長女とママのドタバタ漫談 其の壱 | パパは過労死寸前〜素朴のグルメ〜

パパは過労死寸前〜素朴のグルメ〜

娘2人に囲まれながら、2015年より小規模な会社を立ち上げて、日々、家事&仕事でフル回転中の男一匹34歳。糖質オフ本を制作したことにより半年で10キロ減に成功。毎日が締め切り的な業務で週に2日は帰れない……。そんな多忙パパの食日記&適当な徒然育児日記。

☆エレベーター密室サツジン事件☆








ママと娘たちのとある平和な帰り道。








これは、そんないつもと変わらない日常生活のなかで、突然やってきた悲劇である。










事件は某駅のプラットホームに上がるためのエレベーターのなかで起こった。









子ども連れでの電車への乗車にハプニングはつきもの。





車内の閉塞感に耐えられなくなったり、暇を持て余し飽きてしまいウダウダモードに突入したり、ひょんなことからウッカリお漏らししてしまったり……。







もちろん、そういったハプニングは、車内だけでなく、プラットホームだったり、エスカレーターだったり、改札口なんかでも起こりうる可能性がある。








そしてそんななかでも、特別危険区域として設定されるのが、エレベーターではないだろうか?













デパートのエレベーターでない限り、乗車時間はどんなに長くても数十秒。








普通に考えれば、いくら密室で閉鎖された空間とはいえ、特に大きな事件は起こるはずもない、誰もがそう思っているはずだ。


















事実は小説よりも奇なり。



















そう、世の中には予期せぬ事態など、いくらでも転がっているものなのだ。


















さて、本題に入ろう。












その日、百戦錬磨のカオスを経験してきた妻も、あまりに日常的なことだったので、特に何の覚悟もないまま、エレベーターに乗り込んだ。












長女はベビーカーに、次女は背中にオンブして。











と、同時に、彼女たちのあとに続いて、数人の乗客がエレベーターに乗り込んできた。












長女のテンションはなかなか高かったので、何かとあーだこーだしゃべり散らしている。










こういうとき、エレベーターの密室は恥ずかしくもあるが、意外と笑顔で「可愛いですね」と話しかけてきてくれる人なんかもいて、慣れてしまえばなんてことはない。











しかし、この日はちょっと事情が違っていた。














ドアが閉じて数秒後、どこからともなく、エレベーター内に不穏な臭いが充満し始めたのだ。












その臭いは、ほんの一瞬でエレベーター内全域を包み込み、乗っていた人たち全員がソノ臭いを確かに感じ取っていた。














妻はその臭いに耐えながら、エレベーターの上部を見上げ、プラットホームへの早急な到着を願った。


















そして事件は、エレベーターがゆっくりと動き出した瞬間に起こる。













突然、長女の声が密室空間に響き渡ったのだ。



































「ママ、オナラしたんじゃない?」






































「し、してねぇよ!!!!!!!!」

















長女の予想外の一言に焦りまくったママは、心の声ではなく、思わず全力で全否定のツッコミをいれてしまった。



















エレベーター内に流れる一瞬の沈黙。


















おそらく……いや、間違いなく、犯人はこの中にいる。



















つまり、ママが全否定してしまったことで、「犯人はママではない他の誰か」ということを、エレベーター内に告知してしまったことになる。















妻は後日、「数秒とはいえ、耐えなれないほど長い沈黙だった」と語っている。















そして、さらに悲劇なことは、追い打ちをかけるように、長女が容赦なくツッコミをいれてきたのだ。





















「ウソだぁ。ホントはしたんでしょ?」













やめてぇー、それ以上はもうやめてぇー!!!(パパの心の声)
















長女を見ると、セクハラオヤジもビックリするようなニヤけ顔でママに疑いの目を向けている。

























「○っちゃん、お、お願いだから、今は何も言わないで」




















ママはあまりの恥ずかしさに大赤面しながら、ただただ時が過ぎるのを待っているしかできなかった。













そして、同様にホシも心のなかで恥辱に耐え、必死で自分ではないフリを決め込んでいたことだろう。
















長女も空気を読んだのかそれからは特に口を開かない。















時間にしてほんの数十秒の出来事だ。

















永遠とも感じられる時を経て、犯人は誰か明らかになることなく、エレベーターのドアは開くことになる。




















充満していた臭気が解放されると共に、乗車していた人々も一斉に散り散りになっていった。
















そして、彼らの後ろ姿を追いながら、名探偵長女が一言こういった。






















「やっぱりママだったんじゃない?」














































photo:01



fin.


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