続けて 西川美和カントク作品
＜永い言い訳＞ ですっかり掴まれてしまったので
ずっと気になってたかつての話題作も拝見
兄と弟と、それを取り巻く人々の心の揺れが丁寧に描かれていた
香川照之さんのお兄ちゃんは、本当にスゴイ
ほんのちょっとした表情やしぐさ・声のトーンで
お兄ちゃんの人柄や、弟に対する想い、これまでの人生すべてが見えてくるよう
これはサスペンスなんだろうか イヤ人間ドラマだと思う
西川カントクの旧作とか、是枝裕和カントクがプロデュースしてるのあったりして
物語の紡ぎ方とか・積み重ね方とか、同じ系譜だなと感じる部分もありつつ
決して亜流じゃない、西川節 が確立されている
個人的に印象に残ったのは
拘置所の中でラジオ体操をするお兄ちゃん
【拘置所の中の稔】 という程度のト書きになっていそうな
本筋には影響のない、あってもなくても良いようなワンカットだけれども
事故だったのか・事件（≠殺人）だったのか―― わからない状況で
すごく真面目にラジオ体操する様子は、そのイイ人感に妙にゾッとするというか
そういう表現の仕方をしてくる監督の才能に、震えるというか…
吊り橋というシチュエーションを選んだことも、素晴らしいし
私は兄弟いないけれど、長子なので、お兄ちゃんに近い
オダギリジョーの弟くんも、とても良かった
東京に染まってめっちゃチャラいけど
ラストシーンの 「兄ちゃん―！」 ていう叫びは
完全に幼い頃の呼び方だったよね
