おはようございます。
6月のクレカの請求額に失神しそうになった重本孝です。
#全く自覚してなかった..
「誤解を招く手口」についての研究。〜偏差値イリュージョンって知ってますか?〜
先日、ブログをお読み下さっていた流れからお問い合わせを下さり、教室で面談させて頂いた保護者様から、何らかの話の流れで・・
「大学受験の合格実績の載せ方なんかも(一般的な受験産業は)1人で同じ学部を何個も受かってるのを計上してるって知りませんでした。。。」
というお話をお聞きし、改めて我々受験産業を、“そういう業界”であると疑いの目を向けることなく利用して下さる保護者様に対して「意図して誤解を招いてやろう・・」みたいなのは美しくないなと思いました。
#卑しくなければ塾じゃない
これは昨日の併願戦略にも通づる話で、個人的には一番上のお子さんのときは“そういう業界”と疑いの目を向けることなく受験産業を頼って下さっていた保護者様が、お1人目、お2人目と受験を終えられ、3人目のお子さんあたりになると、すっかり「まあ、塾・予備校ってそういうとこだもんね〜。苦笑」になられる姿を目の当たりにする・・・、その際の気持ちには、デビュー当時から見ていた広末涼子さんが現在の様相を呈しておられる姿を眺める私の気持ちに通底する胸苦しさを覚える次第です。
#高校生の頃「H」も「R」も気づけば家にあったな〜・・
まあ、とりあえず受験産業の「合格実績」というものは分母を出してない時点で理系ではない私の脳には「数字」としては機能しませんし、その手の手法のレパートリーについてはそれだけでブログ1週間分は余裕で書けるぞレベルなのであります。
さて、そんな中、読者様に見て頂きたいのが
・・です。
人呼んで「偏差値イリュージョン」です。
この段階で私がこれから言わんとすることに予想がついておられる方は素晴らしい。笑
下手したら塾講師の中でもまだ経歴が長くない方であれば「ん??何だろう????」という人もいるかもしれません。
それでは解説です。
まずみなさんはこの広告を予備校が出す目的は何だと思いますか?
そう、それはもちろん受験産業の養分に向けた地引網ですね。
#大漁
ピュアな高校生に対して「おお、、偏差値50切ってても場合によっては阪大神大狙えんのか・・。東進ってカリスマ講師有名やしな・・・」という風になってもらうのを狙っているわけです。
しかしお気付きの方もおられるでしょうが、この広告というのはミスチル桜井さん言うところの
きっと嘘なんてない
だけど正直でもないんだろう
----------------------「Forever」
・・なのであります。
そもそも偏差値というのはその受験者のレベル次第でその数字の意味も全然変わってきます。
そうした意味で、この広告には
【「東進模試」の偏差値です】
と書いてあります。
まだお子様が小中学生の方などはご存知ないかもしれませんが、「東進模試」・・・・・という模試は厳密にはなくて、東進が実施するありとあらゆる模試の総称が「東進模試」なんですね。
ですからこの広告文言だと「結局何の模試受けた偏差値なん??」ていうのは不明なんです。笑
また、ついでに言えば模試を受けた時期も不明です。
つまり結局この広告というのはどの時期にどういった学力の人が阪大や神大に受かったのか?っていうのは全然書いてないんですね。
#それでこそ我らが受験産業
例えば大学受験の模試って言ったら、
①共通テスト系の模試
②記述模試
③冠模試
の3つが大きく分けてあって、このうち①とかだと関関同立の合格者がほとんどいないような高校の子たちから、中高一貫や公立の最上位レベルの学校の子たちまで受けたりしますから、それで「偏差値50」って言ったら、それはホントに全大学受験者の中でちょうど真ん中くらいの立ち位置と言えると思います。
しかしこれが③の冠模試とかになってくると話が鳥羽周作と鳥羽一郎くらい変わってくるんです。。。
今ここで出てきた冠模試というのは大学名を頭にかぶせた模試のことで、例えば京大受験者が受けるもので言えば、
駿台の京大実戦
河合の京大オープン
東進の京大本番レベル模試
・・などがあります。
#冠模試は難関大のみ
ですから、これまた逆にちゃんと書いてないことから確定はできないのですが、、、、
↑とかって言ったって、阪大本番レベル模試での偏差値が47.2とかだったら、それは言わば、阪大受験者(北野の真ん中〜豊中の上位)の中で真ん中ちょい下の立ち位置という意味なので、一般にイメージされる「偏差値50を切っている」というのとは全然違いますし、何なら個人的な感覚で言うなれば、現役生で冠模試で偏差値50を越えてたら「イケるな・・(ニヤリ」みたいな感じすらありますので、時期にもよりますが50弱は特に現役生ならそこまで悪くない印象です。
ちなみにこないだ京大工に余裕で受かったO氏の京大オープン(河合)などを見てみると、偏差値50強で第1志望の学科がB、第2志望の学科はAが出ていますし、駿台の京大実戦の方は数学を空振って、トータル偏差値50を大きく割り込みましたがそれでもDで判定は留まっています。
そんな感じなので、読者様におかれましては引き続き受験産業の伝統芸である「誤解を招こうという必死な姿勢」を冷ややかに見守って頂ければと思います。苦笑
本日は以上です。
ではまた。
【究永舎】
2008年6月に豊中市に重本孝が開校した進学教室です。最初は高校受験の塾としてはじまり、2014年シーズンからは大学受験を対象とした高校生クラスを開講。現在は中2〜高3の講座全てを重本が担当するユル〜い個人塾なのに毎年難関校合格者が生まれる摩訶不思議アドベンチャーな教室です。
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