アトピー性皮膚炎克服体験談
我慢できないほどのかゆさが特徴である皮膚疾患・アトピー性皮膚炎の特徴ですが、アトピーが目のまわりにできてしまうとなおさら厄介です。
顔に炎症ができると眼球にもかゆみを覚えるため、かいたりこすったりしているうちに眼球が傷つき、何らかの疾患を併発する可能性も少なくありません。
かゆみを放置しておけば、日常生活に多大な影響が出てくるのは必至です。
■アトピー性皮膚炎で併発する恐れがある疾患
目のまわりでアトピー性皮膚炎を発症すると、眼瞼炎や角結膜炎、円錐角膜、網膜剥離、角膜潰瘍、巨大乳頭結膜炎、白内障などの眼疾患を併発する可能性が出てきます。
これらの病気のリスクを低減させるには、目のかゆみを解消させたり、和らげたりすることが重要となってくるのです。そのためには点眼薬などでの治療が基本になります。
抗アレルギー薬が配合された点眼薬や飲み薬が治療の基本となります。
症状がひどい場合はステロイド配合の目薬や塗り薬、飲み薬を使いますが、アトピー性皮膚炎の患者は一年中症状に悩まされるため、ステロイドに過度に頼りすぎるのは望ましくありません。
症状が悪化するなどしたら処方薬を変える必要があるため、医師とのコミュニケーションを密にし、定期的な通院をすることが前提となります。
例えばステロイド外用剤は、塗る部位によってその強さのランクを変える必要があるため、ステロイド薬剤を用いる場合は必ず医師に相談するようにしましょう。
■ステロイドで失明!?
ステロイド配合の点眼薬や飲み薬を使用すると眼圧が上がる可能性があることも問題となっています。
ステロイドに反応する人を「ステロイドリスポンダー」と呼びますが、眼圧が上がって緑内障になると1週間ぐらいで失明することもあり得るのです。
このように体質的にステロイドが使えない患者は、免疫抑制薬配合の目薬や飲み薬などを用いて治療します。
免疫抑制薬配合の点眼薬は、健康保険で3割負担が適用されても通常サイズで3,000円ほどになってしまいます。高額ではありますが、失明の恐れがある角膜潰瘍や春季カタルに関しては、ステロイド配合の点眼薬よりも完治率が高いといわれています。
きちんとケアをすればアトピーの炎症を抑えられるため、二次的に起こる白内障や網膜剥離、円錐角膜などを防げます。アトピー性皮膚炎の治療である一方で、その先にあるさらにひどい疾病の予防にもなっているわけです。
アトピー性皮膚炎の患者の中には、日中はかくのを我慢していても、寝ている最中に患部を無意識にかく人や、すでに炎症が治っている部分を昔からの習慣で無意識にかいてしまう癖を持つ人がいます。そのような人たちは、就寝前に抗アレルギー薬を飲んでから寝るといいでしょう。
■自分の発病因子を特定する
アトピー性皮膚炎が完治した後でも、今度はその再発を防ぐことが重要となってきます。そのためにも、アレルギー反応を起こすアレルゲンを特定するため、採血検査をすることを味木医師は推奨しています。
例えば、ほこりでアレルギー反応が出るのであれば、部屋を清潔にしようと努めます。また、ダニがアレルゲンとなれば、ダニが生息しやすいじゅうたんやカーペット、カーテンの使用は控えるようになりますよ。そのようなアレルゲンの特定は対策の基本にもなるのです。
ただし、アレルゲン以外にも乾燥肌やストレスなどの要因がアトピー性皮膚炎につながっているケースもあります。
自分の発病因子が何なのかをきちんと把握することがアトピー性皮膚炎、ひいてはその先にある眼合併症対策の第一歩になると言えるのです。
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