皆様、こんにちは。
料理家&クリエイターの豊田亜紀子です。
本日はまずフレンチレストランのコース料理の前菜の後のスープにも出せそうな『さつまいものバニラヴィシソワーズ』のご紹介です。
この記事は主にフレンチレストランのシェフの皆さんに見て頂きたいという気持ちで書いています。
ヴィシソワーズというのは本来じゃがいもやリーキで作る冷製スープのこと。
フランス語では【Crème Vichyssoise Glacée】 となります。
『素材を炒めてからブイヨンを加えて煮て、裏ごしして生クリームで伸ばし、冷やす』というのが基本的な工程です。
このレシピが広がったことによって現在では様々な野菜のヴィシソワーズのレシピが紹介されています。
今日私がお話するのもそんなレシピの1つであると解釈して下さい。
私自身は普段の生活の中で時折フレンチレストランでお食事をする機会があります。
そんな折に幾度となく、さつまいものスープをいただいたことがありました。
紫芋の場合はもともと素材に強い甘味があるので気にならないのですが、このいわゆる普通の『さつまいも』の場合、どうも味気ないと感じてしまう・・・
そのことがずっと気になっていたのです。
そんな問題点を解決したいと思い、作ったのがこの『さつまいものバニラヴィシソワーズ』。
このスープの良いところは前菜の後のスープにも使えるし、ワンプレートのデセールあたりにも使えるんじゃないか、という点です。
甘味を抑えることで両用にすることが出来ると思います。
シェフによっては、メイン料理の前にバニラビーンズを使うのは良くないんじゃないか?とおっしゃる方もいらっしゃるとは思うのですが、私自身はほんのり香る程度に使えばOKなのではないかと思っています。
『客人として』という見解をお話しすれば、このようなスープを出されたら私をはじめとする女性は皆、うれしいと思うのではないかと考えています。
今までちょっと味気ないと考えていたフレンチレストランのさつまいものスープをこんな風にしていただけるとうれしいなというご提案です。
レシピを記載しますのでぜひご参照下さい。
さつまいものバニラヴィシソワーズ
<材料2~3人分>
●さつまいも 1本(280g)
(※このレシピでは鳴門金時を使用しています。)
●玉ねぎ 1/4個
●バター 5g
●水 200ml
●固形コンソメ 1/2個
●牛乳 250ml
●生クリーム 50ml
●塩 少々
●バニラビーンズ 1/2本
<下準備>
①さつまいもは皮をむいていちょう切りにしてたっぷりの水にしばらくさらしてからザルにあげます。
②玉ねぎは皮をむいて薄くスライスします。
③バニラビーンズはさやを半分に切り開いてから種子をナイフでこそげ取っておきます。
<作り方>
1.鍋を中火で熱し、バターを溶かして下準備②の玉ねぎを炒めます。
2.1に水、固形コンソメ、バニラビーンズの種子とさやと投入し、下準備①のさつまいもを投入して5~10分ほど煮込みます。
3.さつまいもが柔らかくなったら火を止めて牛乳と塩を加えます。
4.ブレンダーで3を攪拌します。
(※粗熱を取ってからミキサーで行ってもOKです。)
5.最後に生クリームを加えてよく混ぜ、冷蔵庫でしっかり冷やしてから器によそり供します。
<ポイント>
(※1)生ものになるので長期保存は不可です。
基本的にヴィシソワーズと記載している通り、冷製スープとしてレシピ開発をしましたが、さつまいもの濃度を上げれば温製スープとしても行けると思っています。
とにかく、私自身がフレンチレストランで飲みたいスープということなんです。
女性の心をくすぐるフレーバーになっていると思います。
フレンチシェフの世界はおのずと男性が多いと思うのですが、多くの場合フレンチレストランの客人は女性ですよね?
女性というのは男性とは嗜好が違うものなのです。
確かに客人が男性の場合は、おそらく、メイン料理の前にバニラビーンズを香らせると怒る方々もいらっしゃるかもしれません。
ですから、女性限定のランチメニューなどで出して頂けるとうれしいです
・・・ということで、今日はフレンチシェフの皆さんへのリクエストとしてこのレシピ記事を書かせて頂きました。
フレンチシェフの皆さん、どうぞ宜しくお願い致します。
そして、皆さんもぜひ作ってみて下さい。