【ファシスト党の新提案】原子力ムラのムラ祭りを反原発のポスターで埋め尽くせ! | 我々少数派

【ファシスト党の新提案】原子力ムラのムラ祭りを反原発のポスターで埋め尽くせ!

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 昨年(2012年)末の「原発推進派懲罰遠征」(九州各地で「コイツは推進派だな」って候補者を10人ほどピックアップし、1人につき1日ずつ街宣車で追い回しながら「いま前を走っている誰々サンは原発推進派でーす!」と道行く人々に告知してあげる運動)は、事前に想像してた以上に実際やってみると面白く、反響も上々で、全国の心ある(orない)反原発派の諸君の喝采を浴びた。
 行動のいちいちが、単に革命的であるのみならず、人民を熱狂させるものでなければならないという、ファシズム運動のお手本のような実践だったと云えよう。
 さて次の大きな選挙である参院選が近づいている。
 愛すべき無邪気な人民は、日本が世界に誇るべき「九州ファシスト党・我々団」が、また何か痛快なことをしでかしてくれるのではないかとワクワクしているに違いない。
 が、そういう「お約束」を風のようにあざやかに振り払うのもまたファシズム運動の骨法である。
 我々ファシストは、善良ではあるが固定観念からは自由になれない人民には思いもつかぬようなことを、軽いノリで(あるかのように)唐突に提示してみせたりなんかしちゃったりして、偉大さの何たるかを見せつけてやらなければならないのである。人民がうすうす期待しているようなことをその通りにやってあげるだけではファシストは務まらない。「次は都知事選じゃなく衆院選とかに出てほしいなあ」という人民の安易な期待を裏切って、いきなりアメリカ大統領選に立候補してみせたりするのがファシズムの達人の達人たる所以なのである。

 当然我々は、参院選なんぞには目もくれず、まったく別の作戦計画を胸に秘めて、このところその準備に追われていた。それが実現した暁のまた人民大衆の喜ぶ顔が目に浮かぶようだった。それは「原発推進派懲罰遠征」をさらに上回る、我々ファシスト以外の誰にも思いつかないアクロバチックな反原発運動となるはずであった。
 結論から云えば、実現の可能性が潰えたので、そのアイデアだけ提示することにする。
 もちろん我々はこれを九州でやる計画だったが、べつに九州でなくともやれる内容なので、アイデアはともかく志のある諸君は今後どこかで実現を模索してみてほしい。
 では、さっそく……。

 我々が目をつけていたのは、おそらく(早期解散とかしなければ)9月におこなわれる佐賀県・玄海町議選である。云うまでもなく、九州電力玄海原子力発電所が建っている、“原子力ムラ”である。
 昨年末の「懲罰遠征」でも、この玄海町を含む佐賀3区に足を伸ばしたが、自民党と共産党しか立候補者がいないような人外魔境だった。原発というのはそういうあらゆる意味で不毛の地を狙って建てられるので、仕方がないと云えば仕方がない。
 もちろん我々も選挙に真剣な関心があればこんな土人集落に目をつけたりしない。選挙や民主主義を心の底から軽蔑し、愚弄し、嘲笑し、たまに冗談半分で引っかき回して愚か者どもを右往左往させて笑い転げるのも大好きな我々ファシストなればこそ、こんなヒドいことを思いつきもするのである。

 まず、首長(知事や市町村長)選挙と国政選挙(衆院選と参院選)以外の選挙(県議選と市町村議選)に出るには、その自治体に住民登録していなければならない。つまり玄海町議選に立候補するには、玄海町民にならなくてはいけない。それも直前に移住して立候補することはできない。少なくとも選挙の3ヶ月前までには住民票を移しておかなければならない。
 9月後半にあるだろう玄海町議選に立候補するためには、したがって6月前半のうちには玄海町民に身を落とさなければならないのだが、想像がつくとおり、要するにこれが不可能と判断して我々は今回の計画を断念したのである。現地にファシスト党の工作員を派遣し、調べてみたところ、そもそも玄海町には一般向けの賃貸物件がほとんどなく、しかも数少ないそれらも現時点ではすべて満室、貸し家も含めて空きが1軒もないのである。原子力ムラおそるべし。ガードが固いというか、つけ入る隙がない。
 むろん現地に反原発派の知り合いでもいれば話は別で、その人の家に住民票を移させてもらえばよいのだが、未だ左翼が主導権を握っている九州の反原発運動に対し、我々ファシストは長いこと深入りを避けていたせいもあって、充分に根を張れておらず、おそらく現地にも反原発派は少数ながらいるのだろうが、ツテはない。
 ちなみに住民票があっても居住実態がなければ、仮に当選したとしても当選無効とされる場合がある。だが我々は最初から当選する気などミジンもないのだからそれはカンケーがない。また、オウム事件以降この国は完全に警察国家、SFまがいの監視社会ディストピアと化しており、たかだか住民票をオモチャにしたぐらいのことで特にその者に政治的・思想的背景のある場合には平気で微罪逮捕したりするから厄介だが、それは覚悟すればいいだけの話だ。どうせ微罪だから最悪でも2、3ヶ月で釈放される。
 実は玄海町に1人だけ“知り合い”がいないこともない。我々の活動を熱心に注視している諸君にはわざわざ説明するまでもなく、ブログなどで一言でも「外山恒一」に言及すると、一目見ただけで胸くそ悪くなるような毒々しいレイアウトのポルノ小説まがい(もちろん私とその仲間や友人たちを誹謗中傷する内容である)のページにリンクを貼ったコメントや、ことによると同様の内容のメールが届くことがあるのだが、そういうことを1999年から、かれこれ14年間も休むことなく続けている変態ストーカー野郎が実は玄海町民なのである。その男・船岡俊輔37歳の家に勝手に住民票を移すことも考えたが、これをやると不当に(間違いなく不当だ)逮捕された場合に話がイタズラにややこしくなるので今回は勘弁しといてやることにした。
 とにかく我々は期限内に玄海町に住民票を移すことができないと判断して今回の計画を中止したわけだが、住民票さえ移せれば以下のことは全国各地(必ずしも原発現地すべてではなく、ところどころ)で可能だ。ヤル気のある諸君は、別のどこかの選挙でこれをやることを検討してみてほしい。

 ここからがいよいよ本題である。
 我々が単に原発現地で選挙に出て、お行儀良く原発問題を訴えて回るような眠たいことを考えていたはずがない。もっとオソロシイことを企んでいたのである。
 まず前提として、どうもあまり人民には知られていないらしい重要知識(選挙がらみのどーでもいい豆知識)をひとつ啓蒙しなければならない。
 実は町村議選に立候補するに際しては、あのケッタクソ悪い「供託金制度」が存在しないのである。
 つまり住民票さえあればタダで出られるのである。
 さあ我々が何を企んでいたのかそろそろ想像がついただろうか。
 そう。タダで出られるんなら何も私(or同志の誰か)が1人で立候補することはない。アパートでも借りて一気に10人ぐらい住民票を移して、その全員が立候補する方が面白いに決まっている。
 町村議選の選挙はたったの5日間ではあるが、場合によっては原子力ムラの選挙掲示板の半分ぐらいを反原発のポスターで埋め尽くすことができるのだ。むろんたぶん選挙公報も。タダで(笑)。
 大きな出費は住民票を移す先のアパートの賃貸料だけである。まあ他にポスター制作費もかかるが、町議選なんて掲示板の設置箇所は百もないから、カラーコピーで刷っても候補者1人あたり1万円かからない。
 選挙カーはあればあるに越したことはない。サウンドカーを用意できる各地の反原発派に協力を得られれば、立候補人数分の選挙カーも揃えられるかもしれないし、揃えれば揃えただけ、狭い原子力ムラを反原発サウンドカーで制圧し放題なのだ。
 仮に10人立候補したとすれば、もちろん全員が同じ切り口で反原発を叫ぶ必要もない。マジメに訴える候補者も何人かいた方がいいが、「てめーらの補助金中毒のせいで周辺はみんな迷惑してんだこの田舎モン! 非国民!」と村人を罵倒して回る奴がいてもいいし、同じ内容のことを泣き落としで切々と懇願して回る奴がいてもいい。云うまでもなく推進派町議ども、つまり我々以外の全候補者の選挙カーを追い回して懲らしめることもできる。この場合は昨年末の「懲罰遠征」と違い、いくら露骨に追い回して議論をふっかけて罵倒したりしても、こっちも正規に立候補してるわけで、このディストピア国家で唯一それなりに「言論の自由」を行使してよい機会となっている選挙制度に守られる立場であり、単なる「政策論争」として法的にも何の問題にもならない。おまけに国政選と違ってエリアが狭いので、たまに逃げられたとしてもすぐ再捕捉できる。しかも複数台でやればそれだけ徹底的に奴らを絞め上げられる。奴ら10人でこっち20人だったりしたらもう、奴ら推進派の天国であるはずのそこが地獄へと様変わりする5日間の到来だ。
 もちろん選挙結果をどうこうしようなどとは思わない方がいい。参考までに前回の玄海町議選の投票率は91%である。全部がっちり票固めされていて、“浮動票”なんかほとんどない。もともと選挙なんぞ土民どもの村祭りの類であり、我々洗練された都会人・現代人が関わり合いになるべきものではないのだ。結果など度外視して、原発利権まみれの極悪田舎議員どもとそのオコボレにあずかる取り巻きの土民どもを、チョー上から目線で思い切りコケにしてやる方が胸がスッとする。「彼らは私たち大都市の住民たちの大量消費ライフのツケを払わされている犠牲者なのだ」みたいなサヨクっぽい自己否定センスは、ヤマしい良心の慰めとして実は常に正義っぽい自分に酔いしれる役に立つだけで、結局は奴ら土人どもの役にさえ立ちはしない。

 とはいえ、あんまりやり過ぎると、全国の心ない反原発派の皆さんにはまた大喜びしてもらえるだろうが、心ある反原発派の皆さんには今度こそ怒られてしまいそうだ。我々はファシストなので、なるべく八方美人でいたいとも願っているのである。愛されるファシストでありたい。
 実は例えば玄海町のような人外魔境といえども、“脱原発”の町議は現在1人だけいる。云うまでもなく共産党である。カギカッコ付きで書いたのは、共産党なんぞ実際には脱原発派でもなんでもなく、88年に反原発運動が一瞬高揚した時にも「反原発派はトロツキストだ、ニセ左翼だ」とさんざん妨害をはたらいた札付きの原発推進政党であり、ところが福島の事故が起きたもんで急に慌てて選挙目当てで「脱原発」とかほざき始めた、自民党以下の極悪ゴロツキ政党なのである。
 だから仮に我々が現地入りして選挙戦を引っかき回したせいで、ただでさえ数少ない反原発票が割れて、そのたった1人の共産党議員が落選することになっても我々はまったく構わないどころか、フツーの推進派議員より極悪な共産党議員を完全消滅させるのは我々まっとうな反原発派にとってむしろ大勝利・大戦果でさえあるのだが、心ある反原発派の皆さんは善良でダマされやすいから共産党の「なんちゃって脱原発」にも結構ダマされているようで、極悪共産党に具体的に打撃を与える我々のせっかくの正義の闘いが理解してもらえず、「オイコラ何てことしやがる!」と大顰蹙を買ってしまうのは、できるだけ八方美人でいたい我々としてはとても不本意である。
 そこで妥協策として我々が考えたのは、仮に10人立候補するとしたら、その中から1人だけ、本気で当選させることを目指すということだった。マジメで社交的で政治家向きの(もちろん極悪の共産党とは無縁な)反原発活動家を、10人のうち1人でいいから混ぜておく。その候補(仮にAさん)にだけは、当選しても当選無効になったりしないように、ただ住民票を形式的に移すだけでなく、本当に選挙の3ヶ月以上前から現地で生活してもらう。10人で(必然的にやり方も、あからさまに土民どもを罵倒するのはやりにくくなるので、それはギリギリの線に抑えつつそれなりにバラエティに富んだ話法で)それぞれに反原発を訴えて、ただし10人中9人は、「もし原発はもうイヤだと思っているなら、私にではなくAサンに投票してくれ」と付け加える。ちなみにこれは合法である。自民党議員どもが自民党のくせに「比例区は公明党へ」とか云ってるように、候補者は自分以外への投票を呼びかけてもいいのである。選挙ポスターや選挙公報にも、Aさん以外は自分の名前すら載せず、ひたすら原発の批判だけを書く。
 これなら全国の心ある反原発派の諸君にも怒られないだろう。実際おそらく共産党アレルギーは土民どもの唯一と云ってもいい数少ない美徳ではあり、「原発はイヤだが共産党はもっとイヤだ」という、その限りでは正しい判断をしている村人たちも結構いるような気もするのである。現時点では共産党に入れてしまっている哀れな村人も、可哀想に内心では「共産党はイヤだが原発はもっとイヤだ」と考えているかもしれない。
 原子力ムラのムラ祭りを反原発の呼びかけで埋め尽くす。推進派議員どもはどうせ落とせないにしても、懲らしめまくることはできる。一方で10人中1人ぐらいは共産党町議の選挙カーも追い回し、「このインチキ脱原発! 無節操! 原発反対を云うのはニセ左翼じゃなかったのか、このニセ左翼! ゴミ! クズ! ゴキブリ! 玄界灘にタータキ込めー!」と懲らしめてやればよい。それで却って我々に好感を持つ、共産党嫌いの村人さえあるかもしれない。「原発はイヤだが共産党はもっとイヤだ」と思ってた村人たちに選択肢を与え、「共産党はイヤだが原発はもっとイヤだ」と悲しい選択をしていた可哀想な村人にも救いの手を差し伸べて、極悪共産党はまた(初めて議席を得たのが前回か前々回らしい)めでたく議席を失い、代わりに本当の反原発議員が誕生、「反原発」派の議席が減るわけではないから全国の心ある反原発派の皆さんにも怒られることはなく、もちろん心ない反原発派の皆さんの笑いもとれ、我々としても憎んでも憎んでも憎み足りない極悪共産党に大打撃を与えることができて嬉しくて楽しくてしょうがない。
 うん。これで八方(残り二方は推進派と共産党)すべて丸く収まる。

 繰り返すがこの作戦は供託金制度のない町村議会議員選挙でしかやれない。したがって例えば九州では、同じく原発のある鹿児島県薩摩川内市ではできない。
 だが全国各地には、北海道の泊村もそうだし、市制に移行していない原発立地自治体はまだかなりあるはずである。“平成の大合併”それ自体はロクでもなかったが、原子力ムラの多くは補助金で潤ってるから周辺自治体とわざわざ合併しなきゃならない財政上の理由もなく、むしろ補助金利権をそれまでどおりオラがムラで独占するため合併話になんか付き合わなかったから、皮肉にも我々がつけ込む余地を残してくれている。
 玄海町と違って賃貸アパートもそこそこある場合もあろうし、現地の熱心な反原発派にツテがある人もあろう。
 我々が九州で今回やれなかったこの作戦、いつか是非どこかで実現させてもらいたい。

 原子力ムラの選挙掲示板を反原発のポスターで制圧する、そのことだけでも、結果的に1人議員を誕生させられようがさせられまいが、全国の反原発の同志たちのテンションを上げることにかなり貢献するのは間違いない。テンションさえ維持されていれば、またいずれ突破口は開ける。