皆様、こんばんは。
料理家&クリエイターの豊田亜紀子です。
ご訪問ありがとうございます。
連日の猛暑・・・本当に暑いですね。
今日はさすがに喉を潤してくれるおいしい冷製スープが無性に飲みたくなったので、じゃがいもの冷製スープである『ヴィシソワーズ』を作りました。
この『ヴィシソワーズ』なんですが、フレンチレストランで出されることが多いのでほとんどの方々がフランス料理だと思っていらっしゃるんですよね。
確かに、多くのフレンチレストランの夏のメニューにヴィシソワーズが供されます。
私自身も20代の頃、軽井沢の某ホテルのフレンチレストランでいただいたヴィシソワーズの味に感動し、その味をしっかり覚えて家に帰ってから再現レシピにしたほどでした。
しかしながら、この『ヴィシソワーズ』はアメリカ発祥のレストラン料理なんです。
そのルーツをご説明しましょう。
ニューヨークのリッツ・カールトンのシェフ『ルイ・ディア(Louis Diat)』が1917年ホテル屋上レストラン『ルーフ・ガーデン』のオープンに合わせて考案したのがこのヴィシソワーズだったのです。
ヴィシソワーズは、アメリカ・ニューヨーク発祥のお料理なんですよね。
ルイ・ディアはフランスのヴィシー出身のシェフで、フランスでのお母さんとの思い出をスープとして形にしたかったんだとか・・・
心温まるエピソードですよね。
本来のヴィシソワーズはじゃがいもとポロネギの組み合わせなんですが、ポロネギが手に入りにくい日本においてはじゃがいも、玉ねぎ、セロリという取り合わせで作られることが一般的です。
今日はそんな『ヴィシソワーズ』のレシピをご紹介致します。
アメリカンフレンチ
『ヴィシソワーズ』
<材料4人分>
●じゃがいも 2個
●玉ねぎ 1/2個
●セロリ 1/2本
●バター 15g
●水 1カップ
●固形コンソメ 1個
●塩 小さじ1/4
●こしょう 少々
●牛乳 200ml
●生クリーム 50ml
~仕上げ~
●万能ねぎの輪切り 適量
●生クリーム 適量
<下準備>
①じゃがいもは皮をむき、1.5㎝四方にカットします。
②玉ねぎは皮をむき、薄くスライスします。
③セロリは皮をピーラーでむき、白い部分のみを薄くスライスします。
<作り方>
1.鍋を中火で熱し、バターを投入して溶かします。
2.1に下準備②③を投入して少ししんなりするくらいに炒めます。(この時、茶色くなる手前で次の工程に移って下さい。スープの色が悪くなる原因になります。)
3.下準備①のじゃがいもを加えて炒め、水と固形コンソメ、塩、こしょうを加えて蓋をして20分ほど煮込んだらそのまま冷まします。
4.3をミキサーに投入して、牛乳と生クリームを加えて蓋をしてスイッチを押して攪拌します。(この工程はハンドブレンダーで行ってもOKです。)その後、ボールに移して冷蔵庫でしっかり冷やします。
5.4をグラスに注ぎ入れ、仕上げに生クリームを中央部に円を描くようにかけてから万能ねぎの輪切りを散らします。
<ポイント>
(※1)セロリは隠し味になりますので省かないで下さい。
(※2)仕上げに万能ねぎの輪切りを散らすことで本来のヴィシソワーズの材料であるポロネギ(リーキ)に近い風味が味わえます。
20世紀のアメリカで作られたスープとしては最も世界中に知られるようになったスープです。
さすが、多国籍民族国家である『アメリカ』ですね。
じゃがいもに含まれるビタミンCは熱に強いので、このような冷製スープにすることによって美肌効果がうれしい美容食にもなりそうです。
今夜は家族全員が思いがけなく出された冷製スープを涼し気に飲んでおりました。
暑い夏に冷製スープを供することは最高のおもてなしになりますね。
ヴィシソワーズは疲れた脳をリフレッシュさせてくれる冷製スープです。
皆さんもアメリカ・ニューヨークの『リッツ・カールトン』の屋上レストランにいる気分で、ぜひともこのアメリカンフレンチの冷製スープ『ヴィシソワーズ』を味わってみて下さいね。