岐伯は続けて言いました。

 

「大腿部にできる出来物を、『股脛疽』といいます。

見た目の変化はそうひどくはないのに、

内部で膿が骨まで行きます。

急いで治さないと三十日で死にます。

 

尾骨の尖った端にできる出来物を、『鋭疽』といいます。

出来物は赤くて堅くて大きくて、

急いで治さなければいけません。

治さないと、三十日で死にます。

 

大腿部の内側にできる出来物を、『赤施』といいます。

急いで治さなければ、六十日で死にます。

両脚に出来ていれば、十日目に死にます。

 

膝にできる出来物を、『疵癰』といいます。

大きいけれど、色の変わらない出来物で、

冷たくなったり、熱くなったりします。

石の堅さの時に、砭で切ると、死にます。

柔かくなってから、砭で切ると、治って生きます。

 

どの関節でも、左右対称に出来物ができるのは、

治療が無く、治せません。

陽経部だと、百日で死に、

陰経部だと、三十日で、死にます。」