水溶性食物繊維であるペクチンは、体内で水分を抱え込んでゲル状となり、胃腸内をゆっくり移動するため、血糖値の上昇をおだやかにする働きがあります。 また、胆汁酸やコレステロールを吸着し、体外へ排出しやすくする働きや便をやわらかくすることで便通を促す働きも期待されます
瀬野 晃好(せの あきよし) タキイ研究農場
近年、健康寿命の大切さが広く知られるようになり、人々の食に対する意識は高まり、「医食同源」という概念が再認識されています。食物が健康に与える影響の大きさが認識された現在を遡ること20年近く前からタキイは「機能性成分」に注目し、「ファイトリッチ」シリーズとしてさまざまな品種の開発に着手。オクラにもその特有の粘りに着目し、新たな機能性成分としてその可能性を検討してきました。
オクラ特有の粘りは高分子多糖体によってもたらされ、ペクチンといった成分が知られています。特にペクチンは水溶性食物繊維として、食事と同時に摂取すると食後の血糖上昇が抑制され、インスリンの分泌も抑制されるという研究結果も報告されています。
タキイでは通常オクラよりも粘りが強く、水溶性ペクチンの含量の高い品種を目標に育成を進め、このたびタキイ育成「ヘルシエ」と命名し、発表する運びとなりました。
「へルシエ」は通常オクラと比べ、3倍の粘りをもち、水溶性ペクチンは2倍含有するという品種です。外観も店頭で目を引くパステルグリーンの丸莢。「ネバオクラ」の青果名でぜひとも拡販いただきたい品種です。