知識収集も欠かせない。

これまで何度か参加しているが、事前の勉強をしないまま、とりあえず現地で情報を集まようかという感じで行くと、富士山の樹海に放り込まれた感じ?になって、結局何もできずに終わってしまう。充実した展示会の時間を過ごすには準備も必要と思う。

ソフトウエア品質シンポジウムに、2018年9月12月~14日に参加した。以前にも紹介したことがあるが、機会があれば参加したいと思っていたシンポジウムなのでようやく実現した。

会場は東洋大学で、どのぐらい人が来るのか知らなかったが、実際に参加すると非常に多くのひとが熱心に講演を聞いていてとても活気があった。ソフトウエアの品質管理に関する研究の発表が多く、最新の品質管理の研究を聴くにはとても良いイベントである。ソフトウエア品質知識体系(SQuBOK)の取り組みを聞けたし、デザインレビューやテストに関する新しい手法や研究成果も聞くことができた。

ソフトウエアの品質保証についてこの規模で実務的な具体事例や最先端の研究内容を一度に聞ける機会は他には無いのではないかと思う。ぜひ今後も参加したい行事であった。

日科技連主催の品質管理のベストプラクティスが紹介されるイベント。品質管理シンポジウムよりも実務的な講演が多い感じがする。過去に何度か参加しているが企業の具体事例の紹介が多く、非常に参考になる。スポーツ界の講演枠のようなものがあり、毎年有名人の講演もある。これはこれで面白い。

クオリティフォーラム2018が2018年10月31日~11月1日に開催された。初日の午前中の特別講演ではトヨタ自動車副社長の河合満氏の「モノづくりは、人づくり~技能伝承と人材育成~」はとても参考になった。

初日の午後の企画セッションでは未然防止のセッションに参加したが、こちらも興味深かった。日産自動車の大島恵氏による「日産式Quick DRによる設計・開発における未然防止」はご本人の経験を踏まえた分析や研究内容もあり参考になった。人為ミス研究所の中山賢一氏による「職場第一線でのヒューマンエラー防止」はヒューマンエラー防止のための実務的な活動を具体的に紹介する内容であっという間の時間であった。構造化知識研究所の田村泰彦氏による「知識の構造化による再発防止・未然防止の様々な取組みと工夫」では、過去の研究に基づいた知識構造化手法の紹介と未然防止への活用方法の具体的な紹介があり、興味深い内容であった。

日産の大島氏も構造化知識研究所の田村氏も日科技連のセミナーで活動しているが、総合討論で意見を行くことができて、大変参考になった。

 

 

 品質管理シンポジウム(QCS)は、伝統ある日科技連のなかでも中核になるシンポジウムである。2015年6月5日~6日にも開催された様子で、これはちょうど100回になるそうだ。費用も高額なので個人で参加するのは難しく、会社が日科技連の賛助会員になっていないとなかなか縁がないかもしれない。箱根で開催されることでも有名。
 著名人の講演や、グループ討論などがプログラムされており、TQMの知識を身に付けて、人脈を増やしたい人にとってはとても良いと思う。一度は参加してみたいものだ。
 今回は100回記念ということで、日科技連のホームページは「品質管理シンポジウム第100回記念史」というものが掲載されていた。このなかで過去のQCSの内容や組織委員の話などが掲載されていて、とても興味深かった。戦後の日本の品質管理の歴史に興味のある方にお勧めできる。