私のキャンサーギフト3つ目は、たくさんの病院スタッフさんたちとの出会い。
入院中の病室には、昼間担当の○○です~、夜担当の○○です~、といってたくさんの看護師さん達が入れ代わり立ち代わり来てくれた。外来でも、行くたびに色々な看護師さん達にお世話になる。彼ら彼女らの献身的なお仕事ぶりには、本当に感銘を受けている。

皆さん忙しそうにお仕事をされているのに、何気ない会話の中にもユーモアがあって、痛みで個室にこもっていた私にとって、看護師さん達とのスモールトークは楽しみの一つだった。

 

ある若い女性看護師さんとのスモールトークは、今も印象に残っている。

「手術の前、3人の看護師さんに頑張ってもらったのに点滴の針が全然はいらなくて、最終的に麻酔科の先生が『ちっ、しょうがねーなー!』って入れてくれたんですよ~」という話をしたら、

「そんなこと、患者さんの前で言わなくたっていいじゃないですか、ねー?」

と言って、まるで私の身内のように憤ってくれた(笑)さらに、

「手術室は、麻酔科医の城なんですよ。執刀医よりも、麻酔科医の方が偉いんですよ」

と、そんなこと教えてくれていいの?というような、手術室の中の組織構造を教えてくれた(笑)

また当時、私の内出血が体の左半分から腰の方にまで広がっていたので「なんだか遠山の金さんみたいでしょ?」と言ったら、若い彼女には遠山の金さんがすぐにはピンとこなかったようだったが、すぐに理解してくれて、

「子供たちが言うことをきかなかったら、それをバッと見せて言うこときかせたらいいんじゃないですか?」

と機転の利いた返しをしてくれた(笑)

 

私の入院した病棟の看護師さん達はとても連携が取れていて、朝のうちに「夜になったら眠剤をだしてください」とお願いしておくと、夜の担当の方がちゃんと持ってきて下さる、という具合で、引継ぎがしっかりなされているのにも関心した。

なので、術後直後の痛み以外には、結局ナースコールを一度も押す必要もなく、とても気持ちよく過ごすことが出来てありがたかった。

もう入院しないで済むと嬉しいけど、感謝の気持ちを伝える機会があれば良いのに、と思う。