みなさん ご存知でしょうか?
ステンレスには大きく分けて二つのカテゴリーがあります。
ひとつは、冷間圧延材と言って表面がつるつるしているステンレスです。 これは板厚0.05mmくらいから6.0mmまでの商品があります。通常、調理器具やキッチン製品、お風呂、水回りに使用されるのはこの冷間圧延材です。
銀色でつるつるしています。
これを鏡面にするのはさほど問題がありません。
簡単に様々なグレードの鏡面にすることが可能です。
冷間圧延材(NO.2B)を鏡面化して紅葉を写しています。
それに対して熱感圧延材、通称 NO.1(HOT材)は構造用に使用されるステンレスです。 屋外の工業用タンクや水門、プラントの部材など強度と耐久性の必要な箇所に使用されます。
板厚は3.0mm以上が標準で大きなものは50mmや60mmのものまであります。 重さも1枚が5トン等、とても重たい材料です。
冷間圧延材と大きく違うのは熱感圧延材は肌がごつごつしているところです。 酸化被膜(不働態被膜)が厚くついており、きれいな平滑面を出すのには相当削らなくてはなりません。
この材料の鏡面化は結構大変です。
特に、熱間圧延材を切断するにはレーザーやプラズマといった装置を用いて溶断するので切り口は結構ガタガタです。
例えば、このようなものです。
切り口が波かしわのようにがたがたしてます。
切り口でない宇平面もお世辞にもつるつるではありません。
この切り口を鏡面化すると
このようになります。
映り込み(解像度)は、切断口のガタガタをうまく調整することにかかっています。
手順的には
①粗取り研磨
これでガタガタをある程度消してしまいます。
注意点は研磨筋を入れないことです。
また、斜めに面がダレ無いように気を付けねばなりません。
②下地調整研磨
粗研磨で出来た素地を平滑に調整します。
この段階では光沢はないのですが、出来るだけ平坦に行います。
機械加工でやって頂けるならば、①-②はあっという間に終わります。
③仕上げ前研磨
機械加工でも、研磨加工でもツール目が残りますので、鏡面化する際にはそのツール目が残留して解像度や映り込みを悪くします。
したがって、鏡面化前にそれらの不具合ポイントをすべて除去します。
④仕上げ研磨
最終仕上げです。
硬い研磨体を用いて初期段階は研磨します。
出来るだけ、表面粗さを均一になるように、偏らないように作業します。 その後、中間作業を経て最終の本鏡面加工となります。
本鏡面加工は手でもできないことはないのですが、ちょっと技術がいります。 平面で平滑にするには機械のほうが好ましい工程です。
きれいに研磨するとステンレスはどんな状態でも必ず美しく光る金属です。
素材がガタガタでも、傷があっても、不具合は消し去ることが出来るのが、ステンレスの良いところです。
しかしです。
熱間圧延材の鏡面化工程が長いことがお分かりいただけたと思います。 よってお値段が結構します。
出来るならば、素材の段階で行うと機械による作業となるので、品質面も価格面も有利です。
製作する前に一度お問い合わせ頂けると良いかもしれません。
おl気軽にどうぞ・・
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