オートバイが好きな人には、チタン製マフラーが、排気ガスの温度で、だんだんと酸化膜が付いてきて、虹色に変化していく様がたまらないそうです。
うまい走り方をしていると、酸化膜のつき方がかっこよくなうそうで、バイクが好きな方が、その色を見れば、ライダーの腕前のうまい下手が分かるそうです。
さて、そんなオートバイ好きの方がご興味頂けるお話しです。
少し前に、弊社にお勤め頂いておられた、若い社員がいらっしゃいました。 非常にモータースポーツが好きな方で、是非、自分の買ったばかりのステンレスマフラーをチタンカラーにしてほしいと言って、自分でコーティングを行いました。
→心のきれいな方で、当時発生した震災のお手伝いがしたいとのことで退社されました。
元気にやっているかな?
この技術は、以前ご紹介した、”イオンプレーティング”という、真空中でチタンをイオン化して電気の力で、ぶつけてコーティングする技術です。
→→→ イオンプレーティングって
つまり、
ステンレスマフラーの上に、チタンの薄い膜をコーティングするので、外面はチタンになるのです。
さらに、チタンをコーティングするときに、虹色になる酸化被膜と同様の組成でコーティングすると、ちゃんと、チタンカラーになってくれます。
では、今元気にやっているとうれしいんですが、当時の社員Sさんのコーティング奮闘記です。
新品の買ったばかりのステンレスマフラー
18万もしたそうです。
コーティング装置にセットします。
コーティング開始!
装置から取り出すと
さて、バイクに取り付けて
拡大します
こうやって、ステンレス製のマフラーはいかにも、チタン製に変身してしまいました。
ちょっと、つやつやしてますけど。。。そこはステンレスらしい
ステンレスは輝きが他の金属では表現できないほど、平面が出たり、滑らかだったりします。
そんなステンレスも真空技術でチタンに変身。。。と言いたいところですが、金属をよく知っている人が見ると、このように、均一な酸化膜形成を自然の排気温度で行うなんて事は、出来ない事は
一目瞭然でございます。
バイク好きに分かる、走りとチタン色の見極め。
金属屋だからわかる、酸化膜とコーティング膜、そして、素材の見極め。
それぞれ、見方が違いますが、楽しいですね。
変身したつもりでも、正体がすぐ暴かれるステンレスも愛嬌があって、いいと思いませんか?
※2022.2.3追記
このブログ記事をたくさんの方に読んでいただき、お問合せも多く非常に嬉しいです。
ただ、このマフラーへのイオンプレーティングは当時の社員が「自己責任でやリマス!」ということで、堆積した事例です。
マフラー内部には触媒も入っています。 真空中でのチタンコーティングですので、触媒への影響も懸念されます。 そういう事情で受託での作業は今の所行っていません。
弊社がオートバイの知見やマフラー構造や機能を理解できれば対応できるかもしれませんが、今は事業的にそちらの方の開発を行なっていないので申し訳ございません。
金属化粧にご興味を持っていただきありがとうございます。
かわりに、モダンカモフラージュのチタンマフラーはあります。
ご検討ください。
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