得道儀式について | カイルの独り言

カイルの独り言

好きな事書いてます。

<受付、功徳費、天道紹介>

 得道の方法は大きく分けて二つあります。一つは天道において直接三宝の伝授を行う「親接(しんせつ)」であり、もう一つは離れた場所に居るものを得道させる「遥接(ようせつ)」と呼ばれる方法です。現在、聖賢選抜の時期においての得道は天壇の前にひざまずいて真心を示し、お誓いして始めて法を授けられます。従ってほとんどの場合は天壇において行われる得道儀式による親接で行われます。しかし、天壇においての得道儀式ができない状況の場合、ご神仏の判断により特別の方法として遥接によって為される場合もあります。例えばキリストさまは遥接によって得道したとされています。また特別の方法として超抜という得道もありますが、これは子孫や縁ある人の体を借りて行う親接による得道だといえます。
 これから得道は、全ての魂を救い尽くすために、例えば護摩木・護摩符などの天命の道具や天道を行する者の光に触れただけで得道できるのが当たり前になるかもしれません。しかし、今は多くの人と実際に縁を繋ぎ、そしてその中から道を歩み、担う人を見つけ出す聖賢選抜の時期であり、その意味でも得道儀式を多く行うことは重要となっています。
 得道の儀式に至るまでには、人が人に縁を繋ぎ、そして天壇のある場所まで導いてはじめて得道することができます。この得道へと導いた人を「引師(いんし)」と呼びます。そして「引師」はただ得道に導いただけでも大変に大きな得を得ることになりますが、それに加えて得道することは、確実に霊(たましい)の救済へ繋がることとなります。また得道した人が将来、道を歩み、多くの方を天道へ導いたり、供養して救霊すれば、その人を得道へ導いた引師にもその功徳は及ぶことになり、その功徳は計り知れません。

 それでは得道の縁を得た人が得道儀式の場に臨んだという想定で、儀式の流れとその意味を順を追って書いていきます。
 まず来られた方には得道の受付表(新求道者申込票)を書いていただきます。これは得道儀式において大変重要な意味を持つ「表文」を書くために必要な事柄を知るためのものです。この際、既婚の女性は旧姓も記入していただきます。得道の際には女性は生まれた時の姓で表文に記入しなければなりません。それは女性(坤)には二つの家を背負う宿縁があるためであり、たとえて言えば旧姓は本籍であり、新姓は現住所のようなものです。また男性(乾)はこの限りではなく、今の姓名をそのまま表文に書くことができます。
 また通常、この受付票を書く際に得道の「功徳費」を納めていただきます。功徳費とは、得道し、尊い宝を授かるにあたり人の真心を財施という形で表すものです。
 以上の受付をしていただいたら、表文の作成などの準備が整うまでの時間で、得道される方に天道紹介をします。その内容は引師の方がどのように説明されているか、相手が何を求めているかなどによって臨機応変にお話ししますが、相手の不安を取り除く配慮が必要でしょう。
 準備が整ったら、いよいよ得道儀式です。


<献供礼、請壇礼、末後一着、表文奏呈>

 表文の作成も終わり、いよいよ得道儀式です。儀式は人が勝手に行うのではなく、あくまでもご神仏が執行する儀式であり、人はその代行者として儀式をお手伝いします。ですから得道儀式は、その大小に関わらず、理天の天仏院(天壇の本体)において各位ご神仏、護法の神々の見守る中で行われる荘厳な儀式です。それを現象世界にて儀式という形に表したものが得道儀式です。そこで得道儀式において最も気をつけなければならないことは、儀式の厳格さにあります。儀式を執行しているのはご神仏です。決して過ちは犯しません。たとえ儀式中に人が失敗をしたとしても、決して取り乱したり笑ったりせず、最後まで厳格荘厳な儀式としなければなりません。
 儀式は、まず儀式全体の進行を司る上執礼(かみツリー)、すなわち関法律主(関聖帝君)の代行者が代表で結縁の献香と礼拝を行うことから始まります。これにより正式にご神仏の代行者となります。そして上執礼(かみツリー)は壇に向かって右側に、下執礼(しもツリー)、すなわち純陽呂祖の代行者は左側に立ちます。上執礼(かみツリー)は儀式を進行し、それを受けて下執礼(しもツリー)が号令をかけて進められます。
 儀式はまず「献供礼」から始まります。これは天壇にお供え物を献ずる儀礼ですが、全てを生み育まれるラウム様にお供えする供物ですので、供えられる物は三厭五葷(さんえんごくん)、すなわち肉や魚、そしてネギ類などが用いられていないものをお供えします。お供えの最後には、先ほど作成した表文を壇上に置きます。
 「献供礼(けんきょうれい)」が終わったら、次はご神仏のご臨壇を請う「請壇礼(しょうだんれい)」です。ここでは請壇人により請壇経が読み上げられます。この請壇経が読み上げられることで、天壇を中心とする百歩以内は理天のご神仏、護法の神々によって聖なる結界が張られ、その中で得道儀式が進められます。請壇経に続いて「九五之大礼」と呼ばれる献香、礼拝を行います。これは献香と礼拝を三回づつ三度に分けて合計九回行い。最後に五回をもってご神仏との結縁と敬意を表すものです。これは「三顧の礼」や結婚式で行われる三三九度の盃(さかずき)と同様の意味をもって為されるものであると言われています。
 次に「末後一着」を読み上げます。「末後一着」は得道の儀式の意味合いを短いお経の中に表したものです。献供礼や請壇礼は御請訓式や授命式などでも行われますが、「末後一着」は得道式や超抜式においてのみ読み上げれられるお経であり、まさにここからが得道儀式の始まりだと言えます。
 「末後一着」の読み上げが終わり、次に先ほど書かれた表文が読み上げられます。表文には儀式の挙行される年月日(旧暦)と時間、そして場所と挙行される天壇名が記され、また得道する人を導いた人(引師)と得道するに当たり保証人となる人(保師)の名前が記されます。最後に得道する者の名前と功徳費の金額が記されており、読み上げられた後に「焚表(ふんぴょう)」と言い、天壇の香炉にて焚き上げられます。それにより地獄にある帳簿に記された籍を抜き、理天へと移し替えられます。これ以降は閻魔さまの管轄ではなく三官大帝により功罪が記録されることとなるのです。


<点道礼(合同・玄関・口訣)>

 三宝伝授について書かせて頂きます。とは言っても、三宝そのものは天機、すなわち天の機密であり法です。ですから当然三宝そのものの内容を書くことも伝授することも文章ではできません。
 三宝とは「合同」すなわち手の組み方であり、「玄関の点破」すなわち霊(たましい)の正門を開くことであり、「口訣」すなわち文字に書き表すことのできない真の言葉を伝えることです。せめてこの程度を書くのが精一杯です。
 三宝は天機ですので一切漏らすことは許されません。しかし、天壇に於いて点灯下に限り、すでに得道して三宝の伝授されている者であれば、その内容を確認し合うことはできます。だがそれはすでに授かった三宝の確認であって、三宝の伝授はできません。三宝の伝授とは、単に手の組み方を知り、言葉を覚え、玄関を指差せば良いというものではないからです。天命により執行される真法伝授の荘厳なる儀式であり、その伝授の権限を有しているのは恩師天然古仏ただお一人です。
 そこでこの三宝伝授の儀式、「点道礼」と言いますが、まず臨時点伝師としてすでに拝命を受けている者と、天然古仏さまとの結縁から儀式は始まります。結縁とは天壇に献香礼拝して天然古仏さまの代行者として正式な点伝師の任に就くことを言います。点伝師が登壇したら次は引保師の宣誓です。これは「引師」すなわち新求道者を導いた人、「保師」すなわち得道にあたり新求道者の保証人となる人が壇前にひざまずいて献香礼拝し、「天道性理のお伝えを求める者(これから得道する者)を紹介し保証します。いやしくも偽りの道、邪なる教えに導いたり、みだりに財物をだますことはしません。もしそのようなことをしたら、天譴(てんけん)《厳しい天のとがめ》を受けます。謹んでお誓いを申し上げます」とお誓いして、初めて新求道人に壇前に赴いていただきます。天道の全ての礼拝が乾坤(けんこん)《男性と女性》が別々に行うように、この場合も乾と坤は別々に儀式に臨みます。
 献香礼拝の後、まず「合同」の伝授が行われます。合同は霊(たましい)の親神ラウム様へと繋がるアンテナのようなものであり、真の印の組み方です。この合同を組んだ状態で点伝師の唱える点伝経と呼ばれるお経に合わせて礼拝し、下執礼(しもツリー)に続いてお誓いの言葉を申し上げます。
 そして、次に「玄関」を開く(点破)儀式へと入ります。点伝師はお経を唱えながら点棒(長い線香)により道を示し、ラウム様と新求道者の結縁を為します。次に壇を降りて求道者の後ろに立ち、玄関を点破します。これはカゴメカゴメの歌に「夜明けの晩に(白陽の世開け前、末法の時)、鶴と亀がすべって(陰陽交替の時、または極ジャンプ)、後ろの正面だぁ~れ」と唄われているように、まさに後ろの正面に立って玄関を開破し、霊(たましい)を六道の籠(カゴメ)の中から解き放つ瞬間であり、輪廻解脱であり、天の岩戸開きであり、救いの一点を得ることであり、これを「一指貫天の法」とも言います。
 それが終わって三宝の残る一つ、「口訣」(無字真経)が伝えられます。
 最後に、三宝という本来ならば絶対に頂くことのできない尊い宝を頂けたことに対して、謝恩の礼拝を行って得道儀式は終わります。


<三宝説明(合同・玄関・口訣)>


 三宝は天機であり、そのものズバリをここで書くわけにはいきませんが、書ける範囲で順番に書かせていただきます。
 
 「合同」
 これは手の組み方、手印です。しかし密教で行われる印の組み方と違い、外から見てどのように組まれているかは分かりません。また印そのものが親神ラウム様と繋がる一つのアンテナであり、また親(ラウム)と子の証を表しています。その辺の深い意味合いはここでは書けませんが、そのこともぜひ知っていただきたいと思います。

 「玄関」
 これは霊(たましい)の正門、悟りの一点等々さまざまな表現で言われます。「悟」の文字が、心を表す「りっしんべん」の「五つの口」と書くように、欲や迷いの原因である目鼻口耳の四つの口に五番目の口、中心の玄関が開けられ、迷いの世界から脱することができます。玄関とは「玄妙なる関」という意味であり、家の玄関と同様、正式な出入口という意味です。この玄関に関しては、経典や漢字など、あらゆる所にそれを暗示する言葉や事象が見られますが、それをここで全てを紹介してしまうと、玄関の位置が推察できてしまうので、ここでは書きませんが、本当に多くの暗示、教えが為されています。

 「口訣」
 文字や言葉でない五つの音で表されます。これは不立文字(ふりゅうもじ)とも呼ばれ、どこの国の言葉でもなく、また文字にも書き表すことができません。人から人への口伝の形式をもって、霊(たましい)に直接刻みつけられるものです。

 三宝は決して人から人へ伝えられるものでなく、その内容を憶えれば良いというものではありません。それは神仏より人の霊(たましい)に直接伝えられるものであり、人が自覚しようがしまいが、それは悟りを開いた瞬間でもあります。それだけに形のみが誤って伝わってしまうことがあってはいけません。それだけの理由ではないのですが、三宝は天機(極秘)とされております。最後にそのことだけでもきちんと伝えることと、得道者が次の行道へと繋がるように導くことが大切です。
 かつての求道者が探し求め、聖賢が難行苦行の末に得た尊いこの宝は、決して簡単に得ることはできません。得道したあなたの過去世の積徳とご先祖さまの後押しがあって、初めて得ることができました。どうかまだ得道されてない方を導いてあげて下さい。人一人を得道に導いた功徳は莫大なものです。その功徳があなたを一族の代表として得道へ導いたご先祖さまにもおよび一族全てが救われます。それが今頂いた宝をより大きくする方法です。そしてもう一つ、宝を磨いて光輝かせるのが『守玄』です。「守玄とは今開かれた玄関を通じて宇宙意識(ラウム)と一体となることです」というように、伝道と守玄の必要性を説き、また相手の興味に応じて天道を研参したり、活動に参加してみてはどうかと誘ってみることも必要です。
 多くの人を得道に導き、仲間を増やし、未来永劫に続く真なる平等世界、地上の楽園を築いていきましょう。