第5回地域ケア研究会報告 | 豊平区在宅ケア連絡会

第5回地域ケア研究会報告

第5回地域ケア研究会(第214回豊平区在宅ケア連絡会)

 

  会場の様子

 

2016年10月12日、北海道立総合体育センター北海きたえーる内講堂にて、第5回地域ケア研究会が開催されました。東日本大震災の際に災害対策本部にて情報支援活動を行い、現地の救援・復旧に尽力された、陸上自衛隊第11旅団第10普通科連隊長兼滝川駐屯地司令 一等陸佐 関谷拓郎先生を講師として招き、「災害時の地域連携・組織化」をテーマに 講演を頂きました。

 

 関谷拓郎先生

 

講演演は、東日本大震災における実際の活動を例として、災害時における情報共有、指揮統制、物流・在庫管理の重要性と地域連携について説明されました。東日本大震災では市町村行政の指揮統制が崩壊し、情報伝達に障害があったため、自衛隊での人海戦術により、避難者情報、ライフライン情報、病院の状況、物流状況等、様々な現地情報を収集し対策本部へ連携しました。このような状況の中では、状況掌握、つまり情報収集能力や通信能力の強化がシステム維持の鍵であると関谷氏は語られました。情報の連携については、人力入力で項目を記載するようなデータシートも使用されましたが、ITシステムが導入されるとリアルタイムに情報共有が可能になりました。このようなシステムは熊本地震においても一部使用されました。携帯通信基盤は柔軟かつ再展開が容易なため、このような情報連携手法は標準化されていくものと考えられます。災害時に各組織が準備しておくものとしては、組織独自の通信網を確保しておくことと、誰がどのような役割を果たすかという指揮統制の明確化を行うことです。指揮統制を行う意思決定機関に情報を集約し、意思決定に基づき、具体的な対処を行うことが重要であるとのことでした。東日本大震災時の病院との連携については、災害対策本部内に保健医療班が設置され、病院情報や怪我人や避難弱者の情報を集約しました。各部門に置かれた調整者が市町村本部と情報を連携するルートが確立されると各方面の専門家と連携した適切な対処が可能になるとのことでした。また、救援物資の物流においても物資ニーズの収集、調達、入出荷、配送というサイクルの中で需給の一致をさせていくためには、情報集約と連携が重要であると説明をされました。災害への備えとして訓練を行う場合には、訓練目的や主要訓練項目(訓練で何を実現するのか)を設定し、想定状況、編成、評価を具体化することが訓練効果を上げていくために必要とされています。決まった流れに沿うような展示的な訓練から、訓練者に状況判断をさせるような訓練がより現実に即しているということでした。

 

 三浦先生と楢崎さん

 

 講演ののち、豊平区在宅ケア連絡会三浦常任顧問幹事と豊平区在宅ケア連絡会グループホームグループの楢崎幹事より、関谷先生へ質疑応答、ディスカッションが行われました。豊平区在宅ケア連絡会のような地域団体の役割についての質問に対しては、まず組織の特性、能力を踏まえた上で、具体的役割を作っていくことが重要だとコメントをされました。

また、平時より組織の各部門との連絡網の確認、地域の意思決定機関である市町村の窓口の確認をしておくことが災害時に活きてくる、といったディカッションや、意思決定機関の指揮統制の元に行われる陸上自衛隊の被災地への支援活動や、平時に行う状況判断を含む訓練についてのディスカッションが行われました。最後の質疑応答では、豊平区在宅ケア連絡会堀元常任顧問幹事からの自衛隊災害救護活動の労を労う質問が有り、国防を担う自衛隊としての大変心強いお言葉を頂きました。関谷拓郎先生には大変お忙しい中貴重なご講演有難う御座います。衷心より深く感謝申し上げます。最後に、豊平区在宅ケア連絡会、幹事役員、ボランティアの皆様さん大変お疲れ様でした。

 

 

座長 

    ・豊平区在宅ケア連絡会 常任顧問幹事

            三浦内科循環器クリニック 院長 三浦先生

    ・グルーホーム幹事

            ごきげん福住 楢崎様

総合司会 

    ・豊平区第2地域包括支援センター森本所長

 

開会挨拶

    ・歯科医師会 豊平区担当

              西岡南土谷歯科 院長 土谷先生

 

終礼(一本締め)

    ・豊平区在宅ケア連絡会 常任顧問幹事

              旭町医院 院長 堀元先生

                    

 

  介護保険外事業所グループ 当日システム音響(BGMPPPC担当

                         (株)ラップサービス 斉藤 暁

 

本部事務局 広報幹事