『荒魂』古本屋でこのタイトルに目が止まり読むことに成った。
石川淳氏が有名なのか、どんな作家なんて全くわかりませんでした。
1899年/明治32年・3月7日生まれ
1987年/昭和62年・12月29日(没)
大東亜戦争後(第二次太平洋戦争)の混乱の中、坂口安吾や太宰治と同じく社会への批判精神から無頼派と呼ばれた作家の中に石川淳氏が存在していたとの事です。そして、昭和の文学を支えた一人でもあります。
【ストーリー】
主人公の佐太は、生まれた日は死んだ日だった、という紹介をされます。
人並み以上、それ以上の生命力を持つ佐太は、口減らしのために生まれると直ぐにリンゴの木の下に埋められてしまいます。
人並み以上、それ以上の生命力を持つ佐太は、口減らしのために生まれると直ぐにリンゴの木の下に埋められてしまいます。
穴から這い出て異常な位の大声で泣き叫び
父親はさらに頭を殴ってさらに深く埋めますが、またもや這い出て来るのです。
やむなく育てることに成るのですが…
父親はさらに頭を殴ってさらに深く埋めますが、またもや這い出て来るのです。
やむなく育てることに成るのですが…
姉二人を犯してしまい、兄三人を見下ろして佐太の言うことを何でもさせてしまいます。
そして、父親は自分が埋められたリンゴの木の下に埋めてしまいます。
バイオレンス、狂気なのか…そして、時代背景の経済や企業まで出てきます。
後半は何が何だか…これが文学なのかと思ってしまいます。
石川淳氏の世界がマニアックでもあり、めちゃくちゃな所も…まだ自分の理解力では納得出来ない部分が多々あり、この作品は三島由紀夫氏に似ている所もあるような気もしましたが…
そして、主人公の佐太を荒魂だと言えるのか、自分にはそう思えないと感じる…
荒魂(あらみたま)は和魂(にぎみたま)と対をなす概念で、荒ぶる神を表します。
人の心は四つの魂から出来ています。それをまとめているのがひとつの霊(直魂)であると言う意味です。
直魂がこの四つの魂を動かしているのです。
【四つの魂】
荒魂あらみたま/勇
和魂にぎみたま/親
幸魂さちみたま/愛
奇魂くしみたま/智
この『勇』『親』『愛』『智』は、魂の役割、機能のようなものです。
この四つがバランス良く保ち調和することにより完全な形に成ります。
人の魂には欲、お金、目先の事は一つも無いです。「勿論、この星はお金がルール、最低限必要ですけどね…」
『この現世はもしかしたら、現実(リアル)の世では無いかも知れないとこの頃は感じます。まぁ、人は最後に(魂)でわかるときが必ず来るんだけどね(笑)…』
統 要/トウヨウ