判例 区画整理「計画」段階でも提訴可能に 最高裁が42年ぶり判例変更 | 堺 だいすき ブログ(blog)

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土地区画整理事業をめぐる訴訟 大法廷回付、判例変更も
と問題を取り上げていたのだが・・・。

実際に判決が下された・・・

以下産経新聞より引用

区画整理「計画」段階でも提訴可能に 最高裁が42年ぶり判例変更 (1/2ページ)

2008.9.10 15:45

 土地区画整理事業がどの段階まで進んだら裁判で取り消しを求めることができるかが争点になった訴訟の上告審判決が10日、最高裁大法廷(裁判長・島田仁郎長官)であった。大法廷は、事業計画決定の段階でも取り消しを請求できるとの初判断を示し、この段階は取り消し訴訟の対象にならないとした昭和41年の最高裁判例を42年ぶりに変更した。判決により、住民が土地区画整理法に基づく事業の誤りを、裁判で問える機会が拡大する。

 争われたのは、浜松市が平成15年に事業計画決定した遠州鉄道上島駅周辺の区画整理事業。住民が事業計画の取り消しを求めていたが、1審静岡地裁、2審東京高裁はともに昭和41年の判例に従い、訴えを却下していた。

 大法廷は1、2審判決を破棄し、審理を静岡地裁に差し戻した。同地裁で事業計画が違法かどうかについて審理されることになる。

 行政事件訴訟法では、取り消し訴訟を起こせる要件として、行政の行為が「行政処分」に当たることを規定している。


区画整理「計画」段階でも提訴可能に 最高裁が42年ぶり判例変更 (2/2ページ)

2008.9.10 15:45

 土地区画整理事業は、都市計画決定後、事業計画を決め、事業区域内の所有者の土地を代替地と交換するなどして進められる。

 昭和41年の判例は、事業計画決定を「特定の個人に向けられたものではなく青写真に過ぎない」と述べ、行政処分ではないと判断。これ以後、訴訟の対象は代替地との交換以降とするのが一般的になっていた。

 しかし、事業計画決定以降でも指定区域内に自由に建物が建てられないなど、地権者の権利が制限される。また、代替地との交換まで提訴できないと、仮に裁判所が計画を違法だと判断した場合は、それまでの投資が無駄になるなど、41年の判例には批判が多かった。

     ◇

 土地区画整理事業をめぐる訴訟 国土交通省によると、土地区画整理事業は現在、全国の約1400地区で実施されている。また、最高裁によると、平成10~19年の10年間で、土地区画整理事業の取り消しを求める訴えは計154件あった。

行政訴訟の門戸広げる 区画整理訴訟最高裁判決

2008.9.10 15:58

 10日の最高裁大法廷判決は、行政訴訟で住民が門前払いされることを避ける道筋を、また一つつけた。判決は、ほかのまちづくりをめぐる訴訟でも、議論を生む土台になりそうだ

 行政訴訟は、土地区画整理や都市再開発など、行政主導のまちづくりに関して住民が異議を唱えられる機会だ。ただ、行政訴訟を起こすには大きな関門が2つある。

 1つは訴えを起こす資格があるかどうか。もう1つは行政の計画決定が「行政処分」に当たるかどうかだ。両方がそろわないと、提訴しても違法性の審理はされずに却下される。最高裁の統計によれば、平成19年の行政訴訟の却下率は約15%にも上る。

 訴える資格の有無については、16年の行政事件訴訟法改正で基準が緩やかになり、最高裁は17年に「小田急線高架訴訟」で、門戸を拡大する判決を言い渡したが、後者は手つかずのままだった。今回の大法廷判決は、行政訴訟の門戸拡大の流れにそって、行政処分の範囲をより広く認めた。


 一方で、行政処分の範囲を土地区画整理事業など具体的な事業の前提になる都市計画決定の段階まで拡大することを求める声もある。その方が、住民がより早く、司法を通じて行政をチェックできるようになるためだ都市計画決定は行政処分ではないとする判例があるが、今回の大法廷判決により、この点の議論も活発化しそうだ。

(半田泰)



以下47newsより引用

 


 自治体の土地区画整理事業をめぐり、計画決定段階で、反対住民らが取り消しを求め行政訴訟を起こせるかどうかが争われた裁判の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・島田仁郎長官)は10日、42年ぶりに判例を変更、「計画決定は訴訟で争える行政処分に当たり、提訴は認められる」とする判断を示した。

 島田裁判長は、不適法を理由に、被告の浜松市勝訴とした1、2審判決を破棄。事業計画の違法性の有無について実質審理するよう静岡地裁に差し戻した

 これまでは、土地を再配置する「仮換地」指定後などに初めて訴訟の対象になるとされていたが、より早い計画決定の時点から裁判で争えることになり、行政訴訟の門戸が拡大する。町づくり事業に対する各地の住民運動に影響を与えそうだ。

 15人の裁判官全員が判例の変更を支持した。

 問題になったのは、浜松市が進める遠州鉄道「上島駅」の高架化に伴う周辺地域整備事業。市が2003年11月、対象地区や期間、設計概要などを含む事業計画を決定した。

 判決は、計画決定されると、宅地所有者らは建築制限が課されるほか、特段の事情がない限り事業が進むため換地処分を受ける地位に立たされると指摘。

 さらに「事業が進んだ段階で提訴し、仮に違法性が認められても、混乱を引き起こすとして、行政事件訴訟法に基づく事情判決によって請求が退けられる可能性も高い」と言及。「計画決定は法的地位に変動をもたらし、実効的な権利救済を図る観点からも提訴を認めるのが合理的」と結論づけた。


 浜松市の土地区画整理事業をめぐる訴訟で、最高裁大法廷が10日言い渡した判決の要旨は次の通り。

 【多数意見】

 土地区画整理事業の事業計画が定められ公告されると、換地処分の公告がある日まで、施行地区内で建築行為の制限などが生ずる。

 また、事業計画が決定されると、施行地区内の宅地所有者の権利にいかなる影響が及ぶか、一定限度で具体的な予測が可能になる。そして、いったん決定がされると、特段の事情のない限り事業がそのまま進められ、宅地について換地処分が当然に行われる。宅地所有者は換地処分の公告まで、建築制限などを継続的に課され続ける。


 そうすると、宅地所有者は事業計画の決定によって、規制を伴う土地区画整理事業の手続きに従って換地処分を受けるべき地位に立たされると言え、その意味で、その法的地位に直接的な影響が生ずる。

 もとより、換地処分を受けた宅地所有者は処分の取り消し訴訟を提起できる。しかし、処分がされた段階では実際上、工事が進ちょくするなどしており、訴訟で計画の違法性が認められても、取り消しは著しい混乱をもたらしかねないとして、行政事件訴訟法に基づく事情判決によって請求が棄却される可能性が相当あり、権利侵害への救済が十分果たされるとは言いがたい。

 そうすると、実効的な権利救済を図るためには、事業計画の決定段階で、取り消し訴訟の提起を認めることには合理性がある。

 従って、事業計画の決定は、行政事件訴訟法3条2項に言う「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」に当たると解するのが相当で、これと異なる趣旨を言う最高裁の1966年の大法廷判決と92年の第3小法廷判決は、いずれも変更すべきだ。

 【涌井紀夫裁判官の意見】

 事業計画が定められ公告されると、施行地区内の土地は、許可なしに建築ができないなどの制約が課されるのだから、事業計画決定が個人の権利・利益を直接に侵害・制約するような法的効果を持つのは明らかだ。

 この効果が発生すると、施行地区内の土地では自由に建築ができず、所有者は売却しようとしても買い手を見つけるのが困難になるという、極めて現実的で深刻な影響が生じることになる。

 このような不利益に対し、抗告訴訟で救済機会を保障するには、計画決定段階での訴訟を認める以外に方法はなく、計画決定については、建築制限などの法的効果を持つことのみで、その処分性を肯定することが十分可能だ。


以下読売新聞より引用

「土地区画整理計画、訴訟の対象に」最高裁が判例変更

 自治体が決定した土地区画整理事業の計画について、住民が計画決定の段階で取り消しを求めることができるかどうかが問われた訴訟の上告審判決が10日、最高裁大法廷(裁判長・島田仁郎長官)であった。

 判決は「判例を変更し、事業計画の決定は訴訟の対象とすべきだ」と述べ、原告側の請求を却下した1、2審判決を破棄、審理を1審・静岡地裁に差し戻した。

 15人の裁判官全員が判例変更の判断を示した。事業計画が決定された後に起こされた取り消し訴訟は審理の対象にはならないとする最高裁判例が、42年ぶりに見直された。

 原告は浜松市内などの住民29人。同市が2003年11月に決定した上島駅周辺土地区画整理事業の事業計画決定の取り消しを求めた。

2008年9月10日16時29分 読売新聞)
以上引用

最近、司法は、従来の判例の見直しがされているようである・・。

以前の堺 だいすきで取り上げたが 小田急高架訴訟などでも、原告の範囲を広く求めた件と言い・・。実態に目を向けられてきているということである。

つまり、この判決は、高架の問題というだけでなく・・。LRTの問題に関しても大きく影響してくる可能性もあるのかも・・。

ということで、注目していきたい・・・。