<先週の講壇より>
 

聖書箇所: ルカ15:11~32
説 教 題: 『喜ぶ神さま』

 この中で注目したいのは18節の言葉なんですけれども、ここには、「ここをたち、父のところに行って言おう。『お父さん、私は天に対しても、またお父さんに対しても罪を犯しました。』」とあります。彼の罪とは何でしょうか。いろいろ言えると思うのですが、一番は、父親から離れてしまったことです。このお父さんが何を喜んでいるかというと、24節と32節で繰り返されているのですが、「この息子は、死んでいたのに生き返り、いなくなっていたのに見つかった」ことをお父さんは喜んでいます。死んでいた、いなくなっていたというのは、弟息子がお父さんをお父さんとしなくなったということです。彼が物理的にも心の距離という面でも、お父さんのもとから離れていってしまったこと。それが彼の罪だったのです。
 でも考えてみたら、その彼の罪さえも、実は父親が父親でいてくれたこと、父親の愛情に基づいているんですよね。そもそもなんですが、弟はお父さんに、「私に財産の分け前をください」と言いました。これ、もし会社なら、会社の資産の半分を持っていってしまうなんていうのは、ありえないことですよね。選択肢として挙がることさえないはずです。そもそもこれを言い出せること自体が、自分とお父さんという関係に甘えてるんですよ。しかしこのお父さんは、本来ならば選択肢にさえならないようなこの彼の申し出を、受け止めて選ばせてくれた。とことん父親として甘えさせてくれた。そういうお父さんがあってこそ、弟はこの選択を選ぶことができたのです。
 しかもその愚かさがわかって父親のもとに帰ってゆく時に、弟は「お父さん、私は天に対しても、またお父さんに対しても罪を犯しました。もう息子と呼ばれる資格はありません。雇い人の一人にしてください。」と、息子じゃなくて雇人で帰ろうとしたんです。そして実際にお父さんに抱きしめられる中で彼は言います。21節です。「お父さん、私は天に対しても、またお父さんに対しても罪を犯しました。もう息子と呼ばれる資格はありません」。本当はここに続いて、「雇い人の一人にしてください。」と言おうとしたかもしれない。けれどもここには載っていないんですよね。それこそその言葉を「言わせねぇよ!」と言わんばかりに、父親が僕たちに指示を出している。これは、お父さんが息子をちゃんと息子として迎えてくれたということです。「雇い人なんかじゃない、お前は我が息子、息子として帰って来い」。送り出す時も迎える時も、この父親はずっと弟息子の父親であり続けたのです。
 実は、それが私たちの信じる神さまというお方なのではないでしょうか。時には私たちが、「神さまが見えない!」「神さまがわからない!」と、自分の方から、神さまから離れようとすることがあるかもしれません。でもそうやって神さまから離れることが、実は私たちにとっての罪と言うことなのだ。けれども神さまは、そういう私たち自身が、そのありのままを神さまにぶつけて甘えることさえも赦してくださり、それでもなお、私の父なる神でいてくださる。甘えて無茶を言おうが、傍若無人なことをしようが、それでも父でいてくださる。そして、父なる神として、私たちが神さまに立ち返ることを喜んでくださる。なんて深い愛なんだろうと思いました。この愛を感謝をもって受け止めたいと思います。
 

「子よ、お前はいつも私と一緒にいる。私のものは全部お前のものだ。だが、お前のあの弟は死んでいたのに生き返った。いなくなっていたのに見つかったのだ。喜び祝うのは当然ではないか。」(ルカ15:32)

 

 


<次週の礼拝のご案内>

 

聖書箇所: ローマ5:18~21
説 教 題: 『ワン・フォー・オール』

 今週はいよいよパリオリンピックが始まりました。皆さんそれぞれ注目の競技があると思いますが、私はこういう国際試合の時だけのにわかファンなんですが、サッカーは楽しみにしています。ところが忙しかったせいもあって、気がつけばオリンピックの開会式よりも前に、サッカーの予選の第一試合、対パラグアイ戦はもう終わってしまったんですね。しかも5対0という圧勝でした。見逃してしまってもったいなかったなぁと思うのですが、それ以上に(?)、神さまのメッセージを聞き逃してももったいないです(笑)。ぜひ礼拝で、神さまからのメッセージを聞き逃さないようにしていただきたいと思います。
 さて、次週は上記の個所から学びます。短い個所ですが、この個所には人間の持つ罪というもののルーツと、どうやったらそこから救われるのかということが書かれています。そのことを共に学んでみたいと思っています。

教会の礼拝は、どなたでも参加することができます。どうぞ気兼ねなくお出かけ下さい。あなたのお越しを心よりお待ちしています!その際には、マスク着用、手指のアルコール消毒、三密を避けるなどのご協力をお願いしています。なお、ライブ配信も継続して行いますので、続けてそちらもご利用ください。

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