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              富永一樹と紹介彼女の恋愛事情

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

「 カッキ 朗報だ ! 」
「 誠司 いきなりなんだよ、」
「 真美が お前に女の子を紹介してやるってよ 」
「 おお それはそれは ありがたき幸せでございます 」
俺の名は 富永一樹 車のウィンドー越しに 今話しているのが
ダチの木村誠司で そんでもって誠司が今付き合っている
彼女の名前は坂口真美である
「 真美の友達だから おしとやかタイプじゃねーとは思うが 」
「 なんでも 一人っ子の箱入り娘って話だぜ 」
「 だかんなー 来週の日曜日
        四人でフリマに行くから 其のつもりで居ろよ 」
「 わかった 真美ちゃんによろしく言っといてくれよな 」


そんなこんなで ワクワクしながら日曜日を待った

其の日は 誠司の車に俺も乗り込んで
途中で真美ちゃんと謎の彼女を拾って
      フリマに出かける手はずに成っていた
待ち合わせの場所に車を横付けすると
               手はず通り 既に二人が待っている
おっ、メガネっ子だ フェチではないが好みである
二人はさっさと車の後部座席に乗り込むと
真美が俺に紙切れを渡しながら
「 此の子は籐崎由美子ちゃん そしてこいつがカッキこと富永一樹 」
「 はじめまして 」と俺は軽く会釈をした
後部座席の彼女もまた「 はじめまして 」と返す
真美から渡された紙には
彼女の名前と住所・自宅の電話番号が記されていた
(  あれ 携帯ナンバーは無しか?
        う~ん しょっぱなからごちゃごちゃは言えねーなー  )
(  やっぱ 初顔合わせだから警戒されてんのか?
           それとも自宅番号は踏み絵なのかな  )
そんなことを思いながら 紙を眺めていると 真美が
「 カッキもプロフィール書いて渡すのよ 」
「 あっ ごめん 今書くからちょっと待ってて 」
一応 基本的な事はメモるつもりで 紙とボールペンは用意していた
俺は一字一句を丁寧にかつ 事細かに書き終えると
後ろを振り向いては
「 よろしく! 」と彼女に手渡した
フリーマーケットでは それぞれカップルに別れて行動したのだが
彼女との間隔は人一人入れる距離を保ったまま
出店品を見ては「 これ かわいいね 」などと言う程度で
               気の利いた会話も出来ないまま歩き回った
(  くーぅ なにやってんだ俺 これじゃ彼女に嫌われちまうぞ  )
自分を持て余している処に
しばらく遠くから俺たちを観察していた 誠司と真美が歩み寄る
真美は彼女を連れ 俺は誠司に連れられ少し離れた位置で話し込んだ
「 すまん せっかくお膳立てして貰ったのに 何にも話せねーでやんの 」
「 彼女に嫌われないように もう祈るしか手立てがねー 」
「 おまえなー ここは マメ男くんの押しの一手だぜ 」
「 がんばれ ! 」そう言うと 誠司は俺の背中をバーンと叩く
俺はとうとう最後までこれと言ったことも無く
                只不安な気持ちを抱いたまま
近くの駅から 帰路につく彼女を見送る 結果と成ってしまった
彼女の姿が見えなくなると 早速のように真美ちゃんに聴き質してみる
「 彼女、俺の事なんて言ってた 」
「 別に取り立てたことは 聞き出せなかったけど 付き合ってみるってさ 」
「 えっ ほんと 今日はつまんないとかは 言ってなかった 」
「 誠司 俺 次はどうしたら良いのかなー 」
「 俺に聞くな ! さっきも言ったろ マメ男くんの押しの一手だって 」
「 おまえが 動かなきゃ どうしようもねー じゃねーか 」
「 ああ 危ういがまだ希が有るなら 縋り付いてみるしかねーな 」
俺は 翌日仕事を終えると
        意を決し 彼女の住所を頼りに自宅の場所を調べ
自宅近くのコンビニまで車を走らせると
        其処から彼女の自宅に恐る恐る電話を掛けた
[ トルルー トルルー ] 三人家族だと聞いているから
彼女が電話に出る確率は三分の一 もしくはそれより低いかもしれない
「 はい 籐崎ですが 」 ビンゴ ! どうやら親父さんの様である
「 富永と申しますが 籐崎さんのお宅でしょうか 」
「 はい そうですが 」
「 籐崎由美子さんは ご在宅でしょうか 」
「 はい 少々お待ちください 」
心臓がバクバクいって 保留メロディーが小さく聞こえる
「 はい お電話代わりました 由美子です 」
「 あっ 富永ですが 近くのコンビニ○○店判ります 」
「 ええ 判ります 」
「 今 其処に居るんですが もしよかったら
        お茶でもご一緒できればと思いましてお電話しました 」
「 ・・・ 」
「 はい わかりました 暫く待って頂ければそちらに伺います 」
俺は車越しに ぼんやりと周りの風景を眺めながら 彼女を待った
と、誰かが俺の背中を突っく
「 こんにちは 」「 ちょっと 待たせたかな~ 」
手を後ろに組んで 上目遣いに見つめる彼女は
昨日とは容姿が がらりと違っていた
眼鏡は掛けていないし ワンレン・ヘアーがポニー・テールに変わり
服装も巻きスカートにレース使いのジレといったものから
紺のボーダー・カットソーにジーンズといったかんじで
ショナ ショナから ケロ ケロってもんである
「 えっ メガネはどうしたの 」
「 コ・ン・タ・ク・ト 」
( それは判るんだけど 俺の聞きたい所は今の格好は
  イメージ・チェンジなのかレギュラー・スタイルなのかって所なんだけど )
「 とりあえず 近場で
     何処か落ち着いてコーヒーでも飲める所 知ってる? 」
「 近くに コーヒーだけでもOKのステーキ・ハウスがあるわよ 」
「 じぁあ 其処にしようか 」
彼女を助手席に乗せて
指示どうりに車をしばらく走らせた所に その店は有った
店内に入ると 俺たちは少し奥まったテーブル席に向かい合って座り
( コーヒーだけじゃ 間がもたねーなー )
「 由美子さんは ここのお店にはよく来られるのですか 」
「 そんなには 」「 いままでに何度か来た程度です 」
「 じゃあ ここのオススメって 何か有りますか 」
「 ベーシックなステーキ・セットが十分オススメです 」
「 僕は夕食が未だなんですが 由美子さんは? 」
「 私も夕食は未だ採ってないです 」
「 もしよかったら
     このステーキ・セットを二人前オーダーしてもいいですか 」
「 え ええ 」
「 あっ 御家の方に食事を済ませて帰る旨を連絡してください 」と
携帯を差し出す
「 あっ いいです 自分の携帯を持って来てますから 」
彼女が携帯を取り出すと同時に 俺は素早く
「 もしよかったら 携帯番号の交換をお願いできますか 」
「 は はい 判りました 」 ピッピッピピピッ
(  しゃー 携帯番号ゲット ! 順調、順調  )
トルルルー、トルルルー、トルルルー
「 あっ、お母さん
   今○○ステーキ・ハウスに居るんだけど 食べて帰るから、それじゃ 」
( 俺の手前 なんだか会話が短かった様な気はするが )
「 由美子さんは真美ちゃんとは 長いんですか? 」
「 う~ん 三ヶ月ぐらいかな 」
「 真美さんとは 同じイベント食堂でのアルバイトで知り合ったの 」
「 今は そのアルバイトも終わって
         今は週四回クレィシスでエレクトーンを教えてます 」
「 クレィシスって ? 」
「 トランペットからドラムまで楽器全般を教えるミュージック・スクールなの 」
「 富永さんは どういうお仕事をなさっているんですか? 」
「 あっ 一樹と呼んでもらえませんか そしてもし恋人成れたら カッキと 」
「 僕はアパレルの営業・配送をしています 」
「 真美ちゃんに言わせれば 呉服問屋の丁稚ふぜい らしいですが 」
「 趣味は今のところ 車とスケート・ボードに耽ってます 」
「 自宅近くの緑地公園に ナイター設備のあるボード場が有って
             大抵はそこに 昨日一緒に居た誠司とつるんでます 」
「 私の方は 時間が許す限り バンドの練習に明け暮れてます 」
「 一樹さんは 音楽か楽器について興味は 」
「 もっぱら J-POPを聴く位のもので 楽器はまったくダメなんです 」
「 よかったら一度 バンドの練習を見に来ませんか 」
「 えっ いいんですか 」「 それならば 是非ともお願いします 」
「 直ぐには無理ですが リーダーの了承を貰ったら連絡しますから 」
「 ありがとうございます それはそれとして
          ところで 紅葉の季節ですから
             来週か再来週にでも三千院に行きませんか 」
「 ええ 行って観たいですね 」
「 本当ですか それならば予定を決めましょう 」
「 日にちはいつが良いですか 」
「 私としては 来週か再来週の土曜日がいいです 」
「 じゃあ 来週の土曜日の
   時間は現地までの片道所要時間1時間半として
    朝9時に先ほどのコンビニで待ち合わせということで良いですか 」
「 はい わかりました 」「 その日がとっても 楽しみです 」
(  お~っ デートの約束まで決めたぜ 偉いぞ俺 )
その後は
彼女の音楽談義を聞きながら食事を済ませると
自宅前まで彼女を送り 家路に着いた

デート当日は 天候にも恵まれ 晴れ渡った晩秋の空が広がっている
約束の9時より少し前に コンビニに車を乗り付けると
既に彼女が待っていた
今日の彼女のスタイルは
黒のスパッツに淡い模様のロング・セーターにピンクのダウンといった
服装以外は
前回 共に食事した時の容姿とは 格段の違いは見受けられない
「 待たせちゃいました? 」
「 いいえ そんなことは無いですよ 」
「 じゃあ 行きますか! 」
「 はい 」
カーステレオには
無難所のポピュラーのオールディーズを
MP3で150曲ほど仕込んでおいた
(  まっ、幾らかは移動時間の合間を埋めてくれるだろう )
京都市内手前で渋滞に引っかかった
「 すこし 裏道に入りますね 」
「 此の車カーナビが付いてないようですが 道、判ります 」
「 大丈夫です 日ごろ仕事で走り回っている分
               道に関しては詳しく成りましたから 」
予定より 若干 現地到着が遅れたものの
10時前には三千院にたどり着いた
駐車場は 思いの外混んでおらず すんなりと車を駐車場に止めると
直ぐ脇に 三千院への案内と参道が見て取れる
( 今日の俺の課題は彼女と手を繋ぐ事にある
            その為に坂道の多い此処 三千院をチョイスした )
参道を暫く歩けば 彼女の足取りが落ちて
        その時手を繋ぐ好機が遣って来ると考えていたのだが
参道の半分まで来ても 彼女の健脚は健在であった
( 作戦変更 )
「 由美子ちゃん~ ちょっと待って 」
そう云いながら 俺は疲れた感じで右手を出し示す
彼女は思わず 俺の右手を掴んだ
俺は次に 左手の親指を立ててグッド・サインと満面の笑顔を彼女に送る
「 えっ なに・・・ 」
「 ヘヘヘ 由美子ちゃんと手を繋ぎたかったんだあ~ 」
「 あら そうなの 」
彼女はこのペテンに あっけらかんと答え
手を振り解く事もしないでくれた
手を繋いだまま 参道を上がって行くと
アイス・きゅうりと書かれた看板が眼に留まる
「 これって 何だろう 」「 由美子ちゃん 知ってる 」
「 うん~う、知らない 」彼女は首を横に振って見せた
「 買って見様かー ! 」
店の人に二本注文しすると
一樹の手に渡された物は
胡瓜の浅漬けを一本づつ串に刺した物であった
その一本を彼女に手渡すと
彼女は胡瓜の先の方から少し口に入れ「 美味しい 」
俺も続いて 胡瓜をかじって見る「 うん 意外といけるかも 」
少しお行儀が悪いと知りつつも
参道の端に寄って 二人して浅漬けを食べ尽くした
本院の山門を潜り 本殿の中に入ると
案内のお坊さんが 今日は絶好の紅葉狩り日和と説いていた
庭園を見た後に 宝物殿の脇を通り抜けると
杉木立の下は 一面 苔に覆われている
木の立て札に わらべ地蔵と書かれていた
よぅ~く 見ると こんもり盛り上がった苔の中に顔がある
「 由美子ちゃん あれ
      あそこの盛り上がった所に かわいいお地蔵さんが居るよ 」
「 あっ ほんと これを見るだけでも来た価値があったわね 」
「 ほんと ほんと 」
二人は手を繋いだまま 暫し 叙情的な此の風景に見入っていた
次に石段を登ると 別院が在り
その前では緋毛氈を敷き詰めた椅子で 抹茶が振る舞われていた
二人並んで 緋毛氈の上に腰掛けて抹茶を頂いたが
気分のせいか苦味など感じない
改めて近くで 由美子ちゃんを只見つめてしまう
「 ん、なに 」「 うん べつに 」「 なんなのよ~ 」
「 うん 君に見とれてただけ 」
「 臆面も無くハズイこといぅわねー 」
「 うん、ハハハハハ 」「 フフフ、フ 」
三千院を後にして 参道を降りるとの寂光院案内板が有った
「 由美子ちゃん 寂光院にも行って見る、
       途中で食事が出来るところが有れば食事するつもりで 」
「 ええ すこし休憩出来れば 休憩したいと思っていたの 」
寂光院への縮小地図を頼りに歩き出したのだが
思いの外 寂光院のある場所は遠かった
中々辿り着けない目的地を前に
余程 引き返そうかと口を開きそうになる俺に
「 少し遠いみたいね でも 絶対見に行ってやるわ 」
( あれ 結構意地っ張りなとこがあんのかな )
「 おっ、 見えた あそこじゃないのかなー 」
少し歩くと 要約 寂光院の門前が見え 更に眼を移すと
寂光院の向井側に
湯豆腐と懐石料理と書かれたお店を見つけることができた
「 由美子ちゃん さすがに疲れたっしょ 」
「 此処で休憩してから 寂光院を拝観するとしましょうか 」
「 ええ 賛成 」
お店のテーブルに着くと 俺は早速メニューを指し示し
「 何が好い 」と聴くと
「 少し軽めの物が良いわ 」という返事が返ってきた
「 それじゃあ このミニ湯豆腐セットなんかどうかなー 」
「 美味しそうね それでいきましょ 」
寂光院への道行きで すっかり時間を使い切った為
拝観後は帰路に着く時間が差し迫ってくる
帰りの道行きは
由美子ちゃんの足取りもさすがに重いように見えたが
「 今日は楽しかった 」と自分を励ますように 俺に話しかける
車の有る駐車場に辿り着くと
先程歩いて来た道の空は 赤い夕焼け空に変わりつつあった
帰りの車中では 由美子ちゃんの口数もめっきり減り
俺は少々スピードを上げて帰路を急ぐ
やがて 由美子ちゃんの自宅に着いた頃には
陽はどっぷりと落ち 暗くなってしまっていた
彼女を車から降ろすと
バックシートから袋に入った小振りの荷物を取り出し
「 これ おみやげ 」「 えっ 私に? 」
参道で彼女が小物雑貨のお店に入った隙に
買い求めた菓子折りである
「 家族の方とご一緒に食べてくださいね 」「 ありがとう 」
( よし! マメ男君 好感度 1up )
「 今日は歩き回り過ぎたけど
         これに懲りずにまたご一緒できればと思ってます 」
「 一樹さんも運転疲れたでしょ 今日は本当に楽しかったわ 」
「 今日はゆっくり休んでくださいね 」「 またね、お休みなさい 」
「 おやすみなさーい 」
彼女が家の中に姿を消すまで 俺は小さく手を振った
( 少し疲れさせたみたいだけど
        またデートに誘っても答えてくれるのかなー )
次のデートの計画はと あれこれ思い悩む日々を過ごしている内に
彼女からメールが届いた
[  来週の火曜日 午後11:00バンドの練習があります
          ご都合はいかがですか連絡をお待ちしております  ]
すぐさま 俺は 電話を掛けた
「 由美子ちゃん 俺の方は全然大丈夫ですから
               是非練習を見学させてください 」
「 はい 判りました
        又 いつものコンビニで当日の10:30頃に待ち合わせましょ 」
バンドの練習場所は雑居ビルの立ち並ぶ一角に有り
車を近くのコイン・パークに止め その場所に入って行くと
其処はコンクリート張りの何も無い空間にいくつかの楽器が置かれ
センター位置には マイクが二本立っている
ベース・ギターを抱えた長身の男性がこちらに向かって歩いて来た
「 リーダー ! この前話した この人が富永一樹さん 」
「 一樹さん この人がバンド・リーダーの吉田訊さんです 」
「 はじめまして 吉田訊と言います 俺達メジャーを目指してますが
        今のところイベント廻りが主な活動なんで 応援ヨロシク 」
「 あっ どうも 富永一樹です
      今日は皆さんの練習を拝見出来ると聞き やって来ました 」
「 お邪魔でなければ
    是非とも隅の方で結構ですから 聞かせていただけますでしょうか 」
「 いえ いえ
    一人でも観客が居るだけでテンションが上がるってもんです 」
「 是非とも 正面の位置で聞いていて下さい 」
「 一樹さん 此処に座って居てね 」
由美子は折りたたみイスを
       マイクより少し離れた正面に置いて 一樹を促す
「 お~い 皆始めるぞー 」
バンドのメンバーは女性二人と男性三人の計五人の構成の様である
最初はベーシックなコーヒー・ルンバから始まり
オリジナルらしきスローな曲から
徐々にアップ・テンポな曲に移行していった
演奏を続ける中で 時折 由美子ちゃんが
ボーカルに加わる ツイン・ボーカルの曲も有った
又、演奏途中で何度も同じセッションを繰り返しやり直すのだが
俺には彼らの言うところの 音のズレなど聞き取ることは出来なかった
約三時間程度の練習を終え 由美子ちゃんが駆け寄ってくる
「 お疲れー 」
「 一樹さん 退屈じゃ無かった 」
「 そんな事無いけど それより 由美子ちゃん、ボーカルも遣るんだ! 」
「 パートはキーボードなんだけど 最近チョコチョコ絡ましてもらってるの 」
「 だから 此処の所
    同じクレィシスの声楽の先生に付いてお勉強中ってとこ 」
「 そうそう 一樹さん 今度、神戸に行かない? 」
( えっ 唐突に彼女からのお誘い びっくりしたー )
「 来月 北野異人館の近くでイベントの予定が入ってるから
                        下見を兼ねて行ってみたいの 」
「 ねえ どうかな 私のお弁当付きと言う事でお願いできるかな 」
( 断る理由なんて無いっしょ お弁当、お弁当、うれしいな )
「 俺は全然OKだけど 中華街とか王子動物園なんかも行って見ようよ 」
「 ええ いいわねー ところで一樹さんの好きな物って何か有る 」
「 う~ん キンピラ・ゴボウなんか好きだなー 」
( しまったー お弁当にキンピラ・ゴボウってのは 少し間抜けな答えかも )
「 じゃあ うんと美味しいキンピラ・ゴボウ作らなくっちゃ 」
「 ほんと 楽しみにしてて良い! 」
「 そんなにプレッシャー掛けないでよ 」
・・・


今日の空は薄ぐもり いつもの様にコンビニで待ち合わせて
阪神高速に乗って 一路 神戸に向かう車中での話題は
                     由美子ちゃんのイベント・トークであった
メリケン波止場に有る駐車場に車を止め 徒歩で中華街に向かった
「 あっ 並んでる 並んでる
     ショウロンポー買ってくるから ここで待っててくれる 」
「 ええ 」
「 美味しいって評判だから 俺も食べて見たかったんだー 」
今日は後で お弁当が控えているから
    二つだけ買い求めて由美子ちゃんの元へ
「 あちちち 」
「 中の肉汁がけっこう熱いから気を付けて食べた方がいいよ 」
中華街は結構な人出であった
俺は人通りを背に由美子ちゃんを庇う様に立って居た
「 人波に酔いそうだね 」
「 そうね、一樹くん、迷子に成らないでね 」
「 迷子札付けとこうか !? 」
「 それより 僕の手をぜったい離しちゃ嫌だよ 」
中華街を一回りして 車に戻ると既に駐車場は満車状態で
三台ほどの車が入り口付近で待っていた
「 少し早めに 家を出て正解だったね 」
「 そうね 一樹くん 次は何処に行く予定かな 」
「 あっ 由美子先生 次は北野異人館に行って
           その次に王子動物園でお弁当にして下さい 」
「 はい、解りました
   私たちが出るのを待っていらっしる車がおります
                            早速、出発致しましょう 」
「 では、では そのように 」 
キュル キュル
俺の車は神戸の坂道を上がり やがて道沿いにある
        三台ほどの駐車スペースだけのコイン・パークに車を止めると
「 ここの横に有る 細い路地を上がれば 風見鶏の家が有るんだよ 」
「 けっこう穴場の駐車場を知ってる 俺って偉い? 」
「 えらい、えらい 」
異人館の通りはポイントが点在している為か 人ごみと言う様な事は無かった
由美子ちゃん達のバンドが 来月イベントを行う予定の広場では
今日は大道芸の人たちが パホーマンスを行っていた
六甲山から時折吹く風は 背筋を少し冷やす感じがして
俺たちは三軒程度の異人屋敷を見終わると車へと戻った
「 お嬢様 次は王子動物園でよろしゅうございますか 」
「 うん じいに任せる 」
「 はい 左様に それではお車をお出し致します 」


俺が通り抜けるつもりの道は
途中で工事中だった為 左折したのをきっかけに
次々と 一方通行に出くわし
等々、王子動物園を通り過ぎ 動物園の山側に出てしまった
( 道に詳しい振れ込みの手前
        迷ったのがバレちまわねーかドキドキだぜ )
「 由美子さん そろそろ お昼時だから 園内でお弁当を頂けますか 」
「 ええ そうしましょうか 」
「 お茶は買っときますか 」
「 いいえ 水筒の中に暖かいお茶も持参しています 」
門を潜り 俺達は植え込みの斜面にあるベンチでお弁当を広げると
少し大きめのタッパーに 小振りのおむすびが整然と並び
そして もう1つのタッパーには
卵焼き、定番のタコさんウィンナー、白和え、キンピラ・ゴボウが入っていた
「 私の手作りですから
       味はともかく 毒は入ってないから 安心して食べてね 」
「 白和え、からキンピラ・ゴボウまで 手間掛かったでしょう 」
「 ええ 徹夜しました つって、 嘘ですけどね 」
「 美味しそうですね、早速 頂いて良いですか 」
「 キンピラ・ゴボウの味付け、
      少し濃いかもしれませんから 今 お茶を入れますね 」
「 ありがとうございます
    そんなに濃くも無いです 十分完璧で美味しいですよ 」
楽しい、楽しい食事を終わり 俺達は手を繋いで園内を散策した
キリン舎では、目の前までキリンの顔が迫ってくる
レッサー・パンダは寝ぼすけなのか
     穴ぐらに入ったまま 何処を探しても見つけられなかった
楽しい時間は あっという間に経ち 直ぐに帰宅時間を迎えてしまう
今回は 前回の反省を踏まえ 残念ではあるが
疲れを貯めない内にと早々に引き上げた
由美子ちゃんの自宅前に彼女を降ろすと 俺は
「 次回は 六甲山でも行きませんか 」「 ええ また連絡を入れます 」
「 じゃ また今度 」「 連絡待ってマース 」
由美子ちゃんから待望のメールが届いたのは
それから三日後の事であった
「 いつものコンビニで待っています 逢えますか? 」
俺は次のデートの日程などに考えを巡らせながら
待ち合わせ場所に向かった
待ち合わせのコンビニ前では 既に彼女が来ており
小さく手を振りながら俺を迎えてくれる
「 車の中で お話、いいですか 」
「 あっ ごめん 外は寒いよね 」
「 で、六甲の予定なんか決めて置きますか? 」
「 そのお話ですが 」「 ごめんなさい 」
「 え、なに 」
「 じつは・・・ リーダーに・・・ コクられて・・・ 」
後に続く言葉は 俺の耳には入ってこない
いきなりの死刑宣告である・・・
「 じゃぁ 私行くね 」
彼女は車のドアをそっと閉めると 足早に帰っていった
車の中では 振られ男が ただ呆然と暫くの間
車の天井を見つめるだけであった
・ ・ ・
誠司の部屋に居た 俺の顛末の事後報告の為である
「 お前 それって 当て馬にされたって事じゃん 」
「 今回は 運が無かったと すっぱり諦めるしかねーな 」
真美が口を挟む「 カッキ元気出しなさいよ、こんな事慣れっこでしょ 」
「 全然 慰めになってねーし 」





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             富永一樹と看護師彼女の恋愛事情

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

営業を終え ショッピング・モールのテナント店から出ると 声を掛けられた
「 すみません、今何時頃ですか? 」
俺は ビジネス・バッグから 携帯を取り出すと
「 今、午後五時四十二分に成りました 」
「 あっ 」
彼女は小さな声を漏らすと 顔を赤らめながら
「 ごめんなさい 此方のお店の方じゃ無かったんですね 」
そう言うと 何度も会釈をしながら 足早に出口に向かった
( しまった!
   せっかく女神様が微笑んで下さっていたのに
                     前髪を掴み損ねちまった )
・ ・ ・


( 数日後 )
「 誠司、おまえのバイク貸してくれ 」
「 そんなに慌てて どうしたんだカッキ 」
「 俺の客から クレームが入っちまったから
                大至急謝りに行かなきゃなんねーんだ 」
「 今日はおまえ 休みなんだろ 」
「 そうもいかねーのが 営業の辛いとこだ
       早めに処理しねーと 出入り禁止も有るからな 」
客先のクレーム内容は 納品数量が足りないとの事で
「 明日にでも納品いたします 」と頭を下げ 要約 けりが着いた
ほっと 胸を撫で下ろした帰り道
    一方通行の狭い路地で 行き成り 脇から猫が飛び出して来た
ギャギャギャー、
 ・ ・ ・ 
ピポー、ピポー、ピポー
「 左の大腿骨、綺麗に折れてますね 」
「 はあ・・・ 」
「 明日、手術をしましょう 」
「 えっ 如何するんですか? 」
「 大した事は有りません
     ボルト二本で骨を固定する 二時間程度の手術です 」
「 ですから 入院して頂いて
    明日までベッドの上で脚を吊って 固定して居て頂きます 」
ストレッチャーで病室に向かうと
救急から連絡を受けた母が 既に荷物を整え待っていた
「 母さん 救急から電話を貰った時 最初何の事だか解らなかったわよ 」
「 無茶、しないでねー 」
「 ごめん 心配掛けて 」
「 電話で、 父さんも後で 顔出すって言ってたわ 」
足りない着替えを取りに もう一度家に戻ってくると言い残し
母が病室を出ると 入れ替わるように 看護師が入ってきた
「 富永さん 脚、吊りますねー 」
「 あっ 」 ・ ・ 「 あっ 」
「 確か 吉岡の妹の 琴子ちゃんだっけ 」
「 カッキ先輩、私の名前 覚えて居てくれたんですか? 」
「 ああ 俺、昔っから 人の名前を覚えるのは得意だったからな 」
「 私、今年から此処で働いているんですよ 」
「 へ~ 未だ新人さんなんだ
   初々しくはあるけど ほんと 任せて大丈夫? 」
「 大丈夫ですって、
     私のサポートはベテランの美咲主任が控えてますから 」
「 あっ 丁度 主任が来た! 」
「 富永さ~ん 」
俺は目を見張った
( 女神様ありがとうございます またおいで下さったのですね )
俺は素早く腕時計を見る様な仕草を作り
「 今、午後五時四十二分に成りました 」
「 何言ってるんですか カッキ先輩、もう六時を回ってますよ 」
「 琴子ちゃん 此の人と お知り合いなの? 」
「 カッキ先輩は 私のお姉ちゃんと同じ高校の人で
         当時、サッカー部のツー・トップで活躍してたんですよ 」
「 美咲主任こそ どうしてカッキ先輩とお知り合いなんですか? 」
「 ええ 顔見知り程度のちょっとした経緯が有るのよね 」
俺は彼女のフルネームを知りたくて
彼女のネーム・プレートをまじまじと見つめては
「 美咲恵子さんですか 此方で働いていらっしゃったんですねー 」
「 富永一樹と申します お世話に成ります 今後ともどうぞよろしく 」
「 いいえ こちらこそ その節は失礼いたしました 」
「 私、美咲と吉岡が 富永さんの担当をさせていただきます 」
「 御用の節は 枕元のナース・コールを押してくださいね 」
「 琴子ちゃん 後は任せて大丈夫ね 」「 はい、主任 」
俺が 脚を吊るされている最中 誠司が見舞いにやってきた
「 カッキ、骨折ったって聴いたけど 元気か! 」
「 おぅ 誠司すまん お前のバイクこかしちまった 」
「 気にすんなって、取りに行ったが
     擦りキズだけで 別に壊れた所は無かったぜ 」
「 そうだったのか 警察がわざわざ届けてくれる訳ねーもんな 」
「 手間掛けたな 本当悪りー 」
「 あー、 ツー・トップの片割れ! 」
「 誰だ 」
「 お前覚えてねーのか、マネージャーの吉岡の妹の琴子ちゃんだよ 」
「 そうか 吉岡の妹かー 」
「 吉岡・妹、物は相談だが
    この彼女のいない カッキと付き合っちゃ貰えまいか 」
「 ダメですよー カッキ先輩 どうやら美咲主任狙いみたいですよ 」
「 そうなのか? カッキ、お前も目聡く成ったなー 」
「 誠司、褒めてくれるか 」
「 おぅ 格段の進歩だぜぃ 」
その夜は 脚を吊り下げられている所為で
居心地が悪く 中々寝付けなかった
朝方、琴子ちゃんがやって来ては「 富永さん 剃毛しますね 」
彼女のイントネーションからは
明らかに面白がっている節が見受けられた
「 嫌だよ 恥ずかしいじゃねーか 自分で遣るよ 」
「 脚を吊ってるのに そんな事出来る訳無いじゃないですか 」
「 私が嫌なら 美咲主任と代わって貰いますね 」と
言い残しさっさと病室から出て行った
( しまった 嵌められたかもしんねー )
しばらくすると 美咲さんが足早にやって来ては 声を掛ける
「 富永さん 剃毛しますね 」
美咲さんは 有無を言わさぬ雰囲気を醸し出し
俺のトランクスを手際良く下ろす
俺は股間に手を当てたまま 怯えた仔犬の様に成すがままで有った
剃毛が終わると 続いて肩に筋肉注射を打たれた
「 もう暫くしたら 手術室に行きますから 」
手術室では 執刀医と助手の二人が待機しており
背中を丸めて打つ腰椎麻酔は結構痛かったが
「 富永さん、メスを入れます 痛かったら言って下さい 」
「 どうですかー 」「 はい 大丈夫みたいです 」
俺の目の前はシーツで覆われている為 様子を伺う事はできないが
 カン カン カン ギューン
手術と言うより 大工仕事の様な音が聞こえる
・ ・ ・
「 富永さん 終わりましたよ 」
医師は レントゲン・モニターをこちらに向けると
手術内容を説明しだした
成る程 当初の説明どおり
   俺の脚には 二本のボルトが横向きに埋め込まれていた
「 松葉杖で歩ける様に成るのは 後三ヶ月程度掛かります 」
「 4~5ヶ月で骨が確り定着したら ボルトを抜きましょう 」
入院生活は実に退屈なものであった
唯一の救いは 美咲さんと顔を合わせる時間だけなのだが
彼女はある程度の質問には答えてくれるが
終始、事務的な態度で俺をあしらう
必死のリハビリの末 約二ヵ月後には通院治療に扱ぎ付けた
その日は 外来受診を済ませ
投薬までの待ち時間のうちに 入院病棟に顔を出し
ナース・ステーションに居た 美咲さんを見つけた俺は
彼女を食事に誘ってみた
俺はさほどの期待は抱いてはおらず 何度でも誘う心積もりであったが
彼女はあっけなく承諾してくれたのである
「 仕事の終わる 6時半頃に 正門前で待ってて 」
郊外のレストランでも と考えていたのだが
美咲さんの希望で近くの炉端焼きの店に入る事と成った
此の日の彼女は実に雄弁で
大部屋ではしょつちゅう 室温やテレビの音量の事でトラブルがある事
整形外科では稀だが
内科などで患者を看取るのはストレスが大きいと嘆くのである
俺は努めて彼女の聞き役に回り 時間を過ごしたが
ラスト・オーダーの頃には 彼女の酒量もけっこうな物になっていた
彼女をマンションに送り「 お休みなさい 」
「 また付き合って貰えるなら 連絡ヨロシク! 」と携帯番号を渡す
ドアを開け 中に入った彼女が 小さくて招きをする
俺は( お茶でも御馳走して貰えるかも )と
淡い期待を抱いて中に入って行くと
彼女は行き成り 俺の腰に手を回し
強く抱きしめながら子供の様に泣き出してしまう
( なんだよ、泣き上戸なのか? )
開け放たれていたドアを左手でそっと閉め
彼女のおでこにそっと口付けた
その刹那 彼女は俺を両手で突き放す
「 どうして ?? 」
「 わ、私ね HIVキャリアなの 」
そう言い放つと彼女はその場に泣き崩れた
俺は一瞬 少したじろいでしまったが
泣き崩れる彼女の姿を見つめる内に
( 一人では抱えきれない程の悩みを背負ってるんだ )
俺の内から彼女に向かって 溢れんばかりの愛しさが沸き起こる
「 医学の進歩は日進月歩 
     明日にでも特効薬が出るかも知れないじゃないか 」
だが 俺の発する言葉は 彼女の周りを風の様にすり抜ける
意を決して 俺は彼女を強引に抱きかかえ 部屋の中に入って行った
彼女の部屋は 小奇麗だがほのかな薬の匂いが漂い
病院に居る様な錯覚さえ覚える
部屋の中に有った ロー・ソファーに彼女を横たえると
俺はその傍に腰掛け
初めて出逢った時の印象そのままの 彼女の長い黒髪にそっと手を当て
彼女が落ち着くまで 子供を慈しむように 何度も静かに髪を撫でた
病院では いつも肩肘を張った印象しかない彼女だが
今日は緊張の糸が切れてしまったのか
いままで見た事の無い あどけない表情を映し出していた
その日はそのまま 彼女の部屋で一晩中 彼女の傍らで時を過ごした
朝方 いつの間にか眠り込んでしまった俺に
「 富永さん 起きて 夜が明けたわ
    ありがとう 昨日は取り乱してごめんなさい 」
「 取り乱して当然の事だろ 僕こそ 
        君の重荷を少しも軽く出来ない 無力をつくづく感じてる 」
「 君は同情からだと思うかもしれないが僕は真剣だから
               僕と交際する事を前向きに考えてほしい
そして ふたりぽっちでもいいから 君と一緒に生活がしたいと思っている 」
「 イエスかノーの選択は君の自由だけど 返事だけは必ずして欲しい 」
「 ええ 返事は必ず・・・ 」
其の時に 確かに携帯番号は渡したはずなのに
二週間経っても彼女からの連絡が無い
焦れた俺は 外来日に勤務病棟に赴き 彼女を探したが何処にも見当たらない
( 今日は お休みの日だったのか )と 帰ろうと振り向くと
向こうの方から琴子ちゃんが 足早にこちらにやってくる
( 丁度いい 琴子ちゃんに聞けば 彼女の居場所が判る )
「 先輩、琴子、なんて言っていいか、元気出して下さいね 」
「 えっ 何の事 」
「 えっ、何の事って、亡くなった美咲主任の事に決まってるじゃないですか 」
俺は一瞬 全身の血の気が引くのを感じながら
「 彼女とは二週間前に会ったきりで いくら待っても連絡貰えないから
               今日は もう一度会えないかと思って此処に来たんだ 」
「 そうだったんですか 私も突然の事で右往左往したんですが
     主任、劇症肝炎で突然亡くなったと 後から聞かされて更に驚きました 」
俺の意識の中で ただ波打ち際に佇んでいる様な 無味乾燥な虚無感が広がっていった
「 俺、帰るわ、」
夢遊病者の様な足取りで 帰っていく一樹の後姿に向かって
琴子はペコリと頭を下げた


誠司の部屋に居た、
「 カッキ、元気出してね 」
「 俺、薄情だと思われるかも知んないけど
         自分でもびっくりする程 凄く冷静で落ち着いてるんだ 」
「 誠司 もし、私が突然死んじゃったら如何する? 」
「 次を探す・・ 嘘、 嘘、 真美の事想って 自慰行為に耽ってやるさ 」
「 カッキ~ 私、こいつと別れる! 」
「 その方が キズ浅いかもな 」
「 何言ってんだ 俺は真美一筋だけど 
     最近 富にあざとく成った カッキは
        もう次に 吉岡・妹の事、絶対狙ってんぜ 」
「 幾らなんでも それ程 図太い神経は持ち合わせちゃあ~いねーよ 」





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           富永一樹と販促彼女の恋愛事情 
 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

                   ( 妹 )   

カチャ、
又、此処に来てしまった・・・
「 どちらさまですか? 」
振り返ると そこには 小麦色に日焼けした美咲さんが立って居た
「 美咲さん? 」
「 はい、美咲ですが あなたは? 」
「 恵子さん? 」
「 あの~ 恵子は私の姉で 私は美咲萌ですが? 」
「 あっ、そっ、そうですよね 恵子さんが居る訳無いですよね 」
「 姉の知り合いの方ですか? 」
「 あっ、すいません 取り乱してしまって 」
「 僕は 富永一樹と申します 」
「 あの お姉さんから 僕の事は聴いてませんか? 」
「 ええ 何も? 」
「 そうですか じゃあ せめて御線香を手向けたいのですが 」
「 恵子さんの御位牌は御両親の所に? 」
「 いえ、姉の血縁者は 私ひとりなんです 」
「 ですから 姉の位牌は 私の部屋に・・・ 」
「 う~ん 一人暮らしの女性の部屋に上がり込む訳には往かないな~ 」
「 女性同伴なら お宅にお邪魔しても構いませんか? 」
「 あっ、貴女のお時間の都合が良ければですが 」
「 ええ 姉のお知り合いの方でしたら
         断る理由も有りません 是非、お線香を挙げて下さい 」
「 ご自宅の方は どちらでしょうか? 」
「 ××駅の近くですが 」
「 少し 待っててもらえますか
   今、同席して貰う女友達の都合を聞いてみますから 」
トルルルー、トルルルー
「 あっ、真実ちゃん 今日、今から時間空いてる 」
「 カッキ 私はヒマしてるわよ なにか有るの? 」
「 実は 今から美咲さんに会いに行こうと思って 」
「 えっ 何、後を追うつもり! 」
「 違う、違う、お線香を挙げに行くから 同行して欲しいんだ 」
「 そっかっ、変な言い回しするから びっくりしちゃったわよ 」
「 うん、でねっ、今から君ん家に寄っても良いかなあ 」
「 判った 何時ごろ来れる 」
「 二・三十分も有れば 行けると思う 」
「 じゃ 待ってるからね 」「 うん、」
「 萌さん 今から僕の車でご一緒して頂けますか 」
「 途中で 同席して貰う友達も拾いますから 」「 ええ 」
真実のマンションの前に車を横付けすると
彼女は既に植え込みの前で座り込んでいた
「 ごめん 待たせたかな~ 」「 随分待ったわよ、つって ウソ、ウソ 」
「 このまま出掛けるから 後部座席に乗ってくれる 」「 うん 判った 」
バタン
「 アッ、初めまして 坂口真実です 」「 はじめまして 美咲萌です 」
「 美咲さんの妹さんだそうです よく似てっだろ 」
「 う、うん 」( そっかなー そんなには似てないと思うけど )
 ・ ・ ・
チーン
「 今日は 無遠慮に押し掛けてしまい すみませんでした 」
「 いえ、姉も喜んでると思います 」
「 本日は どうも ありがとうございました 」
「 しかし 唯一の肉親であるお姉さんが亡くなってしまい
                         心細い事も有るでしょう? 」
「 僕で良ければ もし困った事が有れば いつでも相談に乗りますから 」
「 良ければ メアド交換しませんか? 」
「 あっ 私も、私も 」
仏壇の前で携帯を突き合わす 三人の姿は なぜかしら 滑稽にも見えた


               ( 真実ちゃん )

ワイ ワイ、ガヤ ガヤ、
カラ カラ カラッ ・ ・ ・
「 萌ちゃん こっち、こっち 」
「 真実さん 待たせました? 」
「 私も 先っき来て 駆け付け一杯って所 」
「 ビールで良ぃ? 」「 ええ 」
「 マスター、生中一杯ねっ 」「 かしこまりました~ 」
「 此処のモツ鍋は 美味しいんだからー 」
「 私の一押し、まっ 食べてみて 」「 はい、頂きます 」
「 今日は 別に用事って訳じゃ無く
            一緒にご飯でもって思って 誘ったの 」
「 所で、萌ちゃんは 仕事、何してんの? 」
「 ハフ ハフッ、あ、私ですか 」
「 ××ビールの販売促進で 働いてます 」
「 ふ~ん 販売促進って イベントとか遣ってる あれ? 」
「 ええ、イベントなんかも遣りますが
     普段は担当の販売店を廻って 販促グッズを配ったり
          ゴールデン・コーナーの陳列に 明け暮れてます 」
「 ゴールデン・コーナーって? 」
「 人の目線の位置に商品を置けば 良く売れるって言われてて
各社の営業は 血眼に成って その場所に自社の製品を並べようと
他社の製品と場所を入れ替える 奪い合いに成っているんです 」
「 へ~ 毎日、イタチごっこを繰り返してる訳ね 」
「 おかげで 今日も六軒程廻って 腕がパンパンに 成っちゃてます 」
「 けっこう 大変なんだ 」
「 真実さんは 働いてないって この前 お聴きしましたが 」
「 うん、でもねっ 料理学校に通うだけじゃ 時間を持て余すから
                先週から 近くのコンビニでバイト始めたの 」
「 でも、近々結婚なさるんじゃ? 」
「 私は何時でもOKなんだけど 誠司の奴が中々煮え切らなくて 」
「 あっ、言ってたっけ? 私の彼氏がカッキの親友だって 」
「 富永さんから 伺ってます 」
「 萌ちゃんは 彼氏いるの? 」
「 全然、全く、皆無でしすねっ 」
「 でも、良いな~って 思う人は居ないの? 」
「 知ってる人の中で 強いて挙げれば 富永さん位かな~ 」
「 カッキの事 」
「 確かにカッキは良い奴だけど 厳しいわねっ 」
「 どうしてですか? 」
「 だって 貴方のお姉さんがライバルなのよっ 」
「 今でも カッキの奴、恋の夢遊病者って感じなんだから 」
「 だいじょうぶ 私って 粘り強いし、めげない性格だから 」
「 う~ん、其処まで言われると 私も
         貴方とカッキがくっ付いた方が
               良いのかも知れないって 思えてくるわ 」
「 うん、じゃあ 私も萌ちゃんに協力して 応援しちゃおう 」
「 本当ですか、約束しましたよっ 真実さん、」
 ・ ・ ・ 


               ( 逢いたいよ~ )

トルルルー トルルルー
「 はい 一樹です 」
「 誰ぁ~れだ 」
「 誰だ、つって 着歴見れば・・・ 」「 でしたぁ~ 」
「 萌でぇ~す、今 札幌に来てま~す 」
「 うん、仕事? 」
「 はい、今 イベントが終わって 此れからホテルに帰る所なの 」
萌は イベントホールに腰を屈め その長い髪を掻き揚げながら
携帯を自分の口元に 押し当てるようにして 話を続けた
「 こっちは 一面銀世界で とっても寒いです 」
「 富永さんは いかが御過ごしですか? 」
「 カッキで いいよ 」
「 こっちは相変わらず 寒いけど 雪は降らないな~ 」
「 じゃ、遠慮なく カッキ、」
「 寒いよ~、早く帰ってカッキに会いたいよ~ 」
「 ハハハハッ そんなに寒いのか じゃあ、帰って来たら
                    暖かいメシでも 奢ってやっから 」
「 えっ、本当、やったー 」
「 おいおい、そんなに大喜びする程の 豪華な物は出ねーぞ 」
「 いえいえ 萌は 奢って頂けるだけで 嬉しゅうございます 」
「 クシュン 」
「 あっ、長話して 風邪引いてもいけないから
                話の続きはこっちに帰ってからて事で 」
「 え~っ 萌は もっとカッキの声を聴いて居た~い 」
「 子供みたいな事言ってないで
          風邪を引かない内にホテルに帰るんだよ 」
「 は~い 」
「 うん、こっちに帰って来たら 都合のいい日の 連絡入れて下さい 」
「 暖かくして寝るんだよ 」「 はい、お・や・す・み カッキ 」
 ・ ・ ・


               ( チョコレート )

ブォロロー キィーッ、 ・ ・ ・ ウィーン
「 ごめん! 萌ちゃん 待った? 」「 いえ、そんなには 」
「 とりあえず 車に乗って 」
カチャッ・・バタン
「 一樹さん、今日は何をご馳走して頂けるんですか? 」
「 それは 着いてからの お楽しみと言う事で 」
一樹は 小締りとした料理店の駐車場に 車を止めると
「 ここが どの辺りなのか 萌ちゃんに解る? 」
「 え~ そんなの 解んないよ 」
「 答えは あそこに見える アパート 」
「 あれっ、あそこ あたしん家じゃない!? 」
「 正解、副賞として てっちりをご馳走致しましょう 」
カラカラカラ
「 すいませ~ん、予約を入れた 富永ですが 」
「 はい、伺っております 」「 どうぞ こちらへ 」
・・・
「 一樹さん、お財布の方は大丈夫なんですか? 」
「 可愛い、可愛い、
   萌ちゃんの為に奮発したんだから そんな心配しなくていいよ 」
カチャ カチャン 「 附き出しでございます 」
「 萌ちゃん、日本酒でも 如何~ 」
「 は~い、萌は お酒も売ってま~す 」「 そうか、メーカー勤めだっけ 」
「 じゃあ お姉さん、熱燗ひとつと 僕にはノンアルをお願いします 」
「 はい、承知いたしました 」
・・・
「 萌ちゃんの 札幌からの無事帰還に 乾杯~ 」「 かんぱ~い 」
「 今日は 沢山食べてよ 」
「 はい、可愛い萌は 遠慮なくいただきま~す 」「 アハハハハ 」
・・・
萌を送り届ける道すがら
萌は仔犬の様に 一樹の周りを
    あっちに行ったり こっちに行ったりと落ち着きが無かった
アパートの前に着くと 萌はバッグから包みを取り出し
「 一樹さん、これっ・・  本命だよっ! 」
「 うっぅん、ありがとう 」 一樹は 歯切れの悪い返事を返す
「 今日は ご馳走様でした、おやすみなさい 」
「 うん 暖かくして 寝るんだよ おやすみぃ~ 」
 ・ ・ ・
チィ~ン、
「 お姉ちゃん、一樹さんを 萌に譲ってよ 」
「 お願いだからさ~ 」
「 お姉ちゃんが居なけりゃ 萌は ひとりぼっちなんだよ 」
「 だって お姉ちゃんが居なきゃ・・  グス ヒック、ヒック 」
其の頃 一樹は夢を見ていた
音の無い砂浜で 恵子と寄り添い
    二人は静かにおでこを付け くちづけを交わした
これが 一樹と恵子にとっての はじめての抱擁であった
やがて 恵子が一樹の胸に手を当て くちびるを離すと
「 あれっ、萌ちゃん!? 」
そのまま スーッと立ち上がった姿を見つめ直す やはり恵子さんだった
恵子は 二・三歩 前に踏み出し「 じゃあ 行くねっ 」
そのまま ふわりと姿を消した そう 湯気のように ふわりと・・・
一樹は 薄目を開け ベッドにあぐらを掻くと
しばらく じっと 壁を見つめていた
今の夢を 反芻するように ただ 壁を見つめていた
やがて ゆっくりと枕元に手を伸ばし
今日、萌から渡された チョコレートを一粒 口にする
「 しょっぱいや・・ 」
暗闇に見開かれた 一樹の瞳には 涙が溢れていた



                  ( 風邪 )

トルルー、トルルルー 「 はい、一樹です 」
「 カッキ、どうしょう 」「 真実ちゃん、何か有ったのか、」
「 うん、萌ちゃんと連絡が取れなく成っちゃったの 」
「 えっ、どう言う事? 」
「 うん、昨日ねっ 萌ちゃんが電話で 熱っぽいて言ってたんだけど 」
「 今日、電話したら繋がらなくて
          会社の方に問い合わせたら 風邪で休んでるって 」
「 それで 其の後 何度も掛けてんだけど 一向に返事が無いの 」
「 分かった、俺 今 出先の帰りだから
             直ぐそっちに寄って 一緒にアパートに行って見よう 」
「 うん、そうしてくれる 」
・・・
真実を車に乗せて 要約 アパートに着いた頃には
陽もとっぷりと暮れてしまっていた
カンカンカン 急いで階段を駆け上り
ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ドン、ドン、ドン、
「 もえちゃん 」「 萌ちゃん、居るの? 」
「 俺、大家さんに言って 鍵、開けて貰えるよう頼んでくる 」
「 お願い! 」
カンカンカン 心が逸る
ピンポーン、「 すいません 」ドン、ドン「 すいません 」
カチャッ、「 なんですか? 」
「 すいません、大家さんですか?
実は 202号室の美咲さんが 病気で動けないかもしれないんです 」
「 あっ、私、友人の 富永一樹と言いますが
       連れの女の子が 今 部屋の前で待ちかねてるんです 」
「 杞憂であれば いいんですが 急いで鍵を開けて頂けませんか 」
「 あっ、ちょ、ちょっと待っててね 」
カタン パタッ カチャカチャカチャ
「 さっ、行きましょう 」「 お手数を掛けます 」
カンカンカン カチャリ キ~ッ
「 真実ちゃん どおぅ、萌ちゃん居る? 」
「 カッキ! 萌ちゃん寝てるけど すごい熱! 」
一樹は ポケットから携帯を取り出し
 トルルー トルルー
「 あっ、119番ですか 急病人なんですが 」
「 はい、はぃ、」
「 真実ちゃん、萌ちゃんの意識は有るかって 救急の人が 」
「 萌ちゃん 分かる、私のことが分かる? 」
「 はい、真実さん分かります 」
「 カッキ! 意識は大丈夫 確りしてる 」
「 もしもし、意識は有るそうです はい、はい、・・ 」
「 真実ちゃん、最寄の救急病院に連れてってくれって 言ってるけど 」
「 萌ちゃん 動けるの? 」「 だ、だいじょうぶです 」
「 萌ちゃん、無理しないで 救急車を呼んだ方が良いよ~ 」
「 私、救急車、嫌いだもん 」
「 だって お姉ちゃん 搬送中に亡くなったんだよ 」
「 解った、俺の車で 救急病院に行こう 」
 ・ ・ ・
診察を終え 真実が薬局で薬を受け取るまでの間
ソファーに一樹と萌は並んで腰掛けていた
萌は 左隣の一樹の胸に 力無く身体を預け
一樹もそんな萌を優しく包む
「 ただの 風邪で ほっとしたよ 」
萌が うわ言の様に小さな声で つぶやく
「 カッキ、迷惑掛けて ごめんね 萌、ひとりぼっちだから・・ 」
一樹は 一瞬、言葉に躊躇して 「 迷惑なもんか 」と一言 囁いた
やがて 真実と萌は車の後部座席に乗り込み
一樹は真実の自宅へと向った
車が走り出して 暫くもすると 薬が効いたのか 萌は軽い寝息を漏らす
 ・ ・・
「 着いたよ 真実ちゃん 」「 うん、ありがとう 」
「 一樹、私の部屋まで 萌ちゃんに肩貸してくれる? 」
「 真実ちゃん、君も一人暮らしだし
      萌ちゃんを俺ん家に連れて行こうと思う 」
「 えっ、一樹ん家は両親が居るから そりゃあ 安心だけど 」
「 ご両親に なんて説明するつもり 」
「 俺、決めたんだ この子を守りたいって 」
「 一樹がそこまで言うなら・・ 」
 ・ ・ ・
萌を支えながら 自宅の玄関に佇むが
うつろな萌には 此処が何処なのかは解らなかった
「 ちょっと 待ってて 今 ドアを開けるから 」 カチッ、
「 ただいま~ 母さ~ん 玄関まで来てくれる 」
タッタッタッ 「 一樹、何か用なの? 」 ?「 其の子は? 」
「 この子 熱があるんだ 母さん、
        今直ぐ 客室に布団を 敷いて貰えないかな~ 」
「 えっ、でも 」
一樹は声を荒げ「 母さん!頼むからっ! 」
一樹の声を聞きつけた 父が玄関先まで 出てきた
「 父さん、この子 熱でぐったりしてるから 手を貸して貰える 」
「 ああ、わかった 」
居間のソファーに萌を横たえると
床の用意を済ませた 母が 一樹に詰問する
「 このお嬢さんを 看病するにしても 親御さんに連絡はしてあるの? 」
「 この子 今は 一人暮らしなんだ 」
「 だったら 余計、家に連れて来るのは 彼方の身勝手なんじゃ・・ 」
「 うん、身勝手かもしれないけど
            この子の事は全部 俺が引き受けるつもりだ! 」 
父が 母を諌める様に
「 一樹も もう大人なんだから
          親の出番は最後の最後でいいんじゃないか 」
「 父さん、母さん、我が儘を言ってるけど 甘えさせて下さい 」 ペコッ


                  ( 事件 )

「 おはよう、うーっ、うぅー、おはようございます 」
一樹は 萌に どう声を掛けて良いか苦慮していた
コン、コン、
「 萌ちゃん、一樹だけど入るよ 」・・スーッ
客間の隅には 布団が畳まれており
萌の姿は何処を捜しても 見当たらなかった
台所に赴くと
母が「 あの子、美咲さんだっけ 朝早くに帰っちゃったのよ 」
「 引き止めたんだけど もうハイヤーを呼んだって言うし ・ ・ 」
「 後で、一樹には連絡を入れるとは言ってたけど 」
「 居心地が悪かったのかねぇ 」
「 母さん、そんな事は無いよ 俺が強引に連れてきた所為だと思う 」
「 萌ちゃんは しっかりした子だから 妙に遠慮しただけだよ 」
「 又、風邪をぶり返さなきゃいいけど 」
「 母さん ありがとう、そんなに気に掛けてくれて 」
「 俺も 朝食を済ませたら 出社するから 」
 ・ ・ ・
萌からは お昼前に連絡が入った
トルルー、トルルルー 「 はい、一樹です 」
「 あっ、一樹さん、萌です ごめんなさい挨拶もせずに帰ってしまって 」
「 そんなの気にしなくて良いから 熱の方は大丈夫? 」
「 いや、家のおふくろが心配してたから・・ 」
「 そうなんですか、
     お母様に 萌は元気に仕事してますと伝えて置いて頂けますか 」
其の頃、一樹と萌の与り知らぬ所で 事件は起きていた
「 真実、俺達、結婚しようか 」
「 なにそれっ、結婚して下さいでしょ 」
「 あっ、ごめん、それじゃ改めて 」
「 真実さん、僕と結婚して下さい 」「 はい 」
「 で、何時結婚するの? 誠司、」
「 まだ お前の両親に正式に挨拶もしていないだろう 」
「 こう言うのは けっこう順序立てて進めなきゃなっ 」
「 別にいいよ 家の親も誠司の事は 知ってるんだから
                           さっさと籍をいれちゃおうよ 」
「 そんな訳には行かない、
      幾ら次男と次女でも やっぱり勝手に出来る事じゃないぜ 」
「 ふ~ん、誠司って意外と堅い所があったんだ 」
 ・ ・ ・


 

 

 

 

 

 

              (  乙女心と・・・  )

ブゥーン ブゥーン
ん、萌ちゃんからメール
「 カッキ、靴を新調したいんだけど
    行きつけのお店が無くなってしまってて・・・ 」
「 何処かに いい靴屋さん知らない? 」
「 新しく出来たショッピングモールに
            靴屋さんもあるかも 」
「 新しいショッピングモールって、何処に在るの? 」
「 日曜日に萌ちゃんが空いてるなら
          一緒に行って見る? 」
「 うん、行く、行く 」
「 じゃあ、駅前のロータリーに9時頃って事でどう? 」
「 はい、よろしくお願いします 」
・・・
日曜日の朝、柔らかな陽射しではあるが
時折、少し肌寒い風が吹いていた
ロータリーの柵べりに車を止めると
柵の向こう側に、未だ 一樹の車に気付かない様子の彼女が
白いブラウスに紺のイレギュラーカットのフレアスカートを穿き
淡い紺のロングカーディガンを羽織って立っている
一樹はドアを開け ドアの上に頭を突き出すと
「 萌ちゃ~ん 」
彼女は、一樹の声に気付くと
「 あっ、」小さな声を漏らし、手を振って見せた
一樹は車に近づく彼女を急き立てる様に
「 寒いから、早く車の中に 」
そのとたん 萌の身体がよろけ
「 あぶねぇ~ 」
辛うじて一樹の腕が 萌の腰の辺りに届いた
「 大丈夫 」「 あ、ありがとう 」
「 とにかく、シートに座って 」
バタン
「 ゴメンねぇ~、慣れないハイヒールを
            履いて来ちゃったから 」
「 他に履くものが無かったって事? 」
「 日頃履いてる ローヒールが傷んでるから 」
「 いゃ、それに、この服装にスニーカーは無いでしょ 」
「 だって、デートだもん 頑張らなくっちゃ 」
「 ん、勝負パンツもアリって事 」
「 そう言う質問には お答えできません 」
「 アハハハ、ゴメン、ゴメン 」
「 しかし、萌ちゃんて、こんなに可愛いかったっけ 」
「 エヘッ、 」
一樹は、今言った自分のセリフに照れながら
「 少し、盛りすぎたなぁ 」
「 いえ、いえ、恋する乙女は
     日々、可愛く成るものなのですよ 」
「 自画自賛ですなぁ~ 」
「 いやはや全く、アハハハ 」
「 じゃあ、参りましょうか? 」「 はい 」
カチッ、ギュルル~ン
ショッピングモールに着くと早速 二人で靴屋を探し廻り
一軒の靴屋前のベンチでしばらく待つと
パタ、パタ、パタ
「 カッキ~ 」「 お待たせぇ~っ 」
「 そんなに急ぐと また 扱けんぞっ 」
「 大丈夫、新しいローヒールに履き替えたから 」
彼女は 3軒目で漸く納得できる物に巡り会えた様だ
「 その靴、俺が買ってやろうか? 」
「 うわっ、優しい事言うんだっ 」
「 じゃあさぁ、ランチを奢ってよ 」
「 えっ、何がいいの? 」
「 う~ん、ガッツリお肉が食べたいなぁ 」
「 じゃあ、肉食系女子のランチを探すとしますか 」
「 その差別的な物言いは やめていただける 」
「 おっ、ステーキハウス 発見! 」
「 此処で良いかな 」
「 もし、もし、前言の撤回を要求します 」
「 ごめんなさい 」
「 うん、許してあげちゃう 」
カラン、カラン
ステーキハウスのドアを開けると
「 いらっしゃいませ、何名様ですか 」
今、目の前に居るスタッフさんは紛れもなく、由美子ちゃん
「 あっ、あ、二名です 」と一樹は慌てて二本の指を示した
「 二名様、ご案内致します 」
由美子ちゃんはビジネスライクに
メニューを抱え、前を歩いてゆく
心臓の鼓動が全身に響く( 落ち着け、一樹 )
一樹は手汗がにじむ感覚を覚え
萌の手に指先だけを絡め、由美子ちゃんの後をついて行く
由美子ちゃんは、二人のをテーブルに案内すると
メニューを並べながら、いきなり
「 カッキ、元気してた? 」
「 でっ、こちらは カッキの彼女さんですか 」
( げっ、不意打ちかよ )
( やべっ、先手、先手 )
「 うん、藤崎さんも彼氏さんと仲良くやってんの? 」
「 彼とは、もうとっくに 別れちゃったですけど 」
「 あっ、そうなのっ 」
( がぁ~っ 墓穴 )
「 メニューがお決まりになりましたら
    そちらのボタンでスタッフをお呼びください 」
「 失礼致します 」
テーブルから離れる由美子ちゃんの後姿を見送ると
「 ねぇ、誰、誰 」
一樹はぶっきらぼうに「 昔の友達 」
「 もしかしてだけど、あの人と付き合ってた 」
「 う、うん 」
「 そうなんだ 」・・・
その後、萌ちゃんは終始、黙々と食事を口に運んでいる
( 空気、重てぇ~っ )
店を出ると一樹は 萌の手をしっかりと握る様に努め
駐車場まではゆっくりと手を繋いで歩いた
バタン、
車のドアを閉めシートベルトに手をかけながら
ふと、彼女に視線を向けると
頬に大きな涙が ぽつり、ぽつりと流れている
一樹は慌てて
( あぁ~、萌ちゃん、萌ちゃん、萌ちゃん、萌ちゃん、)
「 どうして、泣くのさ 」
「 だって、だって 」
「 先っきの人、とっても綺麗なんだもの 」
「 それに 今はフリーって言ってたし 」
「 元鞘になんないか、不安で、不安で 」
「 う、うぅぅぅ 」
「 それは、無いなぁ~ 」
「 確かに綺麗かもしんないけど
「 ほら、否定しないじゃない 」
一樹は泣きじゃくる萌の両手を掴み
「 ちゃんと話聞けよ、今、好きなのは萌ちゃん
   今、一番大事なのは萌ちゃんだって言ってんだろ 」
「 焼け木杭って事は無いの? 」
「 も~ぅ、しつこい、うるさい 」
グイッ! ハムッ
一樹は 萌の唇を塞いだ
( スイッチが入っちまった
     もう無理 もう止めらんない )
萌は目をつぶり 全身の力が抜けてゆく自分を
意識の外で眺める様に シートに体を預けた
( 一樹、落ち着け、落ち着け、冷静に、冷静に  )
一樹は唇を 萌の瞼にそっと当てながら
( おっし! )
「 萌ちゃん、今日、良い 」
彼女は小さく頷いた
「 場所、変えようか 」
ギュ~ン、
一樹はエンジンを掛け 車をゆっくりとスタートさせた








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           公和と修二と里佳の恋愛事情 
 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
                ( プロローグ )

修二が手招きをしながら小声で呼びかける
「 里佳 」
「 見つかっちまうから あまり前に出るなよ! 」
「 え~、公和は何処にいるの? 」
「 ほら、あそこや 」
「 柄にも無く ワイシャツにネクタイ締めて つっ立っとるやんか、」
駅のホームにアナウンスが流れる
まもなく、二番線に電車が到着します
お待ちのお客様は 白線の後ろの位置まで下がってお待ちください
ファ~ン 
プシュー
開いた電車のドアから降りてくる雑踏の中に
公和は 淡いピンクのワンピース姿の小柄な女性に目星を付けると
意を決して その女性に向かって歩み寄り 声を掛けた
「 あの~ 失礼ですが藤咲みなみさんでしょうか? 」
「 は、はい 」「 そうですが 」
「 私、長田の親友の岸本公和と申します 」
「 修二、いや 長田から紹介と言うか 何と言うか
              詳細をお聞きいただいておりますでしょうか? 」
「 ええ、 大体の事は 」
「 こんな所で 立ち話もなんですから 喫茶店にでも入りませんか 」
「 はい 」
なにやらギクシャクとした会話を重ねながら
二人は駅近くの 明るい雰囲気の喫茶店を選び 中へと入っていった
「 アイス・コーヒー 」
「 藤咲さんは何を 」
「 同じ物を お願いします 」
「 アイス・コーヒーを 二つお願いします 」
「 唐突ですが 先ずは自己紹介から 」
「 岸本公和、二十四歳 家族は両親とお嫁に行った三つ上の姉が一人 」
「 仕事は 」「 あっ! これが名刺です 」
「 専務さんなさって居るんですか? 」
「 専務と言っても おやじが社長で母親が常務の
        プラスチック成型の家内工業なんですけどね 」
「 でも 高分子化学に関しては
         今後まだまだ伸びる余地が有ると考えています 」
「 あっ、なんだか営業の売り込み みたいですね 」
「 いいえ そんなこと 今のお仕事 がんばっていらっしるんですね 」
「 私と言えば 今年
    長田さんと同じ証券会社に 就職したての社会人一年生で 」
「 家族は 弟と両親の四人で実家に同居しています 」
その後は 好きな音楽とか趣味といった話に終始した
「 付き合うかどうかは 直ぐにとは言いませんから
友達からでも良いですから 長田を通じてお返事いただければと思います 」


週末の事であった
「 公和、 明日の日曜日、海水浴に藤咲 誘って有るから時間空けとけよ 」
「 お前なー そう言う事はもっと早く言えよ 」
「 悪りー、悪りー、ちと 立て込んじまって遅くなっちまった 」


日曜日は朝からピーカンの海水浴日和であった
修二の車に俺と里佳が乗り込み
藤咲みなみさんと合流する待ち合わせ場所へと向かった
待ち合わせの場所のファミレスに車を止めると
真っ先に里佳が車から降り立ち 彼女に声を掛けた
「 始めまして 私は吉田里佳
     公和と修二とは保育園からの幼馴染の腐れ縁てとこ 」
「 今後とも 二人と同様によろしくね、」
「 はじめまして こちらこそ どうぞよろしくお願いします 」
「 修二のやつが
    男二人じゃ貴方のOKが貰えないからって言うもんだから 」
「 今日は アイツ等二人のお目付け役として のこのこ参上って訳 」
「 あの~ 失礼ですが
    長田さんとお付き合いしていらっしゃるんじゃないんですか? 」
「 あっ、違う、違う、
    今日は来てないけど 修二は別に付き合ってる人がいるわよ 」
「 そうなんですか じゃぁ、里佳さんは今の所 フリーなんですか 」
「 痛い所突かれたわ、残念ながら 只今恋人募集中 」
「 ご、ごめんなさい ずけずけと質問して 」
「 いいのよ あの二人なんか 私に対してもっと口が悪いんだから 」
「 おーい、車出すぜ 」
「 今、行くわよ 」「 まったく~ 」


海岸沿いの駐車場に車を止め
砂浜に降り立つと既に大地は焼けるような熱を帯びていた
四人は水着に着替える為 男女二手に別れ更衣室へと
「 みなみちゃん 可愛いワンピースね 」
「 それに 胸もけっこう有るんじゃない 」
「 そんなこと無いです 里佳さんこそ
      その 黒いビキニとってもセクシーでお似合いだと思いますよ 」
「 あら けっこうお世辞もうまいのねー 」
「 お世辞じゃ無く ホントですって 」
「 ありがと、それじゃー その気になって 逆ナンでもして見ようかなー 」 
其の頃 男共の更衣室では
「 修二、なんでお前の彼女連れて来ないんだ 」
「 あの人は 海水浴ってタイプじゃねーからな 」
「 誘ってはみたんだろ? 」「 う~ん・・・別に・・・ 」
歯切れの悪い返事が返ってきた
修二が今付き合っている人が年上で有る事らしい以外
全く俺たちには話そうとはしない ましてや逢った事も無いのである
俺が思うに やはり
里佳が修二に好意を抱いている事をうすうす感じ取っての事なんだろう
里佳が修二に好意を抱いている事は
口にせずとも 鈍感な俺でさえ解っている
「 あっ、出て来た 」
「 みなみちゃん 公和、格好いいでしょ
      なんたってライフ・セーバーの資格を持ってるから
                   筋肉の付き方が尋常じゃないもの 」
「 其れに比べて 修二は おじさんまっしぐら 」
「 二人とも遅いぞー、なにお化粧に時間掛けてんのよー 」
「 おお、わりー わりー 公和と少し話し込んでたんでな 」
「 それじゃー 皆で少し柔軟体操をしよーか、」
「 公和、お前のテリトリーだからって 偉く仕切るじゃねーか 」
「 修二! 愚だ愚だ言わずに教官の指示に従いなさい 」
「 はい、はい 里佳さまの仰せのままに 」
柔軟体操を終え 浜辺でビーチボールを使って遊んだ後
各自で海の中へと入っていった
( えっ )
( なに )
( 私、溺れちゃうの・・・ )
ザザー・・・ザパーン・・
( えっ )
( なに )
( やだ 恥ずかしくて 目 開けられないじゃない )
公和が 溺れた みなみ を抱きかかえ 砂浜へと上がって来た
離れた場所から この異常を知った修二が駆け寄って来る
「 みなみちゃん 如何したんだ 」
「 うん どうやら脚がつって溺れた様なんだ 」
「 まだ なんとも言えないが
    先ずは気道確保するから あそこのビーチマット持って来てくれ 」
「 わ、わかった 」
公和は 修二の持ってきたビーチマットに
            みなみ をそっと横たえると声を掛けた
「 みなみちゃん みなみちゃんー 」
( う~ん 恥ずかしいな~ どうしよう・・・ )
「 公和、心臓は動いてるのか? 」
修二の問い掛けに 思わず反応した公和は みなみの胸に手を当てた
「 キャッ、」
「 おっ! 気が付いた 」
傍らで 心配していた里佳が「 みなみちゃん大丈夫 」
「 グフッ、エヘン 」
「 ええ もう大丈夫みたいです ご心配をお掛けしました 」
「 元気そうだけど しばらくは其処で休んでた方が良いかもね 」
「 はい そうします 」
「 修二、俺もしばらく此処で みなみちゃんと話してるから
                          泳ぎにでも行ってこいよ 」
「 もはや おじゃま虫扱いかよー 」
「 藤咲、人工呼吸されそこなったな 」
「 馬鹿言ってんじゃねーや もう さっさと消えろ! 」
「 公和さん ご迷惑をお掛けしました 」
「 何言ってんの 無事だったから良かったものの
                  ハラハラものだったんだぜ 」
「 あっ、そうですね ごめんなさい ありがとうございました 」
「 他人行儀だな~ 」
「 あっ 他人かー、ちょっと待てよ 其れは困るなぁ 」
「 みなみちゃん 俺の事、友達の端くれに入れて貰えねーかな~ 」
「 いえ 私の方こそお願いします 」
「 う~ん・・・友達以上は未だ無理か・・・ 」
「 そうよ! 欲張っちゃ駄目ですよ 」
「 里佳、何でそんな所で聞き耳立ててんだ 」
「 あら 先っきから公和の後ろにずっと居たわよ
        みなみちゃんばっかりに気を取られて気付かなかったの 」
「 お前 な~ 」
「 あれれ もしかして お邪魔だったかしら 」
「 じゃ 私はここいらでナンパにでも行きましょうか 」
「 おう、行って来い 行って来い 」
その日は 海辺で夕日を見るまで 時間を忘れるほどに
                取り留めの無い話を繰り返し過ごす事ができた


                 ( デート )

給湯室から みなみが 修二の机にお茶を運んできた
「 はい、長田さん お茶をどうぞ 」
「 オイ、みなみ 公和から連絡は有ったのか? 」
「 いいえ 未だよ 」
「 ふ~ん 」
「 なによー 何ジロジロ見てんのよ 」
「 いや、なに、う~ん 言ぉっかな どうしょうかな 」
「 言いたい事が有るなら さっさと言いなさいよ! 」
「 う~ん 」 ・ ・ ・ ・


先週の海水浴帰りの事
みなみを送り届け 修二は吉田酒店の前で車を止め
「 里佳、缶ビール四本ぐらい 調達して貰えっか 」
「 了解 」
ガラ ガラ ガラ
「 お父さーん 缶ビール貰うわねー 」
「 おぅ、料金はお前のバイト代から さっ引ぃとくからな 」
「 かわいい娘から お金を取ろっていうの 」
「 それはそれ これはこれだろ 」「 はい、はい 」
バタン、タッ、タッ、タッタ
「 修二、冷えたやつ 六本入れといたから 」「 はい 」
「 おっ、随分と気が利くじゃねーか 」
「 で、これから むさい男二人で 酒盛りって訳、」
「 お前も来るか? 」
「 いいわよー 箱入り娘が 夜遅くまでうろついてちゃ
                      お嫁の貰い手が減っちゃうもの 」
「 そんじゃーな 」
「 おやすみ~ 」
ブロロ~・・・
公和は ブラスチック工場建屋の隣にプレハブを建てて貰い
其処で寝泊りをしていた
バタン、
「 あち~なー 公和、クーラーつけてくれ 」
「 プレハブだかんな、断熱効果はあんまし無ぇから
                     閉め切ってると こんなもんだ 」
カチャ、「 プハー 」「 オォ~ うんめー 」
「 おー おめーも 飲め、」
「 サンキュー 」 カチャ、プシュッ!
「 修二、俺、今日は寝られそうにねーぞ 」
「 なんでだ 」
「 だってよー 昼間のみなみちゃんの胸の感覚が
                     未だ手に残ってて アー 」
バタ、バタ、バタ
「 なに 一人で悶えてんだよ 」 プシュッ!
「 プハー 」
「 胸の感覚つったって パッドの上からだろ 」
「 そんでも あのプニュって感じは まいっちまう 」
「 ハハハハ、プニュって位 柔らかかったか 」「 そうか、そうか 」
「 公和は そうゆうのはあんまし 免疫ねーもんな 」
「 今日の良き日に カンパーイ 」カチャ、プシュッ!
 グビ、グビ、グビ 「 まあ、飲め、」カチャ、プシュッ!
パシャ「 おっ、冷蔵庫の中にも まだ ビールがあるじゃねーか 」
其の日は いつ寝てしまったかも 判らないまま 二人とも酔いつぶれた


 ・ ・ ・

「 でな、公和君がおっしやるには みなみちゃんの 胸はプニュだそうだ 」
「 柔らかくって プニュだそうだ 」
バン!
みなみが 茶盆で机を叩き「 黙れ、長田、」
そう 言い捨てると 足早に給湯室に姿を消した
「 おーー こえー こえー 」
・・・・
みなみが 会社のドアを開けようとした 其の時
ブウウーン、ブウウーン
「 アッ、はい みなみです 」
「 あっ どうも 岸本ですが 」
「 プニュは お気に召しまして 」
「 えっ、あっ、はい、ごめんなさい 」
「 ふふふっ、大人ですから 気にしてませんよ 」
「 まいったな こんなんじゃ 切り出し難いですね 」
「 いや デートに誘うつもりで お電話したんですが・・・ 」
「 いいですよ 」
「 えっ、ほんとうですか? 」
「 ええ、」「 じゃあ 映画とか何かご希望は 有りますか? 」
「 もし よければアウトレット・モールに 連れてって下さい 」
「 行って見たいと 想っていたんですけど 未だ一度も 行った事が無くて 」
「 はい、お安いご用です 」
「 日時は 今週の土曜日当りで良いですか? 」
「 ええ 土曜日ですね それじゃー
         朝九時頃に この前のファミレスの駐車場で と 言う事で 」
「 お待ちしてします 」
「 はい、ありがとうございます 」
 ・ ・ ・


公和は 土曜日の事を想うと 落ち着かなかった
頭の中では 色々なシュミレーションが
浮んでは消え 湯水の如く溢れて来る
「 公和、なに ぼ~っとしてんだ ○○商事さんの 納品は済んだのか? 」
「 おやじ、土曜日、車を貸してくれねーか 」
「 なんだ 会社のバンじゃいけねーのか? 」
「 いや、ちょっと デートなんだ 」
「 おっ、そうか 使え、使え 」「 そうかー デートか・・・ 」


デート当日は 少し曇ってはいたが 相変わらず蒸し暑い夏日であった
朝から 親父にキーを借りて 洗車に出掛けようと 車に乗り込むと
いつもなら 何かしら転がっている車内が 塵ひとつ無く磨かれていた
「 おやじのやつ・・・ 」
庭先に居る したり顔の親父に向かって「 感謝!!」と手を合わす
待ち合わせ場所のファミレスには 20分程度 早めに着いたのだが
みなみちゃんは すでに 駐車場脇の軒下で 待っていた様であった
「 おはようございます 随分と早く待ってたんじゃ ないんですか 」
「 気合、入ってるでしょー 」
「 えっ、ええ 」「 じゃ 行きましょうか 」
なんだか 今日は彼女に 猛アタックはムリっぽい
なにしろ 例のムニュの件が在るだけに 言葉尻が小さく成ってしまう
親父の車は エアコンも快調に効いて
快適な走りで アウトレット・モールに着いた
( やっぱ この車、借りといて良かったぜ )
俺も このアウトレット・モール街は 始めて訪れたのだが なにしろ広い、
「 広いですねー 最近はこういう郊外型店舗街って 増えてますよね 」
「 ええ 私も 思ってたより広くって 驚いてます 」
「 土.日は イベントなんかも やってるらしいですよ 」
「 ん、 ぅん、 」
「 今日は私の わがままを聞いていただいて
                      ありがとうございます 」 ペコッ!
「 さて、今日はいっぱい買うつもりですから 覚悟してくださいね 」
「 は、はい 」
彼女の買い物スタイルは 小気味が善い程の即決であった
( うちの母親などは 同じ所を何度も行ったり来たりする )
さすがにランジェリーの店舗では 外で 待ちくたびれたりもしたが
今日の俺は 彼女の後を
   彼女の荷物を預かり 付かず離れずといった具合である
一頻り 荷物を 車の後部座席に納めると
「 みなみちゃん 今日の記念に なにか プレゼントしたいんだけど 」
「 ありがとう じゃあ
    さっきの 雑貨屋さんに在った コサージュをプレゼントしてくれる 」
「 そんなんで いいの? 」
「 気に入った物が良いし あまり高い物は 貰っても重く感じるでしょ 」
「 それに コサージュを選ぶ訳は
   最近、お友達の結婚式が 目白押しで 必需品に成っちゃってるの 」
「 へ~ みなみちゃんと同年代の子って 適齢期って事? 」
「 いゃ~ねっ まるで私が 残り物みたいに聞こえるじゃない 」
「 い、いや 別に そんな つもりは・・・ 」
「 フフフッ 公和さん 動揺が激しすぎッ! 」
帰りは この大荷物に託けて 自宅まで送る事ができる
あわよくば 彼女のご両親にご挨拶などと考えると 思わず口元が緩む
バタン、
「 ありがとうございました ごめんなさい
       荷物を家の中にまで運んでいただいて
            なにしろ 家族全員出払ってしまってるの 」
「 いいえ どうって事無いです 」
「 また お誘いしてもいいですか? 」「 はい 」
「 それでは また 」「 ええ 」「 さようなら 」
 ・ ・ ・


                 ( 失踪 )

「 こんにちは 」
「 えっ、みなみちゃん どうして 此処へ 」
「 営業で 近くまで来たもんだから
     ちょっと 公和さんの仕事場を覗いて見様かなって 思って 」
「 へ~ でも 女の子、一人で乗り込むのって 躊躇したんじゃないの 」
「 う~ん そうでもなかったわ
           飛び込み営業みたいな感じで 来ちゃった 」
「 私って 考えるより先に 行動に移すタイプかもね 」
「 なんにしても よく おいで下さいました 」
「 自宅の方で お茶でも いかがですか? 」
「 そっか、普通そうゆう流れに成るわよね 」
「 ごめんなさい 」 ペコッ、
「 私、公和さんの顔を ちょこっと見る事しか考えてなくて ・ ・ ・
         実は、時間が余り無くて 会社に戻らなくちゃいけないの 」
「 頭なんか下げないでよね、
                 忙しい中、来てくれるなんて 嬉しすぎるんだから 」
「 じゃあさー せめて 会社まで送らせて 」
「 ちょ、ちょっと待つて貰えませんか 今、家内を呼んで来ますんで 」
おーっ、 おやじ、
「 父さん 止めてくれよ そんな事
          みなみちゃんに 変なプレッシャー掛けちまうだろー 」
「 そ~言う 物なのか~ 」
「 いいから、キー 」「 おぅ、」
「 お仕事中、お邪魔しまして 申し訳御座いませんでした
             今日はこのまま 失礼いたします 」
「 そうですか~ 何のお構いも出来ず
                  ・ ・ ・ 何時でも 遊びに来て下さいね 」
「 はい、ありがとうございます 失礼します 」 ペコッ、
ギュルルーン
公和が みなみを乗せて ガレージを出ようとすると
一人の警察官が道を阻んだ
「 なにか御用ですか? お巡りさん 」
「 いやなに 公和君と 少し話がしたくってね 」
「 お嬢さん、公和君を 少しお借りしますね 」 そう言うと
ドアを開け 公和を強引に車外に連れ出す
「 な、なんスか 先輩、 」
「 俺、今日は急いでるもんで 後じゃいけませんか 」
「 あっ、わりーわりー 」
「 そんじゃ 詳しい話は 明日の夕方にでも出直して来るわ
          それより、公和君、あれが噂の みなみちゃんですか~ 」
「 先輩 なんで みなみちゃんの事 知ってるんスか? 」
「 いや~っ 君の事は
     修二から 事細かく、逐一報告を受けてるからね 」
( 修二の奴 ほんと 口が軽りぃ~んだから )
「 先輩、申し訳無い、そういう事で、詳しい話は明後日っ 」
バタン!
「 お知り合いですか? 」
「 ええ、高校時代の先輩なんです 」
「 高校時代は しょっちゅう警察のお世話に成ってたのに
どう言う 経緯か判りませんが いつの間にか警察官に成ちゃてました 」
「 何か お話が有ったんじゃ? 」
「 いえ いえ 只のひやかしですよ 」
「 それより 手間取っちまったから 急ぎましょう 」「 はい 」
 ・ ・ ・
翌日の夕刻
ブロロー、「 近藤先輩、相変わらずハデな車ですねー 」
「 実はなっ、話と言うのは コイツ( 車 )の事なんだ 」
「 どうやら 家のかみさんが 出来ちまった様なんでな 」
「 えっ、お子さんですか? おめでとうございます 」
「 それで 俺も此の辺で
    思い切って マイホーム・パパにキャラ変更しようかと 」
「 ついては このFDを
    公和君に引き取って貰えまいかと 相談に来た次第なんだ 」
「 えっ、でも先輩は このFDに 相当つぎ込んでますよね 」
「 公和君に引き取って貰えるなら 出血大サービスの二十万でどうだ 」
「 そんなんで良いんですか 」
「 ぶっちゃけ 年式が古いから
     中古車屋でも 二十万はキツイ所なんだ 」
「 どうだ みなみちゃんとデートするのに
             いつまでも 親父さんの車でもねーだろ 」
「 いや デート云々より
         育児資金の足しに成るなら 喜んで引き受けます 」
「 ありがとう 引受けてくれるか お礼と言っちゃなんだが
    今度デートの時は 言ってくれよ パトカーで先導してやるから 」
「 止めて下さいよ この車で先導されたひにゃあ
                   逮捕されたかと誤解されます 」
「 ちげ~ね~っ ハハハハハ 」
「 あの~、こちらに岸本公和さんと言う方は
              いらっしゃいませんでしょうか? 」
振り返ると、それらしき風体の二人組が 立って居た
「 俺が、岸本ですが、なにか? 」
「 実は 長田修二さんと連絡が付かず、
        親友の岸本さんに 御聞きし様かと伺いました次第です 」
公和は 咄嗟にとぼけて見せた
「 修二とは 最近、逢ってねーからなー 」
「 先輩は、修二と逢いました? 」「 本官もしばらく顔を見てないなー 」
「 あっ、警察の方でしたか?
     もし 長田さんと御会いしたら 室田が捜していたとお伝えください 」
二人は 先輩が警察官だと知ると そそくさと姿を消した
「 公和、修二の奴 最近はスジ者と付き合いがあんのか? 」
「 いや、俺も そんな話は 全然聴いて無いっス 」
「 とにかく、修二に電話を 」
トルルルー、トルルルー、トルルルー、トルルルー、
「 駄目ですね、一向に出ないっス 」
トルルルー、トルルルー、トルルルー、トルルルー、
「 みなみちゃんは 同じ会社ですから 連絡してみます 」
トルルルー、トルルルー、トルルルー、
「 はい、みなみです 」
「 あっ、みなみちゃん 岸本ですが 今、会社、? 」
「 ええ、そうですけど? 」
「 修二が近くに居たら 代わって貰える 」
「 長田さんなら 今日は お休みですよ 」
「 どうかしたんですか? 」「 いや、修二の携帯が 繋がんなくて 」
「 もし、会社の方に 修二から連絡が有ったら
              俺にも連絡を入れる様に 伝えて貰えるかなー 」
「 はい、解かりました もし見かけたら ついでにボコッときましょうか? 」
「 ハハハ、ありがと 」
「 修二の奴! 一体どうしたんだ 取り敢えず メール入れとくか 」
( 至急、連絡しろ )
「 公和、もし 俺の所に連絡が有ったら
             電話入れるから お前が先なら
                        後で 詳しく話せよな じゃあな、 」
「 先輩~ もし、ヤバイ話なら相談に乗って貰えますか~? 」
「 あ~~ 任せろ~ 」


其の夜遅く
トルルルー、トルルルー、トルルルー、トルルルー、
「 はい、岸本です 」
「 公和か? 俺だ、」「 修二! 何遣ってんだよ 」
「 携帯に掛けても 繋がんねーし
       みなみちゃんに聴いたら 今日は休んでます だろ 」
「 携帯、アパートに置きっぱなしで 出て来たから
                  今、公衆電話から掛けてる 」
「 だから、家の電話に掛けてきたのか 」
「 すまん、」「 良いけど、なんかヤバイのか? 」
「 夕方頃に ヤバそうなのが お前の事聞きに来たぜ 」
「 で、どうした 」
「 偶々、近藤先輩が来てたから やつら、すんなり帰っちまったけどな 」
「 迷惑掛けたなぁー、公和にだけは 話して措きたいから
                 明日、○○ホテルのロビーで会えねーか? 」
「 それと もう1つ、すまんが 五十万程 用立てて貰えるか 」
「 かまわねーけど お前、 本当に大丈夫なのか? 」
「 すまん、小銭が切れ・・・ 」
 ツー ツー ツー ツー ・ ・ ・ ・


              ( 本心・・・そして )

翌朝、公和は銀行で五十万円を下ろすと
          修二と約束した ホテルへと車を走らせた
地下駐車場から ホテルのロビーに上がると
                 忙しなく 警察官が走り回っており
人々が ざわめき立って居た
「 私は見てないけど ・・事件が有ったそうよ 」
「 やだ、こんな所で 」
「 被害者の方は亡くなったって、 」「 怖いわね~ 」
公和の脳裏に不安が走った
野次馬の人垣を掻き分け
keep out のテーピングの横に立つ 警察官に声を掛ける
「 す、すいません 被害者は何という名前ですか? 」
「 ひょっとしたら 友人かも知れないんです 」
「 申し訳ないですが、其の質問に答える事はできません 」
「 あちらに居る 警部に直接お聞き下さい 」
「 今、呼んで来ますから 」
「 警部、あちらの方が 被害者の知人かもしれないと 仰っていますが 」
「 おぅ、わかった 」
「 どうも、××署の中村です 」「 失礼ですが、貴方のお名前は? 」
「 岸本公和と申します、捜している友人の名前は長田修二と言います 」
「 そうですかー
    被害者の所持していた運転免許証と 名前が一致しますね 」
「 ご遺体の方は 既に 司法解剖に回されております 」
「 後で お話をお聞きしたいので 署の方へ ご足労願えませんか? 」
「 は、はい、承知しました 」
公和は重い足取りで 要約、車にたどり着くと 
ピッピッピッ トルルー トルルー トルルー
「 あっ、近藤先輩ですか、公和です 」
「 昨夜 修二から連絡が有って 今、○○ホテルにいるんですが 」
「 ぐっ、ぐっ、修二の奴、・・・じまった、 」
次の言葉が出ない
「 はぃ、はぃ 遺体は××署の方でっ そうです、はぃ、 」 ピッ、
公和は 車のシートにゆっくりと身を預け
そのまま 身動きひとつすることはなかった
 ・ ・ ・ ・


此の夜、公和の部屋で 里佳に事の次第を話した
担当警部と近藤先輩の話を要約すると 修二の付き合っていた女性は
     元々ヤクザ者の世話に成っていた女性であり
              今回の事は痴情の縺れが原因と推測処理された事
未だ、犯人と女性の行方が判らないらしいと言う事などである
「 修二の馬鹿、」「 一体何やってんのよ! 」
里佳は声を殺して泣いた・・・
「 里佳、」「 修二の事は忘れろよ 」
「 何言ってんの、友達でしょ 」
「 里佳、お前、修二が好きだったんだろ、」
「 忘れちまわなきゃ 自分の気持ちに押し潰されちまうぜ 」
公和は 里佳の肩を引き寄せ「 俺じゃ駄目か? 」
「 修二の代わりには成れないか? 」
「 公和、な、何言ってんの 」
里佳の一言で 我に帰った 公和は 今、
自分の口から吐き出したセリフに 愕然としながらも
最早 頭の中では 様々な葛藤が渦巻いていた
( バカヤロウ、何考えてんだ みなみちゃんの事は如何するんだ )
( 此れが、俺の本心だろ
    此のままの気持ちで みなみちゃんと付き合うつもりか? )
「 ごめん 」「 帰るわ 」里佳は 公和の胸を そっと押し退け
「 黙っててあげるから、みなみちゃんの事、大事にしてあげなさい 」
 ・ ・ ・
里佳が居なくなった部屋で
       しばらくソファーに横たわっていた 公和であったが
意を決して 車に乗り込むと みなみの自宅へと向った
公和は みなみの自宅近くに車を止めると
玄関先に向いながら電話を掛ける
トルルー トルルー
「 あっ、岸本ですが 夜遅くにゴメン、少し話しがしたくて 」
「 君の家の前まで 来てるんだ 」
「 逢えるかなー? 」
「 うん、じゃあ、近くに有る公園 知ってる? 」
「 そこで しばらく待ってて 直ぐ行くから 」
公園の街灯横で暫く待っていると それらしき人影が近づいてくる
( 俺は 今 どんな顔をして 立ってるのだろう )
「 ごめんなさい、待った? 」
公和は「 う~んぅ 」とかぶりを振る
「 長田さんの事 聞きました、」「 なんて 言っていいか・・・ 」
「 いや、それもなんだけど・・・ 」
「 ゴメン! 」
「 俺、里佳の事が好きだ、」公和は畳み込む様に 話を続ける
「 里佳に振り向いて貰えないかも知れないのは 判っていているけど
  今は どうしても傍に付居て遣りたいんだ、」
「 う~ん、やっぱりって感じ 」
「 公和さんの視線で 私も 薄々は感じてたの 」
「 本当に ゴメン 俺ってば ほんとっ 最低の奴だよね 」
「 分かった・・・ 」「 これ以上は此処に居たくないから、帰るねっ 」
みなみは足早に その場を後にする
 ・ ・ ・ ・


やがて 修二の一周忌を迎えようかという頃
みなみちゃんから 一通の葉書が届いた
葉書には
ウエディング姿のみなみちゃんの写真と
           手書きのメッセージが一言添えられており
[ 結婚しました 遠くから里佳さんとのお幸せを 願っております ]
俺の選択、いや、ただ流されて居るだけなのかも知れない・・・
あれ以来 里佳とは言葉を交わすが 踏み込んだアプローチはしていない
「 は~っ ため息ばっかの ひきこもりかーっ! 」
 ・ ・ ・





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