登山教室Serow(セロー)のガイド日記

登山教室Serow(セロー)のガイド日記

日々のガイドの記録です。

お盆が明ければ秋の紅葉シーズンまでは山も落ち着きを取り戻す時期で、平日は登山者も少なく静かです。そんな中で今シーズン最初の大キレット縦走へ行ってきました。

 

新穂高から入山して、1日目は槍平小屋へ。今年もお世話になります。

 

ご主人の沖田さん。冬の赤岳鉱泉以来ですね。

 

ご主人こだわりのスープカレー。様々なスパイスを小屋に常備しており、日によって組み合わせを変えているので味が違います。

 

翌日は南岳新道を登って大キレットへ。獅子鼻から眺める北穂高岳と荒々しい表情の滝谷。今回は滝谷を登る訳ではありませんが、荒々しい壁を眺めていると自然と気持ちも引き締まります。今回はお客様の歩くペースもまずまずだったので、12時30分には北穂高小屋に到着。

 

山小屋限定クラフトビール「YARIHO」。度数が4.5度なので飲みやすく、まろやかな味です。

北アルプス南部の山小屋で販売していますが、今回飲んだ「YARIHO」の他にも「YARI」と「HOTAKA」があります。

 

翌日は北穂高岳〜涸沢岳を登って白出沢を下降。大キレットも一般登山道としては難易度が高いですが、こちらの区間も負けず劣らず難所が続く区間です。

今シーズン2回目の赤木沢をご案内してきました。

 

赤木沢の時にお世話になっている薬師沢小屋。いつもありがとうございます。

 

魚の目線。エメラルドグリーンの水が綺麗ですね。

 

赤木沢出合。前日の夕方に雨が強く降ったので増水の影響を心配しました。ダメなら登山道を折立まで引き返すか、薬師沢を考えましたが水量は大きな変化は無かったので良かったです。

 

最後の草原。午後から大気が不安定なので早め早めの行動を心掛け、14時過ぎには折立に下山しました。

今年最初の赤木沢へ行ってきました。黒部の源流域に位置する赤木沢。何度来ても飽きることが無く美しい沢ですね。

 

薬師沢小屋前を流れる黒部川。何日もまとまった雨が降っていないので水量は少なめです。

 

薬師沢小屋の夕食。

 

朝5時に薬師沢小屋を出発。太陽が当たれば暖かい赤木沢。

 

最後は草原を登って9時に中俣乗越の登山道へ。今シーズンは何度かここに来る予定です。

 

今シーズン3回目のジャンダルム縦走をご案内してきました。今回はお客様が4名様に増えたので、白馬在住の伊藤勇介ガイドにサブガイドをお願いしました。

 

ジャンダルムの上で記念撮影。

 

ナイフリッジを楽しむお客様

 

安定感のある伊藤ガイド。

 

下山したら新穂高の「ひがくの湯」へ。下山したら、こういうものが食べたいですね。

夏の劔シーズンが始まりました。今回は八ツ峰6峰Dフェース富山大ルート&Cフェース剣稜会ルートをご案内してきました。

 

真砂沢ロッジを3時に出発して6時過ぎにDフェース富山大ルートへ取り付きました。

 

隣のCフェース剣稜会ルートを登っていたYガイドが撮ってくれた我々の写真。

 

富山大ルートをトップアウトした時点でまだ9時。劔沢へ帰るにはまだ早い時間だったので、5・6のコル経由でCフェース剣稜会ルートも登ってから長次郎谷を下降して劔沢へ帰りました。ある程度の体力とクライミング技術があれば1日に2本登って15時半には劔沢に戻れます。

 

今回1日目に泊まった真砂沢ロッジ。1日目にここに泊まっておくと、劔沢から行くより翌日が少し楽になります。

 

真砂沢ロッジは夕食の種類は松竹梅の3種類から選べます。今回は松コースにしました。

 

松コースの夕食。ふっくらご飯にハンバーグ定食。とても美味しかったです。

梅雨明け直後に谷川連峰の白毛門沢で沢登り。冷たい水が気持ちよく感じる季節になりました。

 

以前よりも倒木が少し増えた気もしますが、全体的に渓相は綺麗です。

 

お客様も水と戯れながら、順調なペースで登ってきます。

 

7時に白毛門駐車場を歩き出して、12時30分には山頂に到着。下山後は水上の温泉に浸かり、汗を流しました。沢登りの後の温泉は格別です。

最終日は朝まで雨・・・

標高を下げてLa Fayetの岩場に行こうかと思いましたが、昼頃から雨が上がったので「Clocher-Clochetons Traverse」を登ってきました。

 

クライミングは簡単です。クライミングを求めていくなら、正直物足りないくらいです。しかし、このルートの最大の目玉は岩峰のチロリアンブリッジの横断です。

 

フィックスロープは無いので、自分のロープを投げて杭に引っ掛けます。

 

倍力システムでロープに張力を掛けて・・・

 

あとは渡るだけです。渡るだけなら簡単。回収はどうするか?行く人は自分で色々と考えてみて下さい。

シャモニーで朝から空いているのはパン屋さん。借りているアパートの近くのお店は朝6時から開いています。

 

シャモニー=モンブラン駅からほど近いお店。アパートから徒歩4分。

 

細長いバゲットやバタールだけでなく、様々な形をしたフランスパンが売られています。

 

ずんどうな形。

 

丸い形。個人的には外側の生地の食感と、中のモチモチ感ではこれが一番美味しかったです。

 

四角形。これは表面の生地が硬めです。

 

こんな感じで切って食べると美味しいですね。

ブレバン南壁のクライミングルート「Poème à Lou」

最高グレードは4ピッチ目の6C、デシマル換算で5.11bくらいでしょうか。ルートの全長は220m程度、日当たり抜群のマルチピッチクライミングが楽しめます。

 

正面に見える壁がブレバン南壁。ゴンドラとロープウェイを乗り継いで山頂へ。

 

ロープウェイ終点から取り付きまで3〜40分程度。岩は概ね硬く快適に登れます。

 

核心の4ピッチ目。高度感抜群のコーナーを左にトラバースして、さらにフェースを左にトラバースしていくのが核心です。3時間程度でトップアウトして、余った時間でロープウェイ山頂駅近くのクライミングエリアを登ってから下山しました。

シャモニーに来てみたものの、2018年の時と違って天気が良くありません。前回は恵まれ過ぎていただけで、これが今の時期の普通なのかもしれません。シャモニーから電車で45分のところにあるクライミングジム「Le Topo」というクライミングジムに行ってきました。

 

15mクラスの壁。そしてオートビレイ器だけで10台以上設置されています。考えてみたら、海外でクライミングジムに来るのは初めてです。

 

割の最近出来たジムらしく、おしゃれなカフェまで設置されています。

 

7B(デシマルで12a〜bくらい?)の課題を登ってみました。実はこのルート、登る前からピンと来るものがありました。

 

手が大きい欧米人の現地クライマー達はクラックに手が入らず、シビアなフィンガージャムで苦戦。一方で私は手が小さいのでタイトハンドがバッチリ決まるサイズ。キャメロットで言えば#0.75サイズか?このサイズなら現地クライマーに負ける気がしないのでガンガン登れます。

身長が190cmを超える現地クライマーにリーチで負けたとしても、クライミングで完登出来るかどうかはそれ以外の要素も大きいです。身長は伸ばすことが出来なくても、技術や体力はトレーニング次第で伸びる可能性がありますね。