王様は言いました。

 

「岐伯先生の話では、癰と疽があったが

これらは何によって違うのだ?」

 

岐伯は言いました。

 

「癰と疽の違いは、見て分かります。

疽の出来物の上の皮は、

妖しい色になって堅く、牛の首筋の皮のようで、

癰の出来物の上の皮は、薄くてつやがあります。」

 

王様は言いました。

 

「どうしてそうなるのだ?」

 

岐伯は言いました。

 

「癰とは、

営気が経脈の中に留まって、血が滞って行かなくなり、

血が行かないと、衛気が通れずに、

枠に囲われて出られず二進(にっち)も三進(さっち)もいかないと、

熱になります。

どんどん熱が大きくなって、止まらず、

熱が勝つと、肉が腐ります。

肉が腐ると、化膿して、膿になります。

腐るのが、体内に陥して凹んでいなければ、

骨髄や五臓を傷めておらず、

癰の出来物の上の皮は、薄くてつやがあります。

これを癰といいます。

 

一方で、疽は、

熱の力がとても強く、

体内の筋や髄を枯らせ、五臓にまで影響し、血氣は尽きるので、

出来物の下に当たる部分は、筋も骨も肉も、みんな傷つきます。

皮膚を見れば、肌に下に凹んで、

上の皮は、妖しい色になって堅く、牛の首筋の皮のようです。

これを疽といいます。」

 

出来物は死につながる事が多く、

早く治療するためには、早く見つけることが大切なので、

みんなが毎日体を注意して見るように伝えよう、

と王様は思いました。

 

(王様と出来物 終)

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これで、黄帝内経最後の篇まで、完読です!

ついに、読み終わってしまいました!

一緒に読んでくださり、見守ってくださり、本当にありがとうございました!