王様は言いました。
「岐伯の話によると、
衛気は風府穴を通るたびに腠理に行って、
邪気とぶつかって発作が起こるというので、
発作が起こる時には、
風府穴から邪気が入っているのだろうが、
衛気が一日に一椎下がった所でぶつかるというのなら、
その場所は、風府穴ではないのではないか?」
岐伯は言いました。
「はい、王様。
お話している風府とは、
穴名の風府と、風(邪)がいる府(所)という違う意味です。
風邪がいる所の府は、いつも決まった同じ場所ではありません。
衛気が通ると必ず腠理が開くために、
邪の入り口になってしまうのは『風府穴』で、
邪気が居座っている所は『風府』です。」
王様は言いました。
「なるほど、よし、
正しくない風の病と、瘧の病は、
よく似ていて同じ種類だと思うのだが、
正しくない邪の病は、症状が常にあるのに対して、
瘧の病の症状は、出たり休んだりするのは、
どうしてだろうか?」
岐伯は言いました。
「正しくない風の病の邪気は、その所に留まっていますが、
瘧の病の邪気は、経絡に沿って移動しているからです。
移動した邪気は、深くに入って、
体の内部でぐるぐる巡っています。
それが、こちらも巡っている衛気に、
ばったり出会ってしまうと、発作になるというわけです。」
王様は言いました。
「よし、よく分かったぞ、ありがとう。」
そして、少師の話もきちんとして、
本に書いて残してくださりました。
(王様と正月の天気 終)
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読んでくださりありがとうございました。