報道の自由度 日本は70位 G7で最低
国際ジャーナリスト団体「国境なき記者団」が発表した、各国の「報道の自由度」に関する調査で、日本は前年から2つ順位を下げて70位でした。
「国境なき記者団」は3日、世界の180の国と地域を対象としたアンケート調査をもとに、各国の報道機関が置かれている状況を分析した「報道の自由度」ランキングと報告書を発表しました。
この中で、日本は前年から2つ順位を下げて70位と、G7=主要7か国の中では最下位でした。
報告書では、「日本は民主主義国で報道の自由が尊重されているものの、政治的圧力や男女の不平等により、記者が監視者としての役割を果たせていないことがよくある」と批判。
また、記者クラブ制度が「記者らの自己検閲や、外国人記者に対する差別に繋がっている」としました。
他の国については、ウクライナ侵攻を続けるロシアが162位だったほか、当局による検閲が厳しい中国は172位、北朝鮮は177位でした。
また、報告書では世界的な傾向について「国際社会で記者を保護する政治的意思が欠如している」と指摘されているほか、今年、多くの国や地域で選挙が実施されることを念頭に、生成AIによる偽情報が拡散される可能性についても懸念が示されています。
☆ 報道の自由度ランキング発表 日本は順位下げ、G7最下位の70位
パリ=宋光祐2024/5/3 21:25吹き出しアイコン藤田直央さんのコメント藤田直央さん写真・図版写真・図版
国際NGO「国境なき記者団」(本部・パリ)は3日、2024年の「報道の自由度ランキング」を発表した。
調査対象の180カ国・地域のうち日本は70位(前年68位)となり、主要7カ国(G7)の中で依然、最下位だった。
ADVERTISEMENT 同NGOは日本の状況について、「伝統の重みや経済的利益、政治的圧力、男女の不平等が、反権力としてのジャーナリストの役割を頻繁に妨げている」と批判。
12年の第2次安倍政権の発足以降にジャーナリストに対する不信感が広がったとする一方、記者クラブ制度がメディアの自己検閲や外国人ジャーナリストらの差別につながっているとした。
また、世界的な傾向については、ランキングを構成する五つの基準のうち政治的な背景に関する指標が世界全体で悪化したとして、国際社会でジャーナリストを保護する政治的意思が欠如していると指摘した。
昨年10月7日にイスラム組織ハマスとイスラエルの軍事衝突が始まって以降、パレスチナ自治区ガザ地区で100人以上の記者が死亡したことを例に挙げた。
1位はノルウェーで、2位にはデンマークが入った。G7では米国が55位(前年45位)で、日本に次いで低い順位だった。
同NGOは米国に広がる偽情報が「国民がもはや誰を信用してよいのか分からない状況を生み出している」と懸念を示した。(パリ=宋光祐)